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アンダーカバーとミヒャエル・ボレマンス

昨年からずっと行きたいと思っていましたが、結局行けなかった美術展があります。金沢21世紀美術館で2月まで開催していた「ミヒャエル・ボレマンス マーク・マンダース|ダブル・サイレンス」です。
両者とも大好きなアーティストなのでどうしても見たかったのですが、金沢まで行くタイミングを作ることができず断念しました。

Double Silence(ダブル・サイレンス)/金沢21世紀美術館

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特にベルギー出身のミヒャエル・ボレマンスは、数年前にUNDERCOVER (アンダーカバー) がコラボレーションしていて、その洋服の迫力に圧倒されて以来、作品をずっと見たいと思っていました。

ミヒャエル・ボレマンスの作品は、一見分かりやすい絵画のようでありながら独特の表現方法により、見るものを謎めいた世界へと誘います。その背景には何があるのか、深く考えさせられる不思議な魅力のある作品です。
彼の作風はスペイン・バロック期の宮廷画家ベラスケスや近代絵画の巨匠マネなどの描写に倣いつつ、シュールレアリズムなどの遺伝子も受け継ぐと評価されています。

Michaël Borremans(ミヒャエル・ボレマンス)

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コラボレーションしたのは傷を意味する「hurt (ハート)」をテーマとした、2015-16年秋冬ウィメンズコレクション。アンダーカバーのコレクションには音楽やアートを背景にした様々なモチーフが毎回登場しますが、ミヒャエル・ボレマンスは高橋盾氏が特にお気に入りのアーティストだそうです。

個人的な感想ですが、ボレマンスのクラシックな絵画のスタイルにシュールレアリズムなどの「ねじれ」を加える手法は、伝統を継承しながらもそれを破壊していく、アンダーカバーの洋服作りにも繋がる部分があるのではと思います。カオティックでミステリアスな世界観も共鳴するところがあります。
とても好評だったようで、翌年にはメンズコレクションでもコラボしていました。

UNDERCOVER (アンダーカバー) 2015-16年秋冬コレクションのタイトルは「hurt (=傷、傷み)」。ガラスの破片が突き刺さったようなショルダー、ボディにはナイフで切り裂いたようなスラッシュが入り、裾はライターの熱で歪められたべっ甲のビニールがエレガントな、しかしどこか不穏なドレープを打つ。マキシ丈のスカートやコート、タートルネックのニットなどには、ベルギーの現代美術作家 Michaël Borremans (ミヒャエル ボレマンス) の絵画作品が大胆にのせられ、モデルの顔もまた、Borremans 作品に通じる透明のマスクで覆われている。Borremans はデザイナーの高橋盾が敬愛するアーティストのひとり。静謐な中に突き詰めた狂気的な作風が、UNDERCOVER 独特のシュールな世界観に通じている。

UNDERCOVER(アンダーカバー) 2015-16年秋冬コレクション

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ミヒャエル・ボレマンスは見逃してしまいましたが、マーク・マンダースはまだチャンスがありました。
東京都現代美術館で3月20日から個展「マーク・マンダース—マーク・マンダースの不在」がスタートしました。
当然行くつもりでしたが、まだ期間もあるし大丈夫だろうと思っていたところ、まさかの臨時休館になってしまいました。

しかし本日6月1日(火)より完全予約制のうえ展示再開との事だったので時間を作って行ってみようと思います。
今にも壊れそうな、身体の断片を表した彫刻は本当に鮮烈です。

Mark Manders(マーク・マンダース)

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マーク・マンダースの不在
会期:2021年3月20日(土・祝)~6月22日(火)
休館日:6/1~6/22は休館日なし
開館時間:10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 3F

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