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都市伝説解体センターネタバレ感想(悲しみ)

・都市伝説と絡めたミステリーADVなんだ!面白そう~!と思って買いました。プレイ時間十時間くらい。クリアまでネタバレします。

・ストアで買うときも思ったけど、センター長さんのビジュアルとか雰囲気、いいよね。色味がいい。

・お人好しそうな女の子が怪しい成人男性の事務所で働く流れ、色んな作品で100万回は見てきた気がするけど、何度見てもいいもんだなと思う。令和でもその先でもこういう作品がずっと作られ続けて欲しい。

センター長「大丈夫 あざみさんは死にませんよ その日まで 私が死なせません」←こういう意味深な台詞、好き好き好き好き好き好きの好き

・あざみちゃんのドット絵、たぬき顔でめちゃめちゃかわいい。
あざみちゃんに限らず、都市伝説解体センターはキャラのグラフィックが素晴らしいと思う。老若男女さまざまな年代のキャラがいた上で、美形とそうでないキャラの描き分けが出来てる。くるくる変わる表情も良くて、どのキャラも見ていて飽きなかった。
あと弱ったり焦ったりする表情がどのキャラもめっちゃ良かった。

・手動セーブが無くてオートセーブのみなのに動揺した。(アドベンチャーゲーム系は手動セーブ有りが多数なイメージだったので)ゲーム中どこででもセーブ出来るゲームじゃないとやっててそわそわしてしまう。

・調査するときに走れないのがもどかしい。
このゲームでやる作業は調査が8割くらいを占めていて、そこでのテンポはあんまり良くないと思った。

あと、キャラAの話を聞く→場所Aを調べる→そこで新事実が出てきたのでキャラAに話を聞く→そこで更に新事実が出てきたので場所Aをまた調べる……みたいに、ちょこちょこキャラや場所を行ったり来たりして調査しないといけないのがダルかった。また調べる必要があるキャラ・場所は特別に光り輝いたりしてくれたらありがたかったな。キャラと新たに話す話題が無くなったら自動的に会話画面が閉じられるところは良かった。

・SNS調査、色々とつらい。
私はX(twitter)の炎上案件がオススメ欄に無限に出てくる今のシステムが苦手で、それ故に普段はXをあまり見ないようにしているのだが、なんで娯楽でやってるゲームで延々とリアルな炎上SNSを見ないといけないんだよ……と思った。
あざみが眼鏡をかけないとSNSの有効キーワードが浮かび上がってこない仕様も謎だった。痕跡調査は眼鏡を掛けないといけないのはわかるけど、SNSの書き込みは普通に見えるんだから眼鏡いらなくない!?

せめてSNSを見ているあざみ&ジャスミンの反応が楽しいものならまだ良かったけど、二人の反応もほぼほぼ虚無だったので悲しかった。ここに限らず、このゲームって全体的にテキストが退屈よりなんだよな~。

・1話の事件、「なんか栄子さんが実は女衒で美桜ちゃんを陥れようとしているように見えるけど、もうちょっとひねりあるかな、表向きは美桜ちゃんを受け入れないけど実は美桜ちゃんを心配して実家に戻そうと考えた美桜ちゃんの家族が荒療治で都市伝説に扮した男を差し向けたとか……」とか考えていたが、普通に栄子さんが犯人だった。
栄子さん、ああいうSNSをやってる人って個人的には信用ならないな~と思ってしまうけど、逆にいい人のパターンもあるかな(作中SNSでも悪評が飛び交っていたから、逆に)と疑っていましたが……素直に嫌な人だった。SNSの悪評、普通に当たってた。

・全部クリアした今振り返っても、1話の事件が一番退屈だった気がする。トリックの粗が気になる事件は他にあったけど、1話は特に単調に感じた。部屋を行き来してるだけだからかな……。

・センター長の【特定】&【解体】の演出は見ていて楽しいけど、出される問題が簡単であるが故に、「この人、なんでこんなに盛り上がってるんだろう……?」と若干置いてきぼりになる感覚もあった。

