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SNSを追いすぎない。異常事態の中でも病まずに暮らすには?(最後に追記あります)
こんにちは、塩谷です。ニューヨークは今日は曇り。
セントラルパークにテントが並び臨時病院が建設されたり、病院船コンフォートがニューヨークに到着したりと、もう本当に、これは、異常事態です。ニューヨークの病院ではたらく日本出身のお医者さんの手記は、未読の方はぜひ読んでいただきたい……。とてもショッキングな内容ですが……。
そんな異常事態の中で。
一般市民の私たちは何をするべきなのか?
医療関係者の方々の負担を増やさないために、今出来ることは、家で過ごすのみなのです。感染者を増やさない、それ以外の病気にならないように気をつける……それだけです。
すぐ近所に地獄があるのに、窓からは救急者で運ばれていく様子がずっと見えているのに、家の中にいるしかない。普通の生活をするしかない。無力ですが、そうするしかない。
そんな中でもせめて、自分に出来ることはないだろうか? と情報を探して探して探して……
気づけば、狂いそうになっていました。何が?心が。
2,3時間しか眠れなくなったり、夢でもコロナのニュースが出てきたり、なかなかヤバい状態です。眠れていないのに頭はフル回転していて、日々追うニュースに対して怒りや絶望や希望で忙しい。
真理さんのツイートをみて「抗ショック相」にいるのかな? と感じてからは、積極的に、義務的に、自分を癒すようにしよう……と心がけて過ごしました。
人はストレスを受けると、一時的にショック反応を起こした後しばらくはストレスと戦おうとし抵抗力が高まります。その後もストレスがかかり続けると1~3ヵ月程度で無理が効かなくなり鬱などの病気になることも。異常事態が長期化する中、油断せず、一人一人がストレスとうまく付き合っていきましょう。 pic.twitter.com/BNjlLRjrZw
— 櫻本真理 CoachEd/cotree CEO (@marisakura) March 26, 2020
ストレスとの付き合い方にもいろいろあります。
— 櫻本真理 CoachEd/cotree CEO (@marisakura) March 26, 2020
①問題を解決する/逃げる
②情動をコントロールする
③ストレスを解消する
④考え方を変える
⑤助けを求める
自分と環境に合ったストレス対処法を書き出しておいて、ストレスを感じた時にうまく引き出しを開けられるようにしておきましょう🍀 pic.twitter.com/sjST2v7hmh
特にがんばり屋さんは「自分がストレスを抱えている」ということ自体に気づけないことが多くあります。そういう人は「お腹が痛い」「辛いものが食べたい」「疲れやすい」など身体/行動面のストレス反応が出ることも。いつもと違う自分のストレスのサインに気づけるようになっておきましょう。 pic.twitter.com/wMf1AeBVsz
— 櫻本真理 CoachEd/cotree CEO (@marisakura) March 27, 2020
ニューヨークに、事実上の外出禁止令が出てから10日が経過。しかし、この闘いは2ヶ月続くとも、4ヶ月続くとも言われています。長期戦すぎるぜ……!
非常事態の真ん中で、気を病みすぎず、生産を止めず、「普通に暮らす」ことがいかに難しいことか。難しいけれども、「普通」をちゃんとやり遂げるために大切なことがなんとなくわかってきたので、書いておきたいと思います。
ニュース、SNSから離れる時間を持つ
これに尽きます。ニュースを見ている時間というのは、「懸命に調べている」という感覚になり、罪悪感も薄いため、気づけば時間が全て吸い取られてしまいます。
しかも、恐怖、怒り、絶望のような感情を伴うものであれば、通常の思考回路がショートしてしまう。冷静な判断もしづらくなってきます。
そもそも、私のように、今のところはコロナでの直接的な経済の打撃が少ない人間までもが、仕事の手を止めてしまうのは、経済停滞のブレーキをより強く踏むだけ。フリーランスの物書きである私に限っていえば、手を止めれば止めるほど、収入は減ってしまいます。
自分はしっかり働く。しっかり稼ぐ。そして、お金を使う。この循環を止めない。誰かを助けるためにもまず、自分がしっかり立てている状態を作らなきゃいけない。
ただ、行政による施策などは、アンテナを張ってないと見落としてしまったりもします。私が作った「【事業者向け】新型コロナウイルス(COVID-19)の影響について相談しあうグループ」は、日本での有益な施策などが集まっているので、定期的に覗いていただくのも良いかもしれません。
ニューヨークでは、本当に重要なことであれば、住んでいる集合住宅からの一斉メールか、スマホのアンバーアラート(緊急地震速報のようなもの)で届くので、見逃すことはなさそうです。
かつ、在ニューヨーク日本領事館のメルマガを登録したので、1日に1回あるクオモ州知事の会見内容や、日本人に向けた対応なども、そこで確認することが出来ます。ここから、どなたでも登録できます!
