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eスポーツ観戦にドハマりした人間が本気でeスポーツの魅力を伝える漫画を描いてみた『オリオン明滅す』

noteに初投稿します。西倉新久(にしくらしんく)と申します。
結構前にデビューしたものの、そこまで世間に作品を発表できていない漫画家です。

さてこの度、2024年3月21日(木)に
双葉社の「webアクション」にて連載中の拙作
『オリオン明滅す』の単行本1巻が発売されました。

“FPSは怒りだ!!!”がタイトルではありません

この漫画のジャンルは「eスポーツ漫画」です。
簡単なあらすじは以下の通りです。――――――――――――――――――――――――――――――――――
とある架空のFPSゲームの競技シーンの選手である主人公の南条優人【IGN:M4RU(マル)】が、大会で結果を残せないまま引退を考える年齢に差し掛かっていたところ、若き天才プレイヤーの松本大亜【IGN:Dia(ダイア)】に出会い、共にチームの再建を目指す―――。
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さてこの漫画、ただでさえ難しい「eスポーツ」を題材にした漫画なうえに相当マニアックです。

  • PCゲーム

  • 競技のルールは存在するが、冒頭ではあえて説明を省いている

  • 主人公の立場が特殊(すでにプロ選手、しかも引退間際のベテラン)

  • リアリティを追求した結果、ヒロイン不在かつ登場人物の95%が男性

  • そもそも題材のFPSのジャンルが競技性の高いタクティカルではなく、運要素の大きいバトロワ

内容には自信をもって描いていますが、これはちょっと…突き放しすぎではないか…?とも思ったので、実際にeスポーツファンになった作者自身の体験をサンプルにしつつ、主に「eスポーツを理解することは難しくないよ!」ということをプレゼンしたくて当記事を書くに至りました。作品だけで語らず、作者がこういうことを文章で書くという行為自体が反則かもしれません(販促です)。それでも興味を持ってくれる方には、以下の記事から「eスポーツファンの気持ち」に対する理解を深めていただけたら幸いです。

オリオン明滅す 第7話「大会を観よう!」より


はじめに

さて、「eスポーツ」というものに対して、皆さんはどういう印象を抱いているでしょうか。
近年は日本国内でも『VALORANT』や『League of Legends』、『ストリートファイター6』といった大型タイトルが牽引し、大規模な会場で目の前で試合が行われるのを観戦したり、パブリックビューイングで大勢の人と盛り上がれる環境が整いつつあります。地上波のテレビ番組でも取沙汰されることが増え、コロナ禍以降一気に認知され、ファンも増えてきたと思います。
その一方で、「フィジカルスポーツと同一視するのは違うのではないか」という意見や、選手に対してネガティブだったり攻撃的な意見も散見されます。オリンピックの種目としてeスポーツは採用するにふさわしいか、という議論までされるようになりました。
でも、個人的にはそんなの別にどうでもいいと思ってて、単純に「ゲームで熱くなれる」という現象自体が不思議かつ尊く、私が興味がある部分です。

私もゲームこそ小さい頃から好きだったものの、元々ソロゲーが好きなのもあって競技シーンというものには興味がありませんでした。唯一、約20年前に『beatmania IIDX』という音楽ゲームで全国大会のエリア予選にまで進出したことがあります。敗退しましたが、大きな会場(幕張メッセ)で観客の前で自分よりも上手いプレイヤーと戦えた、という体験は忘れられません。

このbeatmaniaに関しても、別に「最強」になりたくてやっていたわけではありません。そもそも音ゲー自体が基本的にはソロゲーですからね。(余談ですが近年はそのbeatmaniaでさえもeスポーツ化しています)
「好きなゲームをずっとやっていたら上手くなってて、同じくらい上手い友達が出来て、一緒に目標を持って高め合って、気付いたら全国大会に出ていた」といった感覚が近いと思います。今現在競技シーンにいる方でも、この感覚がわかる人は少なからず存在するはずです。