【解体】は事件解決パートだからまだいいとして、都市伝説を【特定】する意味がよくわからなかった。最初から人間がやったことだと想定すればもっと早く解決出来たよね、という事件ばかりだった気がする。
依頼人や周りの人がよってたかって「これは超常現象だ!」と信じ込んでいて、事件解決のステップとして都市伝説の特定が必要ならまだいいんだけど、なんかそんな様子も無かったので、「オカルト趣味のセンター長が一人で盛り上がってるだけ」という感想になってしまう。演出はすごくいいので、そこにストーリー上の意味も乗ってくれたらもっと良かった。


・2話、事件の経緯は概ね想像通りだったけど、きのこのリアクションが楽しかったので1話よりも楽しかった。SNSの噂の中で事件が混ざってしまったという真相もなるほど、と思った。
5ソサエティの中ではきのこが一番好きだ。身体を張っている感じと、配信を頑張ってるところが好き。

・富入さん、このビジュアルの感じも好きだけど、所謂オネエ口調なのがめっちゃめちゃめちゃめちゃめちゃ良い…………

・3話、上野公園は行ったことのある場所なので調査が楽しかった。上野公園でミステリーツアーをするという趣向も良い。全部クリアした上で3話が一番好き。
ツアーの参加者も好き。オラついてるのに小市民的な感覚もある松田さんがお気に入り。可愛い。

・デスゲームの主催者みたいなナリをしてるのにヘタレなガイドさん、愛おしすぎる。このゲームに続編等があったらレギュラーキャラにして欲しい。

・木村さんが犯人とする根拠、「このツアーの参加者の中で唯一の女性…」ってところ、唯一の女性だからなんなん??と混乱した エレベーターで真っ先に消えた方が根拠なんじゃないかと思った
木村さんとセンター長のやりとりで、「センター長は如月努の関係者なのかな?」と思った。

・事件の情報が入っている封筒を真っ先に取ったことから、山田ガスマスクが上野天誅事件の犯人なのか?とこの時思ったので、腕にアザが無いのには驚いた。

・4話、リナさんのグラフィックがめちゃめちゃ良い……と思った。華々しい道を歩いていた美女が、恋人やら呪いのせいで弱っていくの、セクシーだ…………と思ってしまった。でも体調が悪いならタバコは止めた方がいいと思う。

・コトリバコってネットでちょっと見たことあるな~と思っていたら、「子を取る」くだりには何も触れずに話が進行したので、あれ?と思った。このゲームに登場する都市伝説はゲーム独自の設定という認識でいいのかな。

・呪いを受けてボロボロになるジャスミンパイセン、見てて辛かった。体調悪いなら車の運転はやめてくれ……と思った。でもSNSで呪いについて情報を求めたがるジャスミン、可愛い……と思ってしまった。

・村の調査に行ったら、「洒落怖に出てきそうな村の老人」が即出てきたのに笑ってしまった。
この辺、村人とか倉とか、良い意味で定番の要素が詰まってて楽しい。
「呪いの正体は飲み合わせによる体調不良」という推理、都市伝説の解体の中では一番好きだな。

・5話、序盤ではドッペルゲンガーは黒沢に実は双子(隠し子)がいたのか?とか考えてた。
ドッペルゲンガーは黒沢が盗みを働きたいが為についた嘘というか、狂言なのかなとも思ってたけど、そうでは無いというのが真実……というのでいいんだよね。
この章、一番不透明なことが多いような気がする。解体を見た上で、「あれは一体……」ということが多い。

・6話、「如月努の弟=SAMEJIMAの管理人はセンター長だと思うんだけど、それなら事務所でセンター長が調べてたくだりは何だったんだ……?」という気持ちがずっと頭の中にある章だった。あのくだり、何だったんだろう……。

・あざみに富入さんが「警察の不始末でごめんね」と謝罪して、「全ての警察がそうという訳じゃない、ジャスミンさんや富入さんは力になってくれる」みたいに返したところ、すごく好き。ここはあのキャラの本心だったと思いたい。

富入さんもクローゼットの司書さんも好きなキャラだから、最終的に彼らの働きが報われたかというとそうでもなさそうなのがつらかった。

・あざみを操作していて、「今の時代だとこういうタイプのキャラってお花畑って言われがちで、もっとリアリストなタイプのキャラの方が支持されやすい気もするけど、でもずっと操作してると可愛く思えてきたな。SNSも世の中も荒んでるゲームだけど、だからこそひたむきなあざみが救いのようにも光のようにも見える。あざみが主人公で良かったな」と思っていたので、ラストの展開には普通にめちゃめちゃ落ち込んだ。
この世には救いも光も無い。無い!

