塩谷舞(mai shiotani)

1988年大阪・千里生まれ。2018年からNYでの生活を経て2021年に帰国。note…

塩谷舞(mai shiotani)

1988年大阪・千里生まれ。2018年からNYでの生活を経て2021年に帰国。noteメンバーシップ『視点』更新中。著書に『ここじゃない世界に行きたかった』『小さな声の向こうに』(文藝春秋)公式サイト▶ https://www.maishiotani.com/

メンバーシップに加入する

暮らしや文化芸術、社会問題について私の視点で思案しつつ、エッセイとして月三本程度お届けします。 読者の方同士が交流できる掲示板も出来るようなので、それぞれの地域での交流や、ほかに好きな文章の共有などにお役立てください。

  • 『視点』エッセイ月3本

    ¥500 / 月
  • 『視点」エッセイ月3本と、不定期散文も。

    ¥700 / 月

ウィジェット

マガジン

  • 視点 メンバーシップに移行するため、新規購読はお勧めしません

    暮らしや営みの中で零れ落ちそうなことを掬い上げたり、心や脳に浮かんだ閃きを忘れないよう書き留めたりする、思考や思想の直売所のようなものです。

  • 「記憶に残るインターネットの使い方」54記事おまとめパック

    ※2024年4月、500円にお値下げしました。 ※2022年1月、900円にお値下げしました。 ※2021年6月、ほぼ半額の1500円にお値下げしました。 およそ2年間運営してきたマガジン「記憶に残るインターネットの使い方」のポジティブ廃刊にともなって、これまで人気のあった記事だけを2900円で販売します。メディアを運営している方だけではなく、フリーランスのクリエイター、PR、マーケター、事業主の方々など、幅広い方が購読してくださっていました。

  • 不妊治療の日々

    不妊治療について書いてある記事だけをまとめておきます。途中から有料…というものもありますが、ご容赦ください。

  • 暮らしを整える千里の道

    暮らしにまつわるnoteだけを集めたものです。

  • 書いて生きていく人のための文章講座

    反響の大きかった「文章を書くこと」にまつわるnoteを集めました。買い切りなので、毎月の課金はありません。ライターとして独立したい方、Webでも書いて行きたい方向け。書き方だけじゃなくて、批判との向き合い方や稼ぎ方など12記事。春休みの集中講座的にご活用ください🌸それぞれ単品で買うよりも1460円お得です!

最近の記事

  • 固定された記事

[もくじ] 過去記事ほぼぜんぶリンク集

(最終更新 2024年8月19日) インターネットのあちこちに散らかっている文章をまとめました。 古い文章は、今とは主張が違うことも、ときには正反対であったりもしますが、それはそれで自分の考えていたことなので残しておきます。とはいえ過去記事全てを掲載するとあまりにも収拾がつかなくなるので、載せてないものもあります。すみません。テーマが1つに限定できないものは、重複して登場していたりします。 ネットに放った文章は勢いだけで書いているものもあり、雑多で乱れていることも多々、

    • 私は、美しい暮らしが好き

      哲学者の友人、谷川さんに誘ってもらい、同人誌『暮らしは、ことばでできている』に寄稿しています。 私はただ、美しい暮らしが好きなんよ!という話をしているのですが、本になったものを開くと、前書きで拙著のことに触れてもらっており、友よ!!!!という嬉しさがありました。 前書き、そして販売先情報はここからもご覧いただけます。 ここからは、私の文章のみを掲載させてもらうのですが、本として読みたい、という方はぜひ実物で。穏やかや日記がありつつ、渡辺祐真さんと谷川嘉浩さんの鋭利で読み

      • 行かなきゃならない展覧会、5選

        芸術というものを紹介するときは、まず自らの足を運び、この目で、耳で、できる限りを体感してから書く……というのが私の中の原則ではあったのだけれど、どうにも身体が動かない。しかし、元気になってから……と身体の都合を待っていると、あれもこれも会期が終了し、なんなら美術館まで休館してしまうようなこのご時世。 ……というのを言い訳にして、行ってもいない展覧会のことをいくつかここに寄せ集めておくことをお許しいただきたい。とは言え数多の情報の中から厳選した、必ず行きたいものばかり。関東中

