孤独だからコミュ障になる、ただし逆は然りにあらず ジョン・カシオポ著「孤独の科学」読書感想文−1
孤独でなぜ悪い?
「君って孤独だね」
そんなふうに人から言われたら、自分はこう答えてきた(少なくともこの本を読むまでは)。
「孤独で何が悪いの?孤独だからこそできることもあるし、何より自分は孤独を望んでいるんだ!」
しかし本書は上記のような自分の疑問に対してはっきりとした回答を与えてくれる。孤独がいけないのは、
孤独はあなたに対しては継続的に生存の危機を意識させ、
あなたを他者を脅威と感じるように仕向け、
自己破壊的な行動へとあなたを誘なう
からである。もちろん自己破壊的な行動の後にはさらに孤独が深まるので、1−3の現象はループ構造を持ってどんどん深まっていく。そんな孤独のアリ地獄に落ちてしまう人が多いからこそ、孤独は大きな問題になっているのだろう。
この本は著者らの長年にわたる孤独をめぐる科学的研究から孤独の何が問題かを詳細に説明している。孤独についての哲学的思索、あるいは孤独から抜け出すためのハウツー本の類は世に溢れているが、孤独という現象の意味をj心理学、生理学、進化生態学、社会学などあらゆる分野にまたがって科学的に解説した本は、おそらく本書が唯一のものだ、少なくとも私の知る限りは。
…To Be Continued
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