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「国際女性デー」2022年 話題を集めた広告・SNS・イベントまとめ

こんにちは、CINRA, Inc.のPRプランナー 青柳です。

今週の3月8日は、国連が定めた「国際女性デー」でした。

1904年にアメリカで女性労働者が婦人参政権を求めてデモを起こしたのがはじまり。コペンハーゲンで1910年に行われた国際社会主義の会合で、女性の権利を求める運動に敬意を表し、その後、国際婦人年にあたる1975年に国連が3月8日を国際女性デーに定めました。

近年、国際女性デーに注目が集まる理由とは?

起源を辿ると100年も前からはじまっていますが、日本でよく目にするようになったのはここ数年ではないでしょうか。

2015年に国連本部にて150を超える加盟国首脳の合意のもと採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」。その17つある目標のなかに「ジェンダー平等」があります。日本政府や企業が目標達成に向けて積極的に活動をはじめたことが、企業広告などが盛んになった理由のひとつかもしれません(もちろん以前から精力的に取り組んでいる日本企業や団体もあります)。

また、企業だけではありません。日本全体でもジェンダーギャップなどに注目が集まるようになり、関心を寄せる人も増えてきました。メディア、団体、著名人、クリエイターなども声をあげるようになり、以前より女性の権利などに対する考え方が、さまざまな場面で交わされるようになりました。

そんな背景もあって、近年は「国際女性デー」にちなみ、女性をエンパワーメントするものや、日本のジェンダーギャップについて問題提起するような企業広告やイベントなどが増えたのではないでしょうか。

今回は2022年の国際女性デーの日に話題になった、広告や作品、イベントなどを紹介したいと思います。

【広告】女性のいまと未来を描く

朝日新聞 朝刊

朝日新聞の企画「Think Gender」の広告として、昨年に続いて制作されたもの。2021年は、「未来は勝手に進まない。進めてきた人たちがいる。」というコピーとともに、いままでに朝日新聞に掲載された女性に関するニュースの見出しを集めていました。

今年は、6つの大学とクリエイティブディレクター辻愛沙子さんらが、よりよい未来を次世代に手渡すために、新たに11の見出しをコピーライティング。「初の女性総理大臣が誕生」「日本の女性管理職50%超えへ」など広告のなかの見出しが実際の紙面に飾られる日を、「いつか」ではなく「現実」にするという想いが込められています。


ツムラ #わたしの生理のかたち

すべての女性が心身の不調を無理に我慢することなく、いつでも心地よく生きられるような社会を目指す「#One More Choice」プロジェクト。その第二弾として「#わたしの生理のかたち」がウェブで公開され、3月8日に新聞と駅構内への広告が掲載されました。

生理痛やPMSに着目し、女性たちそれぞれが感じる辛さを専門家とともにヒアリング。その目に見えない不調を、言葉とグラフィックにて表現。女性たちの言葉を通して、違いを知ることからはじめようというメッセージを添えています。

また、理解度調査も掲載することで、女性の現状を可視化しています。データでは「生理痛やPMSの症状を理解してもらえずに辛い経験をした」人は61.9%、「生理痛やPMSの症状で辛いときに周囲には伝えない」人は49.8%という結果も。


【SNS】女性の悩みに優しく寄り添う

『作りたい女と食べたい女』公式アカウント

ゆざきさかおみさんの漫画『作りたい女と食べたい女』の第4話「この世に同じ女はいない」が、国際女性デーに合わせてTwitterにて再掲載されました。料理が大好きな野本さんと、同じ階に住む春日さんのお話で、「このマンガがすごい!2022」のオンナ編で第2位になった話題作です。

生理が辛い野本さん。大好きな料理をしたくてもからだがいうことを聞かない。そんなときに春日さんが生理用品や鉄分補給などを買ってきてくれて、野本さんのリクエストで焼きおにぎりをつくることに。そして、春日さんは「無理な時はどうやっても無理」だから「そのままでいい」と優しく言います。漫画はTwitterでツリー投稿され、最後には女性たちに向けて婦人科への受診を促します。


【記事】それぞれの時代を生きる母親たち

柚木麻子のエッセイ「とりあえずお湯わかせ」

NHK出版の書籍部が運用するnoteマガジン。そのなかで作家の柚木麻子さんが3月8日に更新した記事が、note内でスキを2,400以上、Twitterでは1万4,000件のいいねを得ています(3月11日現在)。