        • 蛍は光り、人は声を出すけれど

          夏風邪をこじらせてしまい、5日ほど寝込んでいる。クーラーの影響か、喉がやられてしまった。 夫は出張に出ていたし、最低限の食料は宅配で賄っていたので、三日三晩ほど「あ」とも言わない日々を過ごした。 声というのは、「私はここにいる」とその場で伝える最善の手段なのだよな……とそれが出なくなるときいつも思う。触れる、叩く、もしくは殴るといった動作で気持ちを伝えるのはあまりにも直接的だけれど、音は空気を震わせて周囲に届く。その色によって、心の内までも伝えられる。残念ながら我々は蛍

        • 固定された記事

        [もくじ] 過去記事ほぼぜんぶリンク集

        マガジン

        • 視点 メンバーシップに移行するため、新規購読はお勧めしません
          ¥500 / 月
        • 「記憶に残るインターネットの使い方」54記事おまとめパック
          54本
          ¥500
        • 不妊治療の日々
          6本
        • 暮らしを整える千里の道
          20本
        • 書いて生きていく人のための文章講座
          12本
          ¥790

        メンバーシップ

        • まずは自己紹介を。

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • 9月の投稿と、大阪文学フリマにちょっと参加のお知らせ

          この投稿を見るには 「『視点」エッセイ月3本と、不定期散文も。」で参加する必要があります
        • 古琴と最近

          この投稿を見るには 「『視点」エッセイ月3本と、不定期散文も。」で参加する必要があります
        • 掲示板、長らく活かせておらずごめんなさい……!

          この投稿を見るには 「『視点」エッセイ月3本と、不定期散文も。」で参加する必要があります
        • まずは自己紹介を。

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • 9月の投稿と、大阪文学フリマにちょっと参加のお知らせ

          この投稿を見るには 「『視点」エッセイ月3本と、不定期散文も。」で参加する必要があります
        • 古琴と最近

          この投稿を見るには 「『視点」エッセイ月3本と、不定期散文も。」で参加する必要があります
        • 掲示板、長らく活かせておらずごめんなさい……!

          この投稿を見るには 「『視点」エッセイ月3本と、不定期散文も。」で参加する必要があります

        メンバー特典記事

          私は、美しい暮らしが好き

          哲学者の友人、谷川さんに誘ってもらい、同人誌『暮らしは、ことばでできている』に寄稿しています。 私はただ、美しい暮らしが好きなんよ!という話をしているのですが、本になったものを開くと、前書きで拙著のことに触れてもらっており、友よ!!!!という嬉しさがありました。 前書き、そして販売先情報はここからもご覧いただけます。 ここからは、私の文章のみを掲載させてもらうのですが、本として読みたい、という方はぜひ実物で。穏やかや日記がありつつ、渡辺祐真さんと谷川嘉浩さんの鋭利で読み

          私は、美しい暮らしが好き

          行かなきゃならない展覧会、5選

          芸術というものを紹介するときは、まず自らの足を運び、この目で、耳で、できる限りを体感してから書く……というのが私の中の原則ではあったのだけれど、どうにも身体が動かない。しかし、元気になってから……と身体の都合を待っていると、あれもこれも会期が終了し、なんなら美術館まで休館してしまうようなこのご時世。 ……というのを言い訳にして、行ってもいない展覧会のことをいくつかここに寄せ集めておくことをお許しいただきたい。とは言え数多の情報の中から厳選した、必ず行きたいものばかり。関東中

          行かなきゃならない展覧会、5選

          蛍は光り、人は声を出すけれど

          夏風邪をこじらせてしまい、5日ほど寝込んでいる。クーラーの影響か、喉がやられてしまった。 夫は出張に出ていたし、最低限の食料は宅配で賄っていたので、三日三晩ほど「あ」とも言わない日々を過ごした。 声というのは、「私はここにいる」とその場で伝える最善の手段なのだよな……とそれが出なくなるときいつも思う。触れる、叩く、もしくは殴るといった動作で気持ちを伝えるのはあまりにも直接的だけれど、音は空気を震わせて周囲に届く。その色によって、心の内までも伝えられる。残念ながら我々は蛍

          蛍は光り、人は声を出すけれど

          森羅万象への敬意が生む、類まれなる調和

          美しい時間の覚え書き。 赤坂見附で下車して、ぱっとしない地下道をせっせと歩いた末に辿り着く、綺羅びやかなサントリーホール。きらきらと輝くホワイエに気持ちが高揚しながらも、同時に少し安堵する。いつもここに来るときは少し気が張っていたのだけれど、昨夜は楽しみなばかりの夜だったのだ。 というのも私は昨年まで、サントリーホールのことを紹介する雑誌連載を受け持っていた。だからかなりの頻度で来ていたし、何度も演奏会を楽しませてもらったのだけれど、いつも「文章のネタを見逃してはならぬ!

