美しいもの
あまりの暑さに休日の過ごし方の選択肢も少なくなりがち。
7月はあまり外に出ず、AmazonプライムやNetflixで過ごしてしまい、それはそれで幸せなものの、出かけたい気持ちも湧いてきて。
さて8月。
前売券を購入して待ち焦がれていた展示と招待券をいただいた展示を楽しみに東京国立博物館、そしてリニューアルが気になっていたお店へ。
【生まれておいで 生きておいで】
大好きなアーティストが東博とコラボレーションという、思いがけない組み合わせで待ち焦がれていました。
3会場で展開されていて、この順番でみてください、という説明があります。
宝物を探すように観ることが楽しいと思うのでさらっと。
①平成館企画展示室
暗めのグレーの壁に囲まれた展示室
天井から吊るされたガラスビーズ、風船、鈴、毛糸
フランネルと木
枝
オーガンジーでつくられたもの
大理石
ガラス
鏡
ベンチ
②本館特別5室
ここは、長年閉ざされていた大開口の鎧戸が解放された空間。
(それだけでも普段の東博とは違い自然光が入っていて美しいです)
まぶた
フランネル・木
土器
座
大理石
ガラスビーズ、瓶
絵
土製品
骨
木
恩寵
③本館1階ラウンジ
母型
(2年前の葉山でみたものと同じなのに空間が違うとまた異なる風)
鏡
座
美しかった。
生というものの続きに死があるが、その死からまた生を感じることができる
【神護寺空海と真言密教のはじまり】
平成館に戻り、2階へ。
空海が帰国後に活動拠点とした神護寺の企画展。
京都の嵐山のその先にある神護寺には、行ったことがなく、この先もなかなか足が向かないのでは、と思っていたところに、招待券をいただいて。
ありがとうございます。
貴重な両界曼荼羅、空海直筆の書、最澄直筆の手紙、一切経など寺宝展となっていますが、私は2Dより3D派ということもあり、仏像ゾーンで心躍りました。
本尊:平安時代の薬師如来立像は、寺外初公開
日光菩薩・月光菩薩とお揃いで。
江戸時代の十二神将
平安時代の五大虚空蔵菩薩坐像 こちら、よかったです。
現在、神護寺では鐘楼堂屋根の修復費用をクラファンで支援募集されています。
また9月下旬までは秘仏毘沙門天も公開されているそう。
東博満喫のあと、銀座へ移動して、銀座和光のリニューアルした地下【アーツアンドカルチャー】へ。
階段を降り切る手前で、かっこよ…と声が漏れました。
文化と人の交流の場と位置づけられた地下1階、階段で降りると中央に大きな什器があり、Goldwin 0のTシャツが並んでいました。
スタッフさんによるとこの什器は、時計の長針と短針を模したもので、少し回転するそうです。違う角度になると空間がまた違って見えそう。
そしてこちらの床は京都の町家石。パズルのように組み合わされた床が美しい。
陶板が張られた回廊からのびるそれぞれの個部屋のような空間を仕切るのは、杉だそうで、フロア全体によい香りが漂います。
芸術!
そして壁紙にはかみ添さんの唐紙は、場所によりウミユリ、アンモナイト、トンボが刷られています。色が落ち着いていて、上品。
京都強い・・・。
階段下に配置された吉田真一郎さんの大麻布の白。
こちらも昨年末、京都のギャラリーで拝見していて、本当に美しかったので、東京で少しだけれど、また出会えて感動、と思い、和光のサイトからインタビューを読んだら、この前日に表参道で観た、ヨーゼフ・ボイスの話が出てきて。
なぜこうもつながるのか!と嬉しい気持ちに。
石の経筒に蓮がいけられ、杉本博司による書が飾られて、流れる音楽は石橋英子。
CFCLをお召しになられたスタッフ様がひとつひとつストーリーを語りながら案内してくださる。
何もかもが作品でした。
美術館です。
この空間は新素材研究所によるもの、ということで、日本が古来からもっていた自然、古の人々が美しいとみ空ぎあげてきた感性、職人によりうけつがれてきた手仕事の技術、今の時代にも通じる粋、が重なり合った素敵な場。
時というものの尊さ、強さを感じ、アートという言葉ではなく、作り上げられたものすべて【作品】、というそれが生まれるまでの時間に対価を払う、という買う側の覚悟のようなものを改めて感じるような、そこにあるべきものたちの集合でした。
販売されているものも「商品」という言葉が陳腐になる「作品」ばかり。
BYOのバッグや期間限定の桐本滉平さんの漆器など、ため息がでるような美しいものばかり。
眼福でございました。
暑い日で、たくさん歩いたので夜9時に寝る、という疲れ方でした。
楽しかった。