子どもを連れて長距離移動(新幹線)をするときの母親の心境をまとめたもの。自由に動き回ったり、ときには泣き叫んだりするかもしれない子どもと向き合いながら、周囲にいる人たちに抱く「恐怖」を、ご自身の経験とともに綴っています。ある一人の女性とそのお子さんに向けて書かれたこの記事のタイトルは「あなたの味方は、たくさんいるから」


Tokyo Art Beat「“おかんアート”の裏側にあるストーリー」

株式会社アートビートが運営するアートメディア「Tokyo Art Beat」内に掲載。母こと「おかん」たちが、家庭内で身近な素材を用いてつくったものたちが展示された「Museum of Mom’s Art ニッポン国おかんアート村」を取り上げたインタビュー記事。

クリエイティブコーダー高尾俊介さんと、その母親であり約40年パッチワークキルト制作を続けている高尾久代さんの親子対談。久代さんがものづくりに向き合う姿勢などをお話しされていますが、そのなかで制作をはじめた当時のことを以下のように語っています。

久代:料理とか作るのは全然苦にはならないし、子供が誕生日のときにはそれこそ赤飯を炊いたりとかしていたんですけど、それとは違う、何か自分が社会から取り残されたみたいなところがあるんですよね、主婦っていうのは。ずっと家にばっかりいると、やっぱりちょっと外に出てみたいなぁなんていう気持ちもあって。買い物をしたり、布集めをしているうちに、あまり人と話さなくてもいい、ひとりでコツコツやる生きがいを見つけたんですね。

「Tokyo Art Beat」内から抜粋

また、上記の本展については、手芸文化とアートの関係やジェンダー視点といった文脈で語られている記事もございます。「おかんアート」が不可視化しているものとは何か。「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」レビュー(評:山崎明子)


CINRA「国際女性デー2022、この日を祝うことの意義やルーツとは?」

国際女性デーについては「CINRA」でも記事を掲載。そもそもなぜこの日が生まれたのかという起源から、「女性の日」として祝う必要性など、国際女性デーを語るうえで知っておくべきことをまとめています。

また、ジェンダーギャップ指数の順位や非正規雇用者の割合などで日本の現状を示すほか、コロナ禍で可視化された女性の窮状についても言及。別の記事では、実話をもとにした映画&ドキュメンタリー作品も紹介。


【イベント】女性の心とからだの健康について考える

最後は、国際女性デーに合わせて先週末の3月6日に行われた『わたしたちのヘルシー 心とからだの話をはじめよう in Mar.2022』。これはWomen’s Health Action実行委員会と、メディア「CINRA」が共同プロデュースするオンラインイベントです。

専門家と著名人によるトークセッション

生理痛・PMS、妊活、避妊、フェムテックなど、女性の心とからだの健康に関することをテーマ軸にしたイベントで、バービーさん、IMALUさん、ともかほさん、鈴木明子さん、コムアイさん、辻愛沙子さんらが参加。現役医師や医療ヘルスケア分野の専門家と一緒に、ヘルスケアについてトークセッションいたしました。

アーティストやタレント、アスリートなどが一人の女性として感じたからだの変化や、世の中への違和感などを包み隠さす話していただいたことで、多くの人が自分の心とからだに向き合う時間になりました(女性だけでなく男性にも、見て、知って考えるきっかけになるかと思います)。

現在、全トークが見られるアーカイブ動画が「CINRA」YouTubeで公開中。

アーティストたちによるコラボも

CINRAプロデュースでコンセプトムービーも制作。年齢も生き方も違う、さまざまな世代の女性たちに本イベントのコンセプト文を読んでいただき、キリンジやフジファブリックなどのMVにも出演するダンサーのChasoさんに心とからだの複雑さを表現していただきました。

また、イベント前には「CINRA」のInstagramにてシンガーソングライターのNakamuraEmiさんのスペシャルライブが開催され、女性たちにエールを送るような優しくて力強い歌声で3曲披露いただきました。

撮影:北原千恵美

おわりに
企業・教育機関・団体などに限らず、個人でもSNSやnoteなどを通して発信を続けることで、少しずつ世の中の意識が変わってくるのかもしれません。来年はどんな活動が行われるのか、注目してみてください。


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