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料理撮影で必要なことは?

立体感

料理写真に限らず被写体を立体的に表現する照明技術は
写真家には必須の技術です。
適切に照明され立体感がうまく表現された料理写真こそ、
目指す目標でもあります。
被写体に陰影をつけるだけでは料理撮影は成り立ちません。
単に陰影をつけるのではなく、その陰影が連続的で滑らかなことが重要です。
また影をつける事は、色の再現について問題が出る場合がありますので
注意が必要です。

コントラスト

写真の明るい部分と暗い部分の差または明暗比をコントラストといいます。
コントラストがうまくコントロールされていない料理写真が多く見受けられます。
なぜ、プロカメラマンは多灯するのでしょうか?
補助光を用いて暗部を少し持ち上げたりしてコントラストの調整を
するためにも多灯します。
人の目とは違い、カメラではコントラストが非常に高い状態の写真の場合、
シャドー・ハイライトのグラデーションが急激に変化し
見辛い写真になっています。
人の目は勝手にコントラストを補正・調整してものを見ています。

シズル感(照り)

食物・料理のシズル感をいかに表現するかは、
料理を撮影する写真家にとっては常に考えなければいけないことです。
シズル感を表現するにあたって、照り部分の質感描写は非常に重要です。
料理のテカリ・照りの表現ではハイライトから中間調そしてシャドー部へと
微妙に連続的に変化する適切なグラデーションでの質感描写が必要です。
ネット上では、照明機材としてボックスライトを使用して
料理撮影している物も紹介されていますが
ボックスライトでは微妙に連続的に変化する
適切なグラデーションでの質感描写ができません。
私の料理撮影・商品撮影では、ボックスライトは使用しません。
モデル撮影でも自作の大きなボックスライトは使いますが
市販の小さなボックスライトは使用しません。


色彩
料理を美味しそうに見せるには、色の鮮やかさも重要な要素です。
料理写真は色彩の豊かさをうまく使う必要があります。
色の転び、濁りを無くし、、鮮やかな料理写真を創る必要があります。
デジタルの画像処理で鮮やかさの問題は彩度だけなら
比較的簡単にクリアできます。
しかし、画像処理だけでは難しいこともあります。
鮮やかに見せるためには、色の濁りを極力なくし、
より鮮度を強調してやる必要があります。
これには撮影時のライティングがものを言います。
ホワイトバランスを調整して、シャドー部の濁りを減らし、
適正に撮影することが大事です。
ラィティング技術についておいおい書いていきます。

演出

広告の料理写真では、温かい料理から立ち上る湯気、鍋料理などの泡立ち、
冷えたドリンクの水滴など演出するものもの多くあります。
広告の料理写真は人為的に強調されて表現されています。
湯気を例に挙げますと、普通にとっても写りにくいので撮影時、
背景を暗くする事は当然ですが器に細工をしたりして
人工的にスチームを送り込んで湯気を強調したりします。
予算の少ない撮影では素材の湯気の画像を使い、
画像処理で湯気を付け加えたりもしますが、やはり実写には負けます。

出来立ての美味しそうに盛られた料理をそのままに撮影したのでは、
シズル感が不十分であることも多いのです。
”シズル感”を演出するノウハウを持つことはプロとして
当然のことですので勉強してください。

ここまで、シズル感の演出について述べてきましたが、
一番重要なのはシズル感の演出にはライティングが大切という事です。
料理撮影においてはさまざまなノウハウが必要ですが、
せっかくの美味しい料理を生かすも殺すも照明技術・ライティングで
あるということ念頭に料理撮影を学んでみてください。



シップ写真教室の料理撮影コース
大阪の広告写真スタジオとして36年
大手通販会社の料理撮影、百貨店のギフト用の料理撮影、
チェーン展開する企業などで多くの料理撮影・店舗撮影を行ってきました。
料理撮影を学びたいとお考えの皆様がいらっしゃいましたら、
是非当社をご検討ください。

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