では、そんな人間がなぜeスポーツ漫画を描くに至ったのか。そして『オリオン明滅す』はどうやって生まれたのか。
順を追って経緯を書いてみたらものすごく長くなってしまったので、興味がなければ「Phase5」くらいまで適当に読み飛ばしてください。


Phase1 時は2017年、大『PUBG』時代の到来

2017年3月に早期アクセスを開始した『PUBG(PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS)』というゲームは、いわゆるバトロワゲームのブームの火付け役です。世界中で爆発的にヒットした本作は、当時有料ゲームだったにも関わらず同時接続人数が300万人超(steamの歴代1位)という大記録を達成しており、基本プレーが無料化した2024年現在でもピークタイムでは全世界で約50万人ほどがオンラインになっています。

私がこのゲームに出会ったのはこの年の5月、beatmania時代からの付き合いのゲーム友達から「すげえ面白いゲームがある」といって紹介されました。その際に某有名配信者のプレーを見せてもらい、「自分で遊ぶつもりはないけど、見てるだけでも面白いな」と思ってしばらく配信を観るようになり、そうすると自分でもやってみたくなりました。それまでPCゲームをほぼ触ってこなかった私が、少しずつデバイスを揃えたり、ネット環境やPCスペックを見直したりして、ようやく夏頃から『PUBG』をプレーできる状態になりました。

しかし少しプレーして気付きましたが、私はシューターゲームがド下手くそでした。そもそも人生でFPS/TPSをプレーしたことがほぼなく『スプラトゥーン』で初めてTPSに触れたような状態ですし、その時点で既にアラサーだったので、どうしても反応速度やエイムで他のプレイヤーに勝てませんでした。
PUBGは特に操作感覚が独特かつシビアなゲーム性なので、非常に難しかったです。最初はただフィールドに降りるだけでも心臓がバクバクと高鳴り、慣れないキーボードのWASD移動でよちよち歩き、やたら大きい銃声(なんで未だに音量調整できないんだ)にビックリしたら死んでいた、みたいな経験を繰り返しました。この「PUBGはホラーゲーム」と称されるようなゲーム性はめちゃくちゃ人を選ぶし、よくあそこまで流行ったな、とも思います。

なので友人とパーティーを組んで遊ぶことは多々ありましたが、自分が弱すぎるためソロでやるつもりにはあまりなれず、一人の時はゲームよりも配信ばかり見ていました。世界中の有名配信者が右を見ても左を見てもPUBGを配信しており、本当に「世はまさに、大PUBG時代」だったと思います。

PUBGのゲーム性をよりカジュアルにしつつ家庭用ゲーム機のコントローラーでも遊べる『フォートナイト』や『Apex Legends』がリリースされたことなどから徐々にPUBGブームは落ち着いてきますが、同時に日本国内でPUBGの公式国内リーグが発足します。それが『PUBG JAPAN SERIES(通称:PJS)』です。

↑ PJSは現在は終了し公式サイトも閉鎖しているため、YouTubeに残されている試合配信の録画を見ることくらいしかできません。


Phase2 「PJS」が面白すぎて同人誌を作る

PUBGが上手い人のプレーを見ることは好きでしたが、「プロ同士の試合を観たい」とまでは思っていませんでした。自分よりもはるかに上手な配信者が面白おかしく叫びながらプレーしているのを観る、それだけで満足していたからです。
しかしたまたまPJS Season1のとある試合を配信を観て、あるチームの動きに感動しました。ドン勝(1位)を取るまでの一連の流れが軍隊のように洗練されており、これがプロの連携なのかと「尊敬」に近い感情を覚えました。そのチームはSeason1を圧倒的な強さで優勝します。
そして2018年末に行われた1日限りの大規模オフライン大会「PWI2018」が私を決定的にeSportsファンにした瞬間でした。当時の韓国の強豪チーム「Gen.G」「OP.GG Hunters」を招待して行われた大会の最終試合、1vs1の状況からグレネードが決まり、前述のあるチームこと「SunSister Suicider's」が韓国チームを上回り優勝した瞬間、本当に飛び上がるほど嬉しかったことを覚えています。