さあ、引きこもる準備をしよう
この10日間、必要最低限の買い物以外は家から出ずに過ごしました。私は日頃からかなりインドアなので、まぁ大丈夫っしょ、とナメていたのですが、全然大丈夫ではない。
日常の中でのインドア生活と、さまざまな街の機能が停止する今とでは、出来ることも変わってきます。そんな中で、「これがあれば良かったな」「これがあってよかったな」というものをシェアしていきます。
その1。水は命の源だよ、、、、浄水器
本当に……買っておいてよかった……!水道の蛇口に取り付けるタイプのものを使っています。
我が家、もともとの水道水がかなり不味くて、そのままでは飲めない。昔はミネラルウォーターをAmazonで買っていたのですが、エコじゃないし、野菜を茹でるだけにミネラルウォーターも使いたくないし……みたいな感じで、浄水器を導入したところ、QOL(Quality of Life)が爆上がりしました。どうしてこれまで導入をしていなかったのか……。
私が使ってるのは日本では売っていなかったのですが、Amazonで3000円〜くらいで蛇口に取り付けられるやつが売ってるので、ご家庭にハマりそうなものをぜひ。配達員の方々にとっても、大量の水とかはかなりヘビーなので、負荷を減らせるかもしれません。
今、ニューヨークではAmazonの配送センターの方々が衛生環境の向上を求めてストライキを起こしています。本当に命がけで働いているんですね……。
私も最初は「外出禁止されても、オンラインショッピングで経済を回そう!」みたいに考えていたのですが、物流に関わる方々のリソースにも限界がある上に、その貴重なリソースは本当に出歩けない高齢者や疾患のある方々に向けて空けておきたい、と考えを改めるようになりました。(コンドミニアム側の荷物受け取りスタッフも減らされているので、出来るだけ荷物を減らしてくれというお達しも)
だから、今となってはオンラインショッピングにも頼れず、何か絶対に必用なものがあれば週に1度行くWhole FoodsやCVS(ドラッグストア)で買っています。
その2。二人でも遊べるゲームがほしいよ
私たち夫婦は自宅に籠もり、ときどき4cmだけ開く窓の側に立ち、外の空気をパクパクと吸いながら暮らしています。まるで小さな水槽の中で生きる金魚のようだな、と思ってしまうのですが……
ここで「水槽の中の魚」について、印象深い、さかなクンさんの文章を。
中1のとき、吹奏楽部で一緒だった友人に、だれも口をきかなくなったときがありました。いばっていた先輩(せんぱい)が3年になったとたん、無視されたこともありました。突然のことで、わけはわかりませんでした。
でも、さかなの世界と似ていました。たとえばメジナは海の中で仲良く群れて泳いでいます。せまい水槽(すいそう)に一緒に入れたら、1匹を仲間はずれにして攻撃(こうげき)し始めたのです。けがしてかわいそうで、そのさかなを別の水槽に入れました。すると残ったメジナは別の1匹をいじめ始めました。助け出しても、また次のいじめられっ子が出てきます。いじめっ子を水槽から出しても新たないじめっ子があらわれます。
広い海の中ならこんなことはないのに、小さな世界に閉じこめると、なぜかいじめが始まるのです。同じ場所にすみ、同じエサを食べる、同じ種類同士です。
中学時代のいじめも、小さな部活動でおきました。ぼくは、いじめる子たちに「なんで?」ときけませんでした。でも仲間はずれにされた子と、よくさかなつりに行きました。学校から離れて、海岸で一緒に糸をたれているだけで、その子はほっとした表情になっていました。話をきいてあげたり、励ましたりできなかったけれど、だれかが隣にいるだけで安心できたのかもしれません。
ぼくは変わりものですが、大自然のなか、さかなに夢中になっていたらいやなことも忘れます。大切な友だちができる時期、小さなカゴの中でだれかをいじめたり、悩んでいたりしても楽しい思い出は残りません。外には楽しいことがたくさんあるのにもったいないですよ。広い空の下、広い海へ出てみましょう。(さかなくん=東京海洋大客員助教授)