          森羅万象への敬意が生む、類まれなる調和

          バンコク、灼熱の街で

          「しばらく、自由に過ごしてもらって大丈夫です!」 4月1日、主治医にそう告げられた。不妊治療なるものはとにかく制約が多いのだけれど、あれもダメ、これもダメ……という日々をしばらく過ごした末に妊娠不成立となれば、束の間の自由が訪れる。けれどもその次の移植が上手くいけば妊婦になる訳で、今ここで提示された自由は、30代最後の自由……になるかもしれない。そう考えると途端に焦燥感が生まれてくるもので、「どこか遠くに行くなら、今!」と夫にLINEした。 ── 我々夫婦は、一緒に海外

          バンコク、灼熱の街で

          不妊治療と仕事は両立できるのか問題。

          前回、京都で展覧会を開催した話を書いたけれど、会場に来てくださったお客さんの多くから「体調は大丈夫?」「無理しないで」というお声掛けをいただいた。 私は不妊治療をしていることを赤裸々に書いているために、それを読んでくださった上でのことだろう。「痛い」「先が見えない」「自由に仕事が出来ない」という、うだつの上がらない言葉ばかりを公にしてしまっていることもあり、必要以上の心配を掛けてしまっているのではないか……と申し訳なく思った。でも展覧会の間は幸か不幸か、すこぶる元気だったの

          不妊治療と仕事は両立できるのか問題。

        記事

          森羅万象への敬意が生む、類まれなる調和

          美しい時間の覚え書き。 赤坂見附で下車して、ぱっとしない地下道をせっせと歩いた末に辿り着く、綺羅びやかなサントリーホール。きらきらと輝くホワイエに気持ちが高揚しながらも、同時に少し安堵する。いつもここに来るときは少し気が張っていたのだけれど、昨夜は楽しみなばかりの夜だったのだ。 というのも私は昨年まで、サントリーホールのことを紹介する雑誌連載を受け持っていた。だからかなりの頻度で来ていたし、何度も演奏会を楽しませてもらったのだけれど、いつも「文章のネタを見逃してはならぬ!

          森羅万象への敬意が生む、類まれなる調和

          バンコク、灼熱の街で

          「しばらく、自由に過ごしてもらって大丈夫です!」 4月1日、主治医にそう告げられた。不妊治療なるものはとにかく制約が多いのだけれど、あれもダメ、これもダメ……という日々をしばらく過ごした末に妊娠不成立となれば、束の間の自由が訪れる。けれどもその次の移植が上手くいけば妊婦になる訳で、今ここで提示された自由は、30代最後の自由……になるかもしれない。そう考えると途端に焦燥感が生まれてくるもので、「どこか遠くに行くなら、今!」と夫にLINEした。 ── 我々夫婦は、一緒に海外

          バンコク、灼熱の街で

          不妊治療と仕事は両立できるのか問題。

          前回、京都で展覧会を開催した話を書いたけれど、会場に来てくださったお客さんの多くから「体調は大丈夫?」「無理しないで」というお声掛けをいただいた。 私は不妊治療をしていることを赤裸々に書いているために、それを読んでくださった上でのことだろう。「痛い」「先が見えない」「自由に仕事が出来ない」という、うだつの上がらない言葉ばかりを公にしてしまっていることもあり、必要以上の心配を掛けてしまっているのではないか……と申し訳なく思った。でも展覧会の間は幸か不幸か、すこぶる元気だったの

          不妊治療と仕事は両立できるのか問題。

          京都でのAesther Changの展覧会を終えて──言葉にしておきたいこと

          大きな出来事があると、ちゃんと書かねば……と思いながらも、気持ちの整理が付けられないままに1週間、1ヶ月、半年……と過ぎてすっかり風化してしまうことがままあるのだけれど、これはちゃんと言葉に残しておかなきゃいけない。 企画、運営を担当させていただいた京都でのAesther Chang個展は、6月28日からの3日間、良い形で会期を終えることが叶いました。お越しくださったみなさま、本当にありがとうございました。 ニューヨークのソーホーで、台湾系アメリカ人のAesther Ch