すっかりPUBG観戦が趣味となった2019年、PJSはSeason2以降は欠かさず試合を観て、日本のみならず韓国リーグやヨーロッパ圏のリーグまで観戦するようになりました。さらに選手個人の練習配信まで観るようになりました。それがまた面白かったんです。
普段は敵同士の選手たちが即席でチームを組んでリラックスした状態で野良のゲームを回し、誰に聞かせるわけでもないプライベートの出来事を好き勝手に話す…。ストリーマーの配信に比べるとエンタメ性は皆無ですが、私はそのリアルさに惹かれました。住んでいる場所も環境もバラバラの若者たちが、「ゲーム」という共通言語で繋がっている。私も学生時代にbeatmaniaをやりに、そして友達に会いにゲームセンターに毎日のように通っていましたが、それと同じような「ぬるい温度感の青春」を感じたのです。これこそが、私自身がeスポーツに関して最も面白みを感じ、そして漫画にしたいと思っている部分かもしれません。

オリオン明滅す 第2話「ダイアの原石」より

この時期、私自身は停滞していました。初の商業連載が打ち切りとなり、そこからの漫画活動が何ひとつ上手くいかずメンタル的にも不安定だった当時、PUBGの競技シーンを観戦することがひとつの心の支えとなっていました。元々スポーツ観戦は好きなほうなので、頑張っている人を応援できることが良かったのかもしれません。

1年以上も新作漫画を発表しておらず、そろそろ何かしら作品を描かなくては…と思っていた頃、PJSでとある出来事があり、「これを元に漫画に落とし込んでみたい」と思い立ちます。それから約半年ほどかけて書き上げた80P弱の同人誌、それが『オリオン明滅す』のプロトタイプです。

↑ マンガノにて本編を全ページ無料で読むことができます。今とはちょっと違うマルやダイアをお楽しみください。

↑ こちらはBOOTHでの電子版販売。一応おまけページや特典があります。

コミティアで発表した同人誌版『オリオン明滅す』は、それこそまんまPJSをモデルにしているので、今の連載版よりもさらにマニアックな漫画となっています。にも関わらずコミティア内でのアンケートではかなり高評価をいただき、とても嬉しかったです。自分が面白いと思っている世界が他人に受け入れてもらえた、というのは漫画描きにとっては幸福そのものです。最高のリハビリ作となり、描いてよかったと心から思える漫画になりました。

そしてこの同人誌版『オリオン明滅す』を当時やり取りしていた編集者に見せたところ、「eスポーツ漫画で面白いと思ったのは初めて、ぜひこれを連載会議に出したい」といった好意的なリアクションをいただきました。これはもしかして好きな題材で連載が取れるかも、全てが上手くいくのでは…?と当時は思いました。しかしここで大きな問題にぶち当たります。


Phase3 “eスポーツ観”の違いにより商業連載化を断念

早速『オリオン明滅す』の商業連載化に向け、ネームを新しく描き始めました。しかし私は、以前にも他誌でゲーム漫画の商業連載に挑戦し失敗している経験があり、ゲーム漫画というものが商業誌で難しいことを知っていました。

  • 実在するゲームの使用許諾を得る必要がある

  • それができない場合、架空のゲームを細部までしっかり考える必要が出てくる(作者にかかる負担が倍増する)

  • 読者は自分が知らないゲームには大して興味が持てない

  • 「ゲーム=コントローラー(パッド)」のイメージを崩せない

  • ゲームをするのが男性キャラだけだと画面が持たない

当然、同人誌版『オリオン明滅す』の設定のまま連載できるとは思っていませんでした。2020年に「FPS漫画」を連載するということは今よりもハードルが遥かに高かったのです。また、連載を目指していた媒体が少年漫画ではなく大人向けだったため、「おじさんにでもわかるようにゲームのことを描かなくてはならない」「とにかく敷居を下げてほしい」という大前提があり、ここが特に難しい部分でした。
主人公マルの設定はコロコロ変わり、ラブコメ展開が可能になるヒロインも追加され(おいおいマル楽しそうじゃん)と思いながらも何度も何度も書き直し、ようやく連載用第1話ネームが完成。しかし上層部のリアクションは「主人公をもっと若くキラキラさせて、eスポーツのことを何も知らないまま未知の舞台に飛び込んでいくような設定にしてほしい」というものでした。

