我慢していた人は強いので大丈夫です(追記あり)
おはようございます!塩谷です。
日頃はNYと大阪と東京を転々としておりますが、いまは語学力瀑上げフルコミット期間ということで、遠く離れたアイルランドで語学留学中です。
授業ではオックスフォード大学が開発した英語教材を使っているのですが、その中で「子どもが髪をピンクに染めることはどう思う?」というテーマが出てきました。それを読んでガチ混乱する日本人(私)。
私「あ、あの……日本だと中学生まではかなりの割合で黒じゃなきゃいけないから……ピンクというか茶色も……駄目で……」
先生「えっ、親がブラジル人で地毛が茶色かったらどうするの?」
私「えーと、学校によりますが、地毛証明書を出したり、黒染めさせる学校もあって……」
みんな「ええええええええ!じゃあ大学になったら?」
私「一気に派手になりますね……大学デビューって呼ばれてますが……」
……みたいな1コマがありました。まぁ校則に関しては各国やたらと厳しい部分がそれぞれにあったりするので、お互い様という感じでもありますが。
しかし。同時に、日本は世界屈指の派手なカルチャーがあります。原宿スタイルです。
こちらバーチャルギャルの葵ちゃん。
少し前まで原宿スタイルも大人しくなった……と言われつつあったけど、最近はまたマキシマリズム(ミニマリズムの反対、最大限主義)もトレンドということで、こうしたスタイルの勢力が増しているように思います。
ただ実際のところ、欧米圏でここまで派手なスタイルの人を日常でなかなか見かけない……。一番派手だな〜〜〜と思うのはやっぱり東京です。
こうした「個性派ファッションの聖地」として原宿という場所があるのも、学校の校則は大きく関係していそう。以下、きゃりーぱみゅぱみゅさんのインタビューより。
"学校にいても、家にいても、「変わってるね」って常に言われてたんです。私、全然変わってないんですよ。でも、ずっとビジュアルが変な子って思われてた。
原宿に行くと個性的な人たちばっかり。「全然変じゃないじゃん、私」って自信をもらえた。原宿は、「馴染めない人たち」の心の拠り所的な街ではあったと思います。"
via https://www.buzzfeed.com/jp/yuikashima/kyarypamyupamyu
さらにさらに。以下、kemioさんの著書『ウチら棺桶まで永遠のランウェイ』より。
"高2のときディズニーの年パスが高すぎて更新できなくて、それで原宿に通うようになったの。派手な格好で近所をランウェイするのはやめなさいって親から怒られてたから、駅のトイレで着替えたりしてたわ。学校には私が好きなファッションをするような、似た趣味の人はほとんどいなかったけど、原宿にはいっぱいいたの。憧れの店員さんとTwitterでつながったりとかして、好きなことを通して学校以外で人とつながれるってことを知った。学校だけがすべての世界じゃないって気づいた。"
拘束されていた何かから開放された瞬間、というのは、本当に自我が、カルチャーが花開くんですよね。
たとえば、1980年代。日本では松田聖子やYMO、TUBEなどが日本でヒットしている時代に、お隣韓国は「ああ韓国!」という愛国の曲が毎日流れていたそう。
NETFLIX『世界の今をダイジェスト』より
政府の文化統制により、こうした歌ばかり流れていた時代がほんの少し前まであったからこそ、今のK-POPの飛ぶ鳥を落とす勢いがあるのでしょう。
BTSはTIME誌が選ぶ「世界で最も影響力がある100人」にも選ばれていましたね。
こうしたPOPカルチャーや美術史の文脈でも様々な「我慢と爆発」がありますが、もちろん個人にもあります。少し私のお恥ずかしい昔話をすると、
新刊『小さな声の向こうに』を文藝春秋から4月9日に上梓します。noteには載せていない書き下ろしも沢山ありますので、ご興味があれば読んでいただけると、とても嬉しいです。