私の書斎づくり、2022。
新居に引っ越して4ヶ月。ようやく書斎ができた。
書斎。なんちゅう大人の響き……。
当方、野良物書きとして今年で7年目になるのだけれど、独立した書斎を持つのはこれが初めてなものでして。書斎が完成した翌日、まだペンキ臭い部屋に朝日が差し込んで来たとき、あまりの夢の景色に感涙しながら吠えてしまった。
これまでは諸事情により台所の片隅で書いたり、リビングの片隅で書いたりしていて、まぁパソコンさえあれば文章なんて書けるんですけれども、問題は私が良い主婦になりたい願望が強めの女であったこと。
さぁ書くぞ! と意気込むも視界の先のシンクには溜まった皿。ソファの上には取り込んだ洗濯物。「30分家事してから書くか……」となり、なぜか1時間後には重曹でせっせとシンクの汚れを落としている自分がいる。解せぬ。なぜ人は忙しい日に限ってシンクの汚れを落とすのか。というか〆切過ぎてるんだが。
数年やって学んだけれど、「立派な主婦になりたい」という美しい気持ちと「仕事がマジでヤバい」という現実は共存不可能だった。とりあえず生活に蓋をしてしまえ! というのが清く正しい在宅ワーカーにとって必要な諦めなのでしょう。諦めることで人は前に進むのであります。
結果、生活に蓋を出来る書斎……という存在を手に入れ、その効力に感動しているここ数日。そこに座るだけで、既にインターネットに繋がったPCと、Bluetooth接続された周辺機器があるなんて夢のよう。資料も手の届くところにあるし、作業が終わってもPCを片付けなくて良いし……いや、当たり前のこと書いてすんません。当たり前ついでに、どこで何を買ったかも書いていきますね、はい。普段は古道具ばかり漁ってる私ですが、今回はド定番ばかりなので、かなり活用しやすい情報になっておりますかと。はい。
まず机は、IKEAのBATTERNというのを塗りました。かなり小ぶりですが、引き出しもあって便利。
無垢材…とあったので水性ニスでいけると思いきや、がっつり撥水加工されていてしっかり弾かれたので、慌てて換気しつつ油性ペンキで塗り直しました。結果、シンナーの過剰摂取なのか頭がクラクラして、翌日のトークイベントで呂律が回らなかったよ!
右側の棚も同じくIKEAです。奥行きが一緒だったので、横一直線のラインが出来て気持ち良いですね。むかし、とある空間系デザイナーさんが整然と整えられた美しい空間を前に「グリッドが見える…」と言っていたのですが、気持ちの良い空間って、実はそこかしこに直線が潜んでいるのだなぁ。
ちなみにこっちは撥水加工されてなかったので水性ニスで塗れました。塗るの大変だったけど。二度塗りしたほうが綺麗なんだろうけど、大変すぎて諦めたので仕上がりが汚いです。私は何事も詰めが甘い。
そして棚板が5枚と少ないのですが、追加で買えます。多めに入ってて余ってしまう……ということのほうが多いので、余りが出ないのは良いですね。
そんなIKEAの棚にジャスト・フィットしてくださったのが、無印良品のトタンボックス・大です。無印とIKEAって提携してたの???というレベルの収まりっぷり。グリッドが見える。蓋をはずして引き出しみたいに使うのもありだと思います。
真ん中はネームプレートになってるので、中に何が入ってるか書いておくことも出来るのですが、私の汚ない字を書いたら景観が乱れるので内容物は暗記しました。
ちなみに、トタンの中には、
ケーブル類や、
おもちゃや、
工具などを収納してます。
ちなみにトタンボックスの中の仕分けに使っているのも無印良品の収納ケースで、こちらは言わずもがなジャストフィットでした。二段構えでもすっぽり、収納力が強化されてありがたい。
ファイルケースは悩みに悩んで、デルフォニックスのburoというものにしてみました。程よい光沢でとても良いですよ。後ろの空いたとこにはヨガマットやら収納してます。
ダルトンのスチール製のファイルボックスとかなり悩んだのですが、そっちはひとつ4,180円だったので諦めました。でも、トタンの箱とこれを並べたら一面銀色になって圧迫感がすごかっただろうな。
トタンの後ろの空いたスペースにはこっそり充電コーナーを。
左側にあるのはこれで、ここからMacBook Proの充電も取ってます。爆速充電できるらしいです。詳しいことはよくわかってないです。
で、そこから4又のUSBケーブルのようなものをくっつけて、どんなガジェットが来ても充電できるようにしてます。ケーブルまみれにならなくて便利!