http://www.asahi.com/edu/ijime/sakanakun.html より
広い海へは出られない、今の状態。
私たちの夫婦仲は割と悪くはないのかなと思いつつ、それでもやっぱり、他に接する人が誰もいない中で、発生するはずのなかったイライラも溜まってしまったりします。
会話をするにも、どうしてもコロナや政治の話になってしまうので、たまには気分転換が必用です。個人で音楽を聴いたりヨガしたり筋トレしたりしてますが、笑うことも大事。ボードゲームとかしたい。
しかし我が家には、4人以上で遊べるボードゲームなどしかなかったので、夫婦二人では遊べません……。トランプとかオセロとか将棋とかあれば良かったのに、と思ってます。仕方ないので、ときどき、仁王立ちして相手を張り倒すゲーム(なんて呼ぶんだろう…?バランス崩すと負けのやつ…)して遊んでますが、私が弱すぎて夫が飽きたっぽいです。(夫は片足で立つ、というハンデを課しているのに!!)
その3。レシピは幸せの移動装置
マジで自炊が増えるので、レパートリーが尽きます。とはいえ、毎日食材を買いに出かけよう!なんてリッチなことも出来ない現状で、冷蔵庫の中でやりくりするのみ。
私は料理……というか、「あるものでなんとかする」が割と好きなので、冷蔵庫の中でのやりくりに情熱を注いでいるタイプなのですが、自炊苦手な人だと大変そう……。有賀さんのスープレシピとかも具材が少なくて作りやすいので、自宅隔離中に役立つものが多そうです。
今日は晩ごはん担当@実家。
— 塩谷 舞(mai shiotani)💭 (@ciotan) November 15, 2018
(急いでたので盛り付けが荒い)
茄子とオクラと獅子唐の揚げ浸し、タコとイクラのバターライス、マグロとアボカドのユッケ、豆苗のナンプラー和え。そして @kaorun6 さんの麦茶のスープが超好評。レシピはこちら。やさしい味なのに癖になる…https://t.co/00hJOliA26 pic.twitter.com/oeQ33KCNOm
しかも4月1日10時までは、cakesにある、通常有料の人気レシピが全部無料で見れるんですよ!有賀さんのスープもぜんぶ。……ってあと数時間じゃないですか……いそいで……急いでください……
https://newscast.jp/news/752272 ←ここから飛べます。(回し者じゃないです!!!!!)
そして何よりも、ミシュランシェフであるsioの鳥羽シェフまでもが、noteでレシピを公開中……。
ありがたく活用させていただきつつ、今本当に辛いのは飲食店業界の方々なので、それぞれが出来る恩返しをしていきたいですね……。
デリバリーの注文、チケット購入、飲食店倒産防止対策への署名などがあります。
その4。おうちカフェ化の神器
「気分転換にカフェで仕事するか〜」が出来ないのは、本当にキツい。作業場として部屋しか選択肢がないのも辛いし、カフェラテとかほうじ茶ラテとか抹茶ラテを口が求めていて……
しかし、私は1ヶ月前に、アメリカのYouTuberがミルク泡立て器で抹茶ラテを作ってるのを見て「これは……」と思って、ミルク泡立て器を買っていたのですね……こういうやつです。(私が買ったのはアメリカのメーカーのものなので、厳密には違うやつですが…)
抹茶ラテ、ほうじ茶ラテ、チャイ……そうしたものを毎日作るようになり、めちゃくちゃ美味しい飲み物が自作できるようになってしまった。罪深い。
(これはまだ自宅初期なので、泡の密度がユルいですね)
その5。音楽を聴く
音楽って本当にすごい。いや、わざわざ私が言わなくてもその魅力は誰しも知っているけれども、本当に音楽が流れるだけで心がふわりと軽くなります。もちろん心を軽くするだけが音楽の役割じゃないけれど。でも非常事態にこそ音楽は、芸術は欠かせないというのは確かです。
あたらしい稼ぎ方を考える
サウンドアーティストの夫は、コロナの影響が直撃し、個展は延期、その他の案件も延期か中止……という状態。主な仕事がライブと展覧会なので、そりゃそうなります……。
