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『侍タイムスリッパー』日本アカデミーとかブルーリボンとかに寄せて
実際の世の中がそうなのか、僕のタイムラインがそういう傾向なのか。なんだかとにかく殺伐としていて、冬の寒さよりも気持ちが冷える。震災の際やらコロナの頃やらも世の中ギスギスしんどかったけれども、体感では最近の方が、なんていうか、シビルウォージャパン感が充満してる感じ。
まぁ実際、イライラしますよ、キャベツ1玉500円とか、ガソリン1㍑185円とか。日々の暮らしが、ドラクエの毒の沼歩いてるみたいな気持ちになってきますもん。
そんな中、『侍タイムスリッパー』は公開から半年経とうとしてる2025年2月現在も、やれアカデミー賞7部門やらブルーリボン賞で作品賞、主演男優賞やらで明るい話題を咲かせてくれてる。
「おめでとうございます」は、一生懸命『侍タイムスリッパー』を応援し愛してくれた方たちに。
自分が良いと感動して大事な人にお勧めしたりした作品が、立派な賞を獲るって、嬉しいことですよね。“侍タイファミリー”の声援や拍手が、何かに届いたような、感動があるよね。だからもし3月14日に日本アカデミー賞の最優秀なんとか賞を頂けるのだとしたら、それは応援してくれた観客の方々へのご褒美なんだと思う。
スタッフ・演者へのご褒美は、その観客の方々の喜ぶ顔、拍手の音。それが一番だと思えないなら、未来映画社の未来に『侍タイムスリッパー』を超える作品は期待できない。市井の人々の暮らしが根付いた地べたにしっかり足をつけた物語が、未来映画社作品の芯だから。最優秀なんとか賞を獲っても作品の質は上がらないし、最優秀なんとか賞が獲れなくても未来映画社への期待値が下がるものでもない。
「#侍タイムスリッパー」に受賞を祝う言葉が集う中、その中心にいるはずの安田監督は、神輿に乗って踊ることなく、フツーに農作業をしてたり、ビデオ撮影屋の仕事をしていたりする投稿をする。そういうところかっこいいなと僕は思う。
こんだけ映画が当たったから、“大監督”だ“ヒットメーカー”だと言って擦り寄ってくる怪しい大人が、何人か、もしくは何十人といるかもしれない。
または次の作品への企画や構想に向かって「次も侍タイ以上に、無理でも侍タイ並みにはヒットさせねばならぬ」と、プレッシャーを感じたり、「次ハズしたら、“一発屋”と言われるのではないか」と恐怖を感じたりしているかもしれない。怪しい大人たちは返す手の平と逃げ足は速いしな。
だから安田監督の近況を伝える投稿に、暮らしの空気を感じるから、僕はもう未来映画社の次回作に期待している。その作品が大きくても小さくても、カッコよくてもダサくても、売れてもコケても、それは未来映画社という物語の一場面としてずっと見続けていくだろう。
『侍タイムスリッパーという作品』は、一日に何回も、劇場何十館も、それが何か月も、繰り返し繰り返し繰り返してる。それをリズムのベースとして
『侍タイムスリッパーという物語』は、製作から公開まで6年というアバンタイトルに始まり、池袋シネマロサ1館スタートから全国拡大上映という盛り上がりを経て、いよいよ3.14日本アカデミー賞というクライマックスにさしかかる。まるで映画のようなドキュメンタリを、リアルタイムで楽しませてもらってる。
面白いな、『侍タイムスリッパー』は。
いや、『未来映画社物語』は。かな。