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ヴァルナとジャーティ

不細工で汚い声しか出ない白痴の発達障害に生まれて
頑張れない努力でない何の才能もないクズに生まれて
大学は中退するしか無くて
最低賃金の職にしか着けなくて
親からも心療内科の先生からも
身の丈に合ったこと以外するなと言われ続けてきたけど
自分の身の丈に合うものなど何一つ無いから
ただ何もできないしする気も無いから
週末になるといつも一日中ベットに横になって
燻んだ白色の天井を見つめていた
其れなら無理して生きている必要も無いな
僕には何にも無いな
何時あのナイロンの輪に首を通しただろう
そんな独りぼっちの影もいつの間にか二つに変わっていた
ベットは青い草に燻んだ白色は澄んだ青色に変わっていた
繋いだ右手に君がいた
未だに分からないんだ
なぜ君が僕を選んだのか
未だに思うんだ
君は美人局じゃないかって

僕等をインドのカースト制度に置き換えるなら
君はきっとバラモンで
僕はシュードラか人間以下のダリットで
そんな逆シンデレラ、あるいは美女と野獣
其れがハッピーエンドかどうかは分からないから
だだ見えない身分制度があるこの国で
僕はずっと考えていた
もし本当に自分の身の丈に合ったことしか許されないなら
僕に誰かを愛す権利は有るの?
未だに分からないんだ
君の顔の何処にキスをしていいか
未だに思うんだ
僕が君に釣り合うかどうか
だから僕は跪いて、君に左手にキスをした
其の穢れた、でも温かい左手に
「でもずっと大切にするから」
「でもきっと幸せにするから」
まだ言えないけどね
其の薬指の安い指輪が君に光かって見せた
何もない筈の僕の代わりに

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