私は、実は心機一転、あたらしいビジネスを立ち上げよう!と画策していた最中でのコロナショック。
新しい働き方、新しい稼ぎ方をしっかりと考えていかないと、本当にヤバい。まず、物価の高いニューヨークで暮らすことが厳しくなることは必須です。のんびり抹茶ラテいれてられるのも時間の問題かもしれない………。
ドイツ文化大臣「フリーランスの芸術家への無制限の支援」を言明。「われわれは自己責任ではない困窮や困難に対応し、これを救済しなくてはなりません」「政府はいかなるコストを払っても、芸術家を救済する」と。
— 志位和夫 (@shiikazuo) March 25, 2020
日本政府もこうしたきっぱりとした表明をするべきです!https://t.co/uDlJxDbYnk
ドイツのフリーランスの芸術家支援の話、これが日本でできない理由の一つは「フリーランスの芸術家」の共通した定義がないからなのよね。ドイツは芸術家専門の保険組合があるので、すくなくとも「保険組合員」で限定できる。それなしにやったら、受給資格をめぐって混乱やら偽装やらかおこるわけで。
— タカハシカオリ (@twiwrighter) March 25, 2020
こうしたドイツのような芸術家への支援は涙が出るほど羨ましいですが、署名活動などで声をあげつつも、まずは自力でなんとかしなければ、と家族会議を開きました。
今後、いつまで家賃は払えるのか?
もしこの状況が4ヶ月続いたら、どうするか?
生活コストの高いニューヨークを離れるのはどうか?
日頃は、「守るものなんてないから、どんどん攻めよ!」という家訓の我が家なのですが、さすがに無策では乗り切れない。夫も、これまでの作品制作から少し形を変えた、あたらしい働き方を模索しています。私は、執筆量をがっつり増やしていこうと考えています。(お仕事のご相談待ってます!)
noteを読んで、多くの方から応援してます、という言葉が届いて涙…
— 塩谷 舞(mai shiotani)💭 (@ciotan) March 23, 2020
もし気に入れば、SpotifyやiTunesで @raykunimoto の音楽を再生していただくと収入にも繋がるし、嬉しいです。https://t.co/BgZ7uYTb4g
さらに夫だけではなく、今アーティストに仕事をオファーしていただくと、本当に救われます…
アーティストに仕事のオファーなんて出来るの?と思うかもしれませんが、出来る場合が多いです。応援したい作家がいれば、ぜひ相談してみてください。
— 塩谷 舞(mai shiotani)💭 (@ciotan) March 23, 2020
クライアントワークというより、作品のパトロンとしてお金を払うケースが多いですが…
今みんなイベントや展覧会が中止になって、本当に大変です…
ここからは、有料マガジン「視点」読者の方に向けて。
今、すごく誰かと話をしたい……という気持ちが高まっているので、僭越ながら、質問コーナーとさせていただきたいなぁ、と思っています。ありきたりかもしれないですが、ありきたりなことをしたい。「普通」が欲しい。
ニューヨークでの生活のことでも良いですが、それ以外のことでも大喜びです。コメント欄で、もしくはTwitterのDMなどで、質問をお寄せください。
すべてに答えられるかはわからないのですが、悩む時間はたっぷりあるので、明日4月1日の夜が終わる頃までに、お返事をこの下に追記していきたいと思います。追記したら、メールでも通知が飛ぶようになっていると思いますので……またこの記事の最下部でお会いしましょう!
影響を受けた人物・思想は?
しおたんさんのルーツはどこにありますか(影響を受けた人物・思想)
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新刊『小さな声の向こうに』を文藝春秋から4月9日に上梓します。noteには載せていない書き下ろしも沢山ありますので、ご興味があれば読んでいただけると、とても嬉しいです。