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無念…京都みなみ会館、9月末閉館

この9月で60年を迎える京都の老舗ミニシアター、京都みなみ会館がこの9月末で閉館することが、今日発表された。

元町映画館とシネ・ヌーヴォの支配人、そして京都みなみ会館の館長が2020年4月、緊急事態宣言直前に1週間の「Save Our Local Cinemas」プロジェクトを立ち上げ、その上Tシャツのデザインから発送まで担当してくれたのが京都みなみ会館だった。その援助がどれだけ京阪神のミニシアターの心の支えになったことか。京阪神連携のようすは、わたしが責任編集した「元町映画館ものがたり」でも本に残して全国の人に紹介したいことの一つだった。神戸と京都、商圏は離れているけれど、京阪神というくくりではまさに切磋琢磨して、ミニシアターをよりお客さまと近いものにしていく仲間だったのだ。

2019年の移転新規オープン時には、新しく3スクリーンとなり、エレベーターも備わった新しい京都みなみ会館に足を運び、京都のミニシアター界がより切磋琢磨することを期待していたのだけれど、やはりコロナは想定外だった。そして、それ以降の経営難というのは、もちろんミニシアター界がまさにその負のループに陥っており、正直、図書館のような公共性を認め、文化を担う施設として公的な補助金を拠出してもらわない限り、ミニシアターの灯を守ることはもはや現実的ではないという段階まで来ている。だから無念ではあるが、もっと違う、すぐそこまで危機が来ているような不安感に囚われている。

ノスタルジーなんていらない。残念がるぐらいなら、まずは足を運んでほしい。みなさんのお近くにあるミニシアターへ。そこには絶対に、配信では感じられない鑑賞体験があるはずだから。

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