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妬まれる?買いたくなる? インフルエンサーマーケティングの正解・不正解


こんにちは、塩谷舞(@ciotan)です。


世の中にツボをおさえていないインフルエンサーマーケティング(と呼ばれるもの)が多すぎて、それが毎日あちこちで繰り広げられ、予算が投下され、次々とメーカーもインフルエンサーもバッタバッタとなぎ倒されていくのを見てはウワアアアアアアアァァァァァ(叫び)!!!!!となっています。


私は

かつては広告制作側としてインフルエンサーをキャスティングし、
現在はインフルエンサー側としてキャスティングされ、
時にメディア側としてアーティストやクリエイターを起用する…

という3種類の立場を浅く広くやらせていただいておりますので、この場を借りて? インフルエンサーマーケティングについてガチで解説させていただきたいと思います。



よく勘違いされているよなぁ、と思うのが、インフルエンサーを「露出場所」や「モデル」として捉えているマーケティング施策。


しかし!

ビジュアルメインのモデルさんと、SNS発のインフルエンサーとでは、ずいぶんと成り立ちが違います。

現に、めちゃんこ美女、スタイル最高のモデルさんで毎日自撮りをアップしてるのにフォロワーが増えない子はたくさんいます。(でも有名なブランドのランウェイは歩いてたりする)



インフルエンサーは「広告の露出場所」や「モデル」ではなく「ナビゲーター」です。


なぜそうなるか、というと……

たとえば服を買ったことを、Instagramにポストするというよくある光景。

こういう感じでいろいろ問い合わせがきます。ZOZOに在庫がないとか知らんがなって感じですが、容赦なくコメントがきます。それにせっせとコメントを返すのです。それを1つ1つ積み重ねてフォロワーからの信頼を獲得していく……

とくにInstagramが主戦場のインフルエンサーの人は、なにかのきっかけで「バーン!」と人気になるというより、こういうコツコツ積立型の方が多いです。

だから、インフルエンサーは365日24時間オープンしている、カスタマーサポートセンター(ただしワンオペ)みたいなもの。


カスタマーサポートセンターですから、商品が出た時に、消費者がどんな反応をするのか? 何を聞きたいのか? どこでバグがあるのか? ……そういう情報が自然とたくさん集まってくるんです。何千、何万、何十万のフォロワーたちから「消費者代表」としていろいろ聞かれるから。

最初はコメントを丁寧に返していたりするのですが、そのうちコメント返しするのが面倒になり、ポストそのものが長くなります。

こんな感じ。

自宅で洗濯ができるか?
中にインナーが着られるか??
素材がチクチクしないか???

みたいな、非常〜〜〜に実用的な頻出項目を書くようになったりします。あと、ポジティブな情報ばかりではなく、ネガティブ情報(ここではクリーニング必須とか)も書いたりします。消費者目線を徹底してるからです。だって聞かれるから。


で、ここまで細かく書くと、さすがに「どこのブランドですか〜?」みたいな質問が減ります。だからパッと見「コメント数が減ったな、人気がなくなったのかな…??」みたいに思われるのですが実は……

めちゃくちゃ保存されてたりします。


(保存されてるか否かって、外には見えませんが)


ツイッターのファボみたいに「感動したから」という理由で保存する人はあんまりいません。それよりも「買いたいから情報を保存」の気持ちの現れなので、何かしらのマーケティングをするにしても、「保存された数」ってめちゃくちゃ重要っす。


たとえば、コスメのレビュー力に定評のある、あや猫ちゃんのInstagramの投稿文を見てみましょう。


ファンデーション1つ説明するのに、テキストが非常に長い!丁寧!ちなみにこちらは金銭のやり取りがあるPR投稿ではないそうです。

褒めまくるだけではなく、ちゃんと「カバー力はほとんどないのでしっかりメイク派の方には物足りないかも?」という一文も添えられてます。

ちなみに彼女は顔もめっちゃ可愛いのですが、この投稿ではその可愛い顔面を出さずに説明役に徹してます。

本人に聞いたところ、

「ファンデというのもあるので、顔面載せるより商品のアップを複数載せる方が見てる人の参考になるかなと! 顔面よりも情報を見たいフォロワーさんが多いと思うので。。笑」

とのことでした。

ちなみに、「バズりにくい」Instagramで新規フォロワーと出会うには、左から二番目のこの「発見」🔍エリアにしっかり投稿を出していくこと。

(私がヘアスタイルばっかりInstagramでリサーチしてるので、発見欄が私の興味に最適化され、ほぼほぼヘアスタイル関係で埋まってますが…笑)

ここ、文字がガツンとのってる情報が強いんですよね……。


あや猫ちゃんの投稿も、1枚目にはガツンと文字がのってます。フォントも大きめなので、これなら発見欄の一覧に並ぶ、小さく縮小されたサムネイルでも可読性が担保されている。

こういう細やかな「読みやすさ」「伝わりやすさ」を追求しつづけることで、フォロワーが増え、人が人を呼び、信頼されていきます。

(ちなみにあや猫ちゃんは最近本も出したぞ!)



「Instagramはビジュアル重視のおしゃれアートマガジン」みたいなのは数年前までの話で、最近は市場が広がったことにより有益さや面白さがメインになってます。

もちろんクールな写真や、美しいグラフィックも相変わらず人気なのですが、そこの数が減ったのではなく、単純にインスタ人口が増えて、アート系の割合が減ったんですね。

市場のボリュームとしては「目で見て楽しむもの」よりも「自分の日常生活に有益なもの」を欲している人の方が多いので、情報量の多いインスタグラマーさんが年々増えてます。


ということで、インフルエンサーは「広告の露出場所」や「モデル」ではなく「ナビゲーター」なんやよ、というお話に戻ります。


そのことを理解せずに、代理店さんなどが「投稿文はこちらでお願いします!」とテキストを全文支給したり、商品と顔が両方写るように……とポーズを指定したり、クライアントチェックでがっつり文章を編集したりすると、本来の力が発揮されず、フォロワーにも響かない、嘘っぽくて、お金の匂いがする感じのPR投稿になっちゃいます。

以前ゆうこす先生が話してた内容があるのではっつけておきますね!


そして定番の、インフルエンサーをもてなす派手なパーティー。ケータリングの華やかなスイーツやドリンクが並び、フォトスポットがあり、撮影小物があり、いつものメンバーが参加していて……みたいなやつなのですが、

一概には言えないですが、それは「このイベントに招待されている私」がメインになってしまい、商品情報やスペックが伝わりにくい。

もちろん、認知自体は広まるのでそれで良い場合もあるのですが。。。

ただ、PRする商品がガジェットなどの場合は要注意だなぁと。スペック情報が重要で、コアファンがギーク層である商品なのに、ファッションブランドのようなインフルエンサーマーケティングをやってしまうと、

「俺の方がもっとしっかり解説できるのに…」
「なぜキラキラ女子ばかりが呼ばれるんだ……」

みたいな、妬み、嫉み、恨みが渦巻いていきます。

もちろん、キラキラ女子であっても、その人の視点でガジェットをレビューすることは出来ます。だからフォトブースでカワイイポーズをキメて商品ロゴを露出させることが重要なのではなく、いかにその人の視点で解説してもらうか! 解説したくなるだけの商品を提供するか!に尽きると思います。


最近「これは美しいインフルエンサーマーケだ…」と感動したのは、


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