シトワイヤン編集委員会とは?
はじめまして
私たちは、シトワイヤン編集委員会という学生団体です。
政治と民主主義を考える上で手助けとなる冊子を刊行することを目的に活動しています。
シトワイヤンとは、フランス語で「市民」という意味です。英語ではシティズンとなります。citizenはcityと同じ語源に持ち、日本語の「市民」は福澤諭吉が訳出したとされています。
シトワイヤンとは?
「市民」という言葉はとても身近な言葉ではありますが、実は様々な意味を含んだ言葉です。「市民」は古代ギリシャの都市国家で生まれました。
古代ギリシャでは、政治に関わる権利を持ち、ポリス共同体のために義務を負う者たちが「市民」(polités、ポリテース)と呼ばれていました。
その「市民」たちこそが西洋文明の起源であり、民主主義の祖です。
また共和制ローマにおいても、政治に参加するたちを「市民」(civis、キウィス)と呼びました。しかし、ギリシャやローマの「市民」には奴隷や女性などは含まれず、一部の男性のみが「市民」として政治に参加したのです。
しかし、ギリシャやローマで共和制が終わり、長い間「市民」を見かけることはなくなります。そんな中、1789年にフランス革命が起こることで、「市民」に転機が訪れます。
当時のフランスの「市民」(beurgeois、ブルジョワ)は中世後期の封建制の中で発達しました。ブルジョワとは「城壁の中の人」という意味です。
彼らは、経済的な自由と自治を求め、自由放任主義を掲げ、君主を処刑し再び共和制を取り戻しました。しかし、彼らの目的は共同体の利益ではなく、個人の利益の追求でした。
そこでルソーは「市民」の概念をシトワイヤンとブルジョワに厳格に分類しました。
シトワイヤンとは、自由で平等な市民たちが、政治以外の仕事を本業としながらも、自発的に政治に参加する個人です。
古代ギリシャのポリスを模範としていて、ブルジョワとは大きく異なります。
ここで私たちはあえて、多くの「市民」という言葉の中から、ポリテースでもなく、キウィスでもなく、ブルジョワでもなく、「シトワイヤン」を選び、名乗ることにしました。
私たちの問題意識と理念
私たちシトワイヤンには、代表の三島を筆頭に、政治を学ぶ大学生、大学院生が10名ほど在籍しています。しかし、皆が口を揃えて言うことがあります。
それは、「現実の政治がよく分からない」ということです。
そして、私たちに分からないのであれば、日本国民の多くも同じような状態にあるのではないかと私たちは考えています。
政治や民主主義には様々な側面がありますが、間接民主制を採用する日本では、選挙で選ばれた政治家が大きな影響力を持っています。
しかし、政治家が実際に日本の政治課題や社会課題に対して何を考え、どのように向き合っているのか、そしてその政治家たちは何者なのかということを、私たち国民のほとんどが知らないのではないかと感じています。
また、若者が政治家のことを知るにあたって、政党・政治家個人のホームページやSNS等、インターネット上での発信を広く活用できるようになり、以前に比べてそうした情報へのアクセス自体は容易になっています。
しかしその一方で、どの政治家のホームページなどを訪ねてもどれも似たような当たり障りのない内容が多く、政治家個々人にどのような差異があるのか分かりません。
よって、今回はテーマの中心に政治家を据えようと思います。
政治家と国民の距離が離れ、政治家が国民にとって異物になるというのは民主主義にとって非常に問題であると言えます。
だからこそ私たちは、画面越しではあまり感じ取ることが出来なかった政治家の覚悟や思想、そしてビジョンや現状認識と自身の評価などを解き明かしていきたい。
本当にその政治家たちに自分たちの国を任せてもよいのかを確かめていきたいと考えています。
創刊号とnoteの運用
創刊号は「民主主義と総理大臣」
やはり政治を動かすのはリーダーです。私たち国民が、リーダーを知らなければ選ぶことも信任することもできない。そして私たち国民の選んだ代表が暴君かどうか判断できなければ、市民が暴君を指導者の座から引きずり下ろすこともできません。そこで、「民主主義と総理大臣」をテーマに特集しようと考えました。
シトワイヤン創刊号では、総理大臣経験者や政治に大きな影響力を持っていた政治家、地方政治の変革を起こした政治家、主要政党の党首、未来の総理大臣候補といった政界のリーダーたちにインタビューを行い、政治家のリアルに迫っていきます。(2024年7月23日現在、鳩山友紀夫元首相、前原誠司衆議院議員、玉木雄一郎国民民主党代表にインタビュー済み)
また、本誌の企画趣旨からは外れるものの、リーダーを支える政治家たちや自治体の首長、議会政治に関わる人々も日本の民主主義を支える重要な存在です。そこで、若手政治家や首長、政治家以外の議会政治に関わる人々にもインタビューを行い、その実像を明らかにする必要があるのではないかと考え、note企画をスタートしました。(2024年7月29日現在、米山隆一衆議院議員、川勝平太前静岡県知事、小西ひろゆき参議院議員にインタビュー済、順次公開予定)
皆様には本誌企画とnote企画ともに温かい目で見守っていただければ幸いです。シトワイヤン編集委員会をよろしくお願いいたします。
2024年7月26日 京都にて
文責 シトワイヤン編集委員会代表 三島隆太郎
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