仮設の映画館の『精神0』を語る@シネマクティフのマンスリー・シネマ・トーク
ステイホーム生活をしていると、1ヶ月過ぎるのが早い。大阪のミニシアターが続々再開し、映画館に行きたいところだが、先月初参加した「映画館で映画を観る楽しさを伝える」ユニット、Cinemactifシネマクティフのマンスリー・シネマ・トークオンラインがとても学びが多かったので、今月もステイホームで参加することに。お題は想田和弘監督最新作『精神0』。5月2日公開予定だったが、新型コロナ禍でも延期せず、オンライン上の映画館「仮設の映画館」を配給の東風と立ち上げ、そこで予定通り5月2日に公開。公開当日はYoutubeにて舞台挨拶がわりのトークライブを開催したのだ。
映画館支援に繋がるこの取り組みに共感し、今回のお題は「仮設の映画館」上映作品となったのだが、実はシネマ・トークでドキュメンタリー映画を取り上げるのはこれが初めてだそう。地域差のないお題を選定するため、全国一斉公開作品が中心になると、順次公開のドキュメンタリーは今まで選べなかったというから、これも今ならではの新しい作品選定なのだ。そして、映画館で映画を見ることを楽しんでいらっしゃるみなさんは、想田監督作品もしっかりと抑えておられ、前作と比較しての感想や、主人公、山本先生の妻で、今は認知症を患っておられる芳子さんにご自身の親戚の姿を重ねて観たというご意見、認知症の方にカメラを向けることについてなど、私が考え至らないようなことに着眼された意見もあり、前回同様、映画の受け止め方の多様さに感じ入る、あっという間の1時間半。
最後には、この音源を想田監督に!という主宰者ペップさんの言葉に、一同、声には出さないけれど、きっと心の中で「おー」と思ったのではないか(笑)。これだけ熱く作品について語った、映画ファンの肉声はなかなか聞く機会がないと思うので、想田監督に楽しんでいただけたら、参加者としてもうれしく思う。
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