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実際、noteで飯を食い今始めてから7年になる訳ですが….


年の瀬ですが、嬉しいご報告。新連載が始まりました。

記念すべき第一回は私がここ数年愛用している箸と、箸から広がる文化について。いやぁ、書いていて楽しかった。というのも、箸について書こうと決めた日から、どんどん箸のことが見えてきて、「こんなに毎日一緒にいるのに、なにも知らなかったのね……!」という気持ちになったのでした。書くという行為はやはり、世界を豊かにしてくれるね。

そして、こうした連載モノをどこかで書かせてもらいたいな……とずっと思っていたので、夢が1つ叶いました。嬉しい!

それ、noteでええんちゃうの問題

私はnoteの中に引きこもってずっと文章を書いているので、外のWebメディアで書かせていただくのはかなり久しぶり。ときに文芸誌などでは書かせていただきますが、そうしたものはほぼ単発だし、ロングランを目指した連載は未踏の地です。

というのもやっぱり、noteを中心に活動していると、外で書く必要性……というか合理性が低くなってしまうからなんですよね。ここが一番やりやすいし、SEOも高くてアーカイヴ性にも優れている。そしてなにより、収益がちゃんと自分に入ってくる。外部で執筆のご相談をいただいても、諸々考えて「いや、それnoteでええんちゃうかな…」と思ってしまうことも多く、内側に籠るばかりの歳月が過ぎていたのでした。

もちろん、15年以上前であれば、「多くの人に読んでもらう」きっかけの場として雑誌などが大いに重宝されていたのだと思うのだけれど、今の時代は編集部から「ツイートしてください!著者の拡散が頼りで…」と言われてしまうことも。もちろん現代でも、雑誌や新聞の書評だからこそ出会えた読者の方もいらっしゃるのですが、出会いの数だけでいえばSNSが圧倒的に強い時代。ますます、外の媒体で書く必然性が低くなってしまうのです。

ーー

振り返ると、noteで月額マガジンを始めたのが2017年の年の瀬。「異国の地で、どうやって食っていけばええんや…!」と暗中模索していた中で藁をも掴む思いで始めましたが、そこからもう7年もやってるのか……と思うと感慨深いですね。そして調べてみると、この7年でなんと、累計5,050万円ほどの売上をいただいておりました(実際の入金額でいうと、3,900万円くらい)。

いや手数料高いな!? とツッコミつつも、noteというサービスのおかげで、書くことで食っていくという淡い夢のような話を現実のものにさせてもらっている訳です。もちろんそれは買って読んでくださる方々、広めてくださる方々がいらっしゃるからで、本当に、とんでもないことです。

ニューヨークでのパンデミックの中でも、不妊治療ばかりでうだつの上がらぬ日々でも、なんとか事切れることなく、書けているし、読んでいただけている。本当に、ありがとうございます。

ただ一方で、こうして「noteで食えていける」からこそ生じる問題、のようなものもあるんですよね。編集者さんもおらず、1人で考えて、1人で書く……という状況からくる視野の狭さもあるし、課金しなきゃ続きが読めない仕様上、読者層が広がりにくいという側面もあります。

ただそうしたこと以上に、PV数や売上が直接的に見えすぎちゃってるところが、良くない。ほんとーーに、良くないのです。

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新刊『小さな声の向こうに』を文藝春秋から4月9日に上梓します。noteには載せていない書き下ろしも沢山ありますので、ご興味があれば読んでいただけると、とても嬉しいです。