これは商業作品という観点からはひとつの正解だと今の私でさえ思います。主人公がロートルかつ口の悪いマル君では厳しいということも理解します。しかし、自分は『オリオン明滅す』においては、このマルという哀愁のあるキャラクターが主人公でなければ成立しないし、何より自分が伝えたいeスポーツの世界観が全く描けないと思いました。「eスポーツはそんなに崇高な世界ではないし、簡単にお金にならないよ…!」と心のどこかで反抗していました。
その後も改善しようと努力しましたが、自分と編集部の間にある「eスポーツ観」の違いを埋めることは結局できず、企画を断念することにしました。誰が悪いわけでもなく、ただ改めて「FPSを商業漫画で描くのは難しい」ということを確信しただけです。『オリオン明滅す』は同人誌版で完結している物語だと割り切り、新しいマルの物語が生まれることはありませんでした。

当時の没ネームの一部を供養。結局1話のネームだけで第5稿まで行きました。


Phase4 コロナ禍、「PJS」の終焉、縮小するシーンに自分だけが取り残される

この商業連載化を目指していた時期は2020年、コロナ禍の真っ只中でした。私がPJSを面白いと思った理由のひとつに「64人のプレイヤーが一斉に並んで試合をするという異常な光景」というのがあります。ただでさえ人数の多いバトロワの大会をオフラインでやる、というのは運営側に相当な準備やコストがかかるはずです。それでも盛り上がっているからやってしまおう、というある種の狂気の沙汰。選手も運営も熱量が非常に高くないと実現できないことだったと思います。

オリオン明滅す 同人誌版より

そのオフライン大会もコロナ禍では開催できず、PJSはSeason5からはオンラインでの開催となってしまいます。だからといって試合自体のクオリティが落ちるわけではなく、変わらず面白い大会でしたが、それでも「オフラインで観たかった」という気持ちはどうしても拭えませんでした。
そしてこの2020年をもって「PJS」は終了します。人気がなくなった、というわけではなく、「日本リーグの運営をこれまでのDMMからPUBG本社側の管轄にしたい」という意向によるものです。PJSという大会が成功したのは、ひとえにDMMやその他協力会社の努力あってのものでした。事情は絡むのでしょうけど、人気絶頂のまま終わるのは本当に勿体ないな、と思いました。

2021年以降、PJSに代わり「PUBG JAPAN CHALLENGE(通称:PJC)」という国内大会が始まりますが、他タイトルのeスポーツシーンが盛り上がり始めたうえに、PUBGの競技シーン全体で突如として決まった大幅なルール変更の大不評もあって、徐々にPUBGの競技人口が減っていきます。撤退するプロチームも増えました。配信者もこぞってPUBGを配信しなくなり、友人と一緒に遊ぶ回数も減っていきました。大PUBG時代の終焉です。

オンラインゲームというものは残酷です。コンテンツの栄枯盛衰が本当に目に見えて感じられるからです。私は周囲がPUBGから離れても、PUBGに無関心にはなれませんでした。PJCもずっと観戦していましたが、次々と引退していく有名選手を見送るだけなのは寂しいものでした。その一方で「もうeスポーツ漫画は商業では描かない」とも決意していたので、私も私で別の道を歩み始めていたのかもしれません。

オリオン明滅す 第8話「4年後にプロを諦める男」より


Phase5 SNSで拡散、出会い、そして再び連載を目指す

2022年11月に、Acer主催のeスポーツ大会「Predator League 2022」が開催されました。このプレデターリーグは日本国内の会場で行われ、さらに競技タイトルのひとつにPUBGが採用されました。2020年以降オフライン大会が開催されていない中、これは明るいニュースでした。残念ながら無観客で行われたため現地観戦はできませんでしたが、私はこのプレデターリーグに成功してほしいと思い、PUBGの大会を題材にした『オリオン明滅す』の同人誌版全ページをTwitter(当時)にアップしました。