(これではないけど、似たようなやつです)
そして地震対策として、最上階にはこれまたジャストサイズなブリキの衣装ケースを。
ヤフオクやメルカリで「ブリキ 衣装ケース」と検索したら似たような古いものが沢山出てきます。
さらに、前足には転倒を防止するストッパーを。後ろ足には衝撃吸収マットを敷いてます。家が揺れても棚は止めるぞという強い気持ちがあります。
デスクライトはクリスチャン・デルがデザインしたKAISER IDELL。古いものをヤフオクで勝ち取りました(誰とも競ってないけど)。
シャルロット・ペリアンのJUMOと悩んだのですが、そちらは電球がフランス式のものが多くて運用が大変そうだったので、こちらに。古い道具があるだけで、新しいものたちも釣られて趣深く見えてくるからありがたい。
(ちなみに実家ではこちらのIKEA使ってます。これはこれで良い)
椅子は、イームズのソフトパッドチェアが欲しくて、中古のものをずっ……と探していたのですが、なかなか良い条件のものが出現せず。ハーマンミラーで売っている正規品42万は手が出なかったので、リプロダクト品の中でも評判の良さそうなものを購入しました。
(ただ、リプロダクトだとここが良いですよ、と教えてくださった方がいるので、購入を検討される方は参考にしてみてください。うん、確かに良さそう……)
あと手元に燭台がありますが、こちらもヤフオクで勝ち取ったものです。福岡にある「万(yorozu)」というお茶屋さんにあった燭台の佇まいがとても良くて、真似しちゃった。
まったく同じものは売ってないかもしれないけれど、「燭台 鉄製 手燭」とかで検索すると近しいものが出てきますよ。ただ、私が買ったものは古すぎたのか、微妙に穴が空いていてロウが溶けて落ちてしまったので、パテで穴を塞ぎました。
蝋燭の光で書く訳ではないのですが、蝋燭を灯すと「燃えてる間は集中…」とスイッチが入るので、かなり切り替えに使えます。ちなみに私が使っているのは、カメヤマローソクの20号。火事が怖くてトイレに立つときも消しているので、結果トイレに立つ回数も減ります(笑)。
絨毯は、新宿ニュウマンのJOURNAL STANDARD FURNITUREで購入したもの。詳しくはこちらに書いてます。(実はリビング用のものなので、書斎用には別途ジュートラグなんかを敷きたいと思っているのですが…)
部屋全体としては、これまた福岡にある「more light」というお店の壮観な陳列っぷりに憧れ、かなり参考にしております。古いもの、アジアのもの、インダストリアルなものが混ざりあった気持ちの良い空間。店内は写真撮影NGなのですが(残念、だがそこが良い)こちらの記事に写真が沢山あるのでぜひ。
この食器棚なんかも、more lightリスペクトで置いてみたものです。空間の広さが違いすぎるけど……。
あとは、ここに蛍光灯ピカァー!みたいな感じだと全てが台無しになってしまうので、光の効果がなにげに一番大きいんじゃないかなぁとも思ってます。古道具たちが過ごした時代は、蛍光灯なんてなかっただろうしな、眩しすぎるよな……。という謎の古道具目線。
さて。ここからは『視点』購読者の方に向けた有料読み物になりますが、購読していただけると、過去のインテリア記事なんかも含めた90記事ほどを読むことが出来ます。
今日お話したいのは、家具や道具の選び方。ちなみにこれ、10年前の私の部屋なのですが……
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新刊『小さな声の向こうに』を文藝春秋から4月9日に上梓します。noteには載せていない書き下ろしも沢山ありますので、ご興味があれば読んでいただけると、とても嬉しいです。