最期

親にもっと稼げと催促されてるのに
1日8時間残業ありで働かなければ社会人じゃないってしつこく言われてるのに
心療内科の先生にこれ以上働く時間を増やすのは厳しいと言われた時
僕はこのまま一生愛も金もないまま死んでいくんだと悟った
違うそうじゃない
もっとずっと前から分かっていた
自分の障害を自覚した時から
今更釘を刺されただけで
だから悲しいだなんて口が裂けても言わないけどよ
一つくだらない文句だけ最後に言わせてくれ
なぜアンタ等は僕にあたかも未来があるかのように育てた
僕には何の才能もない所か普通のこともうまく出来ないんだ
何一つも
物心ついた頃からずっとそうだった
なのにどうして
あたかも僕が特別な何か持っているかのように煽て流して
だから僕は夢を見ることばかり覚えてしまった
そうしない限り諦めが付かなくなって
現実とのギャップで鬱病が悪化して
今じゃ1日4時間の障害者雇用について最低賃金を貪るだけ
ただの大人になれない子供部屋おじさん
人間かどうかも怪しい
まあ特別と言われれば特別と言えものは生まれ付き持っているか
左足内反則で広域発達障害とかいう欠陥をな
俗に言う「身障」って奴だ
病名が付いてるから正真正銘のな
怪しい所かマジで人間じゃ無かったは
本当、クソだよな
よくも産み落としてくれたよ
だから何一つ普通にこなせない
最低だ、僕の全てが
アンタ等はもっと前に知っていたんだろ
僕の障害のことも
其れにほとんど未来がないことも
夢が金でしか買えないことも
其れを諦めなければ大人になれないことも
全部全部欺瞞だ
なのに今更素直になって掌を返されても
何もかも納得できねえよな
ただ心療内科の先生にあなたに普通の人生は送れないと暗示された時
愛も金もないまま死んでいくんだと釘を刺された時
一つだけ例外だったことを思い出した
其れは君に出会えたこと
もうだいぶ朧げな記憶だけれど
でも確かに覚えてる
あの無邪気に笑った顔を
君は今何をしているだろうか
ちゃんと夢を掴んだだろうか
何より幸せだろうか
そうであったら嬉しいな
其処まで考えてから気付く
僕には金はないけど愛はあった事に
其のことが嬉しくて年甲斐もなく泣いた後
この心のまま死のうと思った
今首に縄をかけて