「買収希望金額は○○○○万円です」
オーナーさんには事前にプラットフォーム上で「一度お話を伺いたいです」と連絡をしていたので、宿泊ついでに施設を見に行きました。長野県のとあるエリアにある、約30年前にリゾートとして開発された場所で、近くにはスキー場やゴルフ場、テニスコートなどがあります。今回の案件は、そのエリアの一角に位置するリゾートインです。
東京から約3時間半ほどかかりました。関東周辺では連日37℃と猛暑が続いていましたが、施設周辺はまさかの27℃。標高が高いため、避暑地としても有名な「軽井沢」よりも涼しいようです。ちなみに、今の時期がこの地域で一番暑い日らしく、ここに住んでいる方が東京に行ったら、暑さで溶けてしまいそうだと感じました。
施設に到着すると、オーナー夫婦が出迎えてくれました。年齢は70歳くらいで、30年以上前にリゾートエリアが開発された際、スキー場のオープンに合わせて現在の施設を建てたそうです。
総工費は1億円以上で、営業権としてリゾート運営会社にも数千万円の「営業権」を支払ったとのこと。それ以来、夫婦二人で頑張って営業を続けてきたそうです。お話を伺うと、「跡継ぎがいないので、そろそろ引退して二人で色々な所に出かけたい」というシンプルな理由で、現在は客数を制限し、自分たちで無理なくできる範囲で営業を続けているとのことでした。
建物は想像していたよりも遥かに広く、綺麗な状態でした。30年間、大きな修繕はなく、非常に大切に使われていた様子がうかがえます。
部屋はそれほど広くはありませんが、二人で泊まるには十分な広さで、何より料理が充実していました。基本的にはフレンチのコース料理が提供されており、食事をする場所はレストランのような雰囲気です。宿泊料金もそれほど高くないのに、このクオリティの料理が出てくることに驚きました。オーナーに聞くと、「料理を気に入ってくれるお客さんが多く、毎年楽しみに来てくれる方もいらっしゃいます」とのことでした。食事を楽しみながらオーナーさんと様々な話ができ、施設も案内していただき、充実した初対面となりました。
その日は宿泊し、翌朝オーナー夫婦にご挨拶してから東京に戻りました。帰り際には、心の中で「やろう」とほぼ決意していました。
さて、ここからは『買収金額』の問題です。
「希望価格は3,000万円」
つづく。。。