すると無料公開したこともあって、コミティアで発表した当時ではほとんど読まれなかった“PJSを知っている人”からの感想を多くいただきました。「懐かしい」「自分も熱中していた」「このシーンの元ネタはあれだよね」。こういったコメントの一つ一つが嬉しかったです。漫画を読むことに慣れており好意的なリアクションをしてくれるコミティア参加者からの感想は言うまでもなく嬉しいのですが、本心はこのような「漫画はあまり読まないけどeスポーツを知っている人たち」にこそ届けたかったのかもしれないと思いました。

そして一通のメールが届きます。それが双葉社の「webアクション」現担当編集者からのメールでした。
「Twitterで読んだ『オリオン明滅す』が面白かったのでぜひ一度会って話したい」とのことだったので、早速ご挨拶に伺いました。
するとこの編集者さんは、子供のために買ったNintendo Switchで『フォートナイト』に大ハマリし、アラフォーにしてすっかりフォトナ中毒になっていることを目を輝かせながら語ってくれました。なのでバトロワゲームのリテラシーがあり、『オリオン明滅す』で表現したかったeスポーツの熱さについて誰よりも理解してくださっていました。
しかしこちらも冷静になり、「過去に商業連載化を目指して一度失敗している」ということ、さらには商業ベースでeスポーツ漫画を描くにあたっての問題点や不安要素を包み隠さず伝えました。でも予想とは違い、「作品の敷居を下げたら同人誌版の面白さには勝てない。むしろこのままで行きましょう」と背中を押してもらったのです。「パッドよりキーマウの方が画的にかっこいい」とも言ってくれました。
私は「この人とならイケるかもしれない」と思い、そこから私の中で止まっていた新しいマルの物語をリブートすることを決めました。一気に連載ネームを書き上げ、その勢いのまま連載が決定したというわけです。

これはwebアクションという攻めた漫画をそのまま掲載させてくれる場所、そして「理解ある担当編集者さん」の力によるところも大きいのですが、時間が経ったことで私自身がeスポーツという現象に対して多少俯瞰的になれたことや(他タイトルの観戦も少しずつしています)、バトロワやFPSというゲームジャンルが世間に完全に定着したこと大きかったと思います。
何よりもネームを描いていてこんなに楽しい作品はないと実感しているので、これこそが自分自身が描きたいテーマだったんだな、と再確認しました。

本気で準備し、架空のそれっぽい作中ゲーム『PULSATE』に関しては細部にまでいろいろな気を配りました。素材作成専用のスタッフも雇いました。こうして『オリオン明滅す』という変な漫画が、晴れて日の目を見ることになったのです。

作中ゲーム『PULSATE』の操作キャラクターデザイン。PULSATEは「明滅」という意味です。
チームロゴの一部。カラーで見せる機会がないのでここぞとばかりに貼りました。


おわりに

このような紆余曲折を経て、『オリオン明滅す』は単行本となり、より多くの方の目にふれるチャンスをいただけることとなりました。各方面には本当に感謝してもしきれません。ありがとうございました。
…と、まるで完結したかのような書き方をしましたが、本編での戦いはこれからです。1巻の時点ではまだ「FPSやバトロワの本当に面白い部分」や「大の大人が本気でゲームで戦うこと」の魅力、「ゲームに人生を狂わされた若者たちの出会いと別れの物語」は描ききれていません。描きたいです。
その原動力のために、SNSにでもポッと感想を投稿してもらえればそれだけでも嬉しいです。

これから一癖も二癖もあるキャラクターが大量に登場し、選手の数だけドラマを展開していきます。まるで「王道スポーツ漫画」です。eスポーツ漫画を本気で描こうとすると、王道スポーツ漫画の方法論になってしまうということは発見でした。ぜひ本作も「文化系スポ根漫画」として楽しんでほしいです。
本作を読んで、読者の皆様がおのおの考える『eスポーツ』の世界に対する想像を膨らませ、そして好きなゲームの競技シーンにアクセスしてもらえたら何より幸せなことだと確信しています。

オリオン明滅す 第2話「ダイアの原石」より

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