有名事件を全然知らないとか、ところどころで記憶に違和感があるとか、客観的に思えば怪しいところはいっぱいあったけど、「ジマーたちの様子を見るとこの世界には催眠術的な技術があるっぽいし、記憶抜けることもあるかな」とスルーしていた。察しが悪すぎる。
あざみ=花言葉が復讐というのはなるほど……と思った。あざといからあざみだと思っていたよ……。

あざみとセンター長の関係は好きよりだったので、二人とも存在しない人物だったことが……ふつうに悲しい……。
でも、あざみが止めてもセンター長はグレートリセットを止めなかったと考えるとより悲しいので、その辺を考えるとこの二人が存在しないキャラで良かったのかもしれない。

・歩の設定は面白いと思う。それにビジュアルが好き。歩の写真の荒んだフェイスはとても好き。
復讐完遂出来たこともおめでとうとは思うんだけど、如月努のグレートリセットの概念を使って犯罪をしたところがどうも受け付けなかった。この子も如月努の印象悪化に一部加担してるな~と思ってしまって……。オカルトで繋がっていた兄妹の話はとても尊くて好きだっただけに……。

・ラストの展開は面白かったけど、全部の設定を把握した上で、「あの時のあれはどうやってるんですか…?」という事が多すぎる気がする。

・4話後半で眉崎が呪いでダメージを受けた理由
・5話で黒沢本人が自宅で見たドッペルゲンガーは何だったのか
・6話でジャスミンが管理人と対峙した時に管理人の何かを見て驚いているようなアニメがあって、「管理人の顔を見たのかな?」と思ったけど、その後にジャスミンから特にリアクションが無い。あれは何だったのか
・センター長の電話を現場の人に知らせるところはどうやってるのか
・ラストからすると、ジャスミンはセンター長に直接会ったことが無いみたいだけど、彼女はそもそも都市伝説解体センターを調査するために入っていたはずなのに、センター長に直接会わないで何故良しとしていたのか
・ジマー達が催眠術か洗脳でもされたのかというレベルで従順になってるけど、どうやってその状態にさせたのか。

一応、頑張って想像すれば補完出来ないこともないんだけど、ミステリーADVと銘打たれてるのに、「どうやったかの過程はスキップします」で済まされても納得がいかない。
二千円もしない価格のゲームだから、その辺には期待しちゃいけないということなのかな……。
2話の最後で本物の幽霊が出てきたっぽいことは、「この世界には人が起こす都市伝説とは別に本物の怪異がいるんだな」と思ってそんなに気にならなかったけど、各話の事件本筋に関わることはもっと説明が欲しかった。

・このゲームの大きなテーマに「SNSの悪い影響」「SNSは無いものを有るようにする」等があると途中まで思ってたんだけど、
最後までやってみると、悪評が飛び交っている人物は実際に後ろ暗いことをしていたり、都市伝説解体センターはテロリストというのも実際に合っていたので、
「SNSは信憑性のない発言が飛び交いますが、真実を掴んでいることも時にはありますね」という風に……思ってしまって……

結局のところ、このゲームがSNSをどう扱いたかったのか、最後の最後でよくわからなくなってしまった。
いや、仮に悪い人間であっても悪し様に叩くのは良くないとは思いますが……このゲームがそういうことを意図していたか今となってはわからなくて……。

色々な面を含めて、この作品自体が都市伝説みたいなゲームだ。そういう読後感まで含めてデザインしてるなら本当にすごいと思う。



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