          京都でのAesther Changの展覧会を終えて──言葉にしておきたいこと

          「将来の夢は?」という質問を受け続けることで、育てていった自らの呪い

          「将来の夢は?」 大人は子どもに、何の気なくそう尋ねる。私だって姪っ子に、そうしたことを聞いたことがあったかもしれない……いや、なかったかも。と、聞く側はそれくらい無意識なものだ。それは「今、何年生?」「好きな食べ物は?」と同じくらいに、子どもに向けたありがちな質問なのだし。 ただ問われる側だった頃の記憶を思い返してみると、そこで大人の望むような回答……つまり具体的な、わかりやすい職業名を挙げることに対して、小さな居心地の悪さが確かにあったのだよな。 ── 私がそうし

          「将来の夢は?」という質問を受け続けることで、育てていった自らの呪い

          曖昧だからこそ

          「あなたの文章には、具体的な感情を表す言葉が滅多に出てこない」というようなことを友人に言われて、確かに……と思った。書いているときは非常に感情的なのだけれど、最終的にはできるだけそれを隠すようにしているのだ。あまり気づいていなかったけれど。 たとえば、アメリカから帰ってきた直後の話を書いた以下の文章。新居に入居し、そこに画家のAestherから餞別としてもらった絵を飾った日のこと。 冒頭の「白木のフレーム」「新居」「水彩画」というキーワードはいずれも、新生活に対するさわや

          現のなかの、夢のなか

          この記事はメンバーシップに加入すると読めます

          現のなかの、夢のなか

          東京、アート巡り

          昔はギャラリーや美術館を1日でいくつも梯子して……ということばかりしていたのに、ここ数年はさっぱりご無沙汰になっていた。アート巡りは単純に気力体力がいるのでインドアな35歳にはヘビーでもあるし、自分の好みが明確になってきたので気になるものだけ行けば良いやという心理になってきたのもあるし……。 ただ1週間前から、アメリカからAesther Changがやって来たので、そのお供としてかなり久々に東京アート巡り。すると「東京って今、こんな動向の展覧会がやっていたのか……!」と新鮮

          東京、アート巡り

          「あなたはなぜ子どもが欲しいのか」という問いに対して

          「あれ、酒飲めたんすか?」 昨日の夕方、近所の店に立ち寄り「ビールで!」と頼んだときに、若大将は驚いた顔でそう言った。確かに私はずっとこの店で「お茶で……」「ノンアルで……」と頼み続けていたので、飲めない人認定されていたのだろう。 というのも、不妊治療中は定期的に妊婦予備軍になるので、なかなか酒が飲めない。でも昨日、3度目の移植に失敗したことがわかったので、久々にビールを飲んだ。ノンアルビールとは比べ物にならないほどに美味しくて、身体中を巡る血が待ってました! と狂喜乱舞

          「あなたはなぜ子どもが欲しいのか」という問いに対して

          取るに足らない言葉は命を守るよ

          大丈夫、という言葉を口にするとき。本当に大丈夫であることもあるだろうし、もしくは大丈夫じゃなくとも、そう言っておいたほうが物事が円滑に進むからその言葉を選ぶこともあるだろう。さらには、嘘でも大丈夫と言い続けているうちに自分自身が騙されて、ある程度大丈夫になってしまうこともある。 つまり「大丈夫」の輪郭というのは力技である程度動かせてしまうのだけれど、それを言い続けていると、なにが許せて、なにが許せないのか……という自分を生きる上でとても大切なことが、自分でもわからなくなって

          取るに足らない言葉は命を守るよ

          エッセイに書かなかった、本当のこと

          今から、3年前に書いた「"意識高い系"おんなともだち」というエッセイ。 国際女性デーにあわせて、女友達との話を……という依頼を受けて書いた文章なのだけれど、私自身非常に熱を込めて書き、沢山の人が読んでくれた。書籍の編集さんも気に入ってくれて、本にも収録することになった。 でも実は、このエッセイには話の流れが悪くなるから……と書かなかった事実があり、そのことに対する罪悪感がずっとあった。以下、中学時代の話のところで。 この中に、嘘は書いていない。話を盛っている訳でもない。

          エッセイに書かなかった、本当のこと

          美大コンプレックス、なるものはどうして生まれるのか

          美大コンプレックス、という言葉について考えている。 画家やイラストレーター、デザイナーなどの仕事をしているけれど専門教育を受けたことがなくて……という立場の人が使うことが多いこの言葉。まず、こうした言葉は他の分野でもあるのだろうか? たとえばこれが、「医者をしているけれど専門教育を受けたことがなくて、医大コンプレックスなんだよね」であれば即刻通報案件である。医師法は医師免許を持たない無資格者による医療行為を禁じており、 違反すれば3年以下の懲役か100万円以下の罰金、その

          美大コンプレックス、なるものはどうして生まれるのか