見出し画像

シネ・ヌーヴォ(大阪)に見る感染予防対策と映画館らしい空間のバランス

 久しぶりに平日昼間に制服姿の学生たちの姿を目にし、日常が戻りつつあることを感じる。日常が戻るといえば、3ヶ月ぶりにジムでヨガレッスンをしたが、マスクをつけたまま。これもまた辛い。ヨガは呼吸が大切なので、特に意識して呼吸するのだが、マスクの中の空気が循環しているだけのような気がして、体にいいのか悪いのか・・・。東京アラート発令の話もあり、まだまだ気を引き締めてということなのだろう。

 昨日は大阪の第七藝術劇場と双璧をなすディープなミニシアター、シネ・ヌーヴォの営業再開上映に足を運んだ。ここのところ、テアトル梅田、シネマート心斎橋、シネ・リーブル梅田、元町映画館と大阪、兵庫のミニシアターに足を運んでいるが、とこも感染予防対策に非常に気を遣っている。フェイスシールドや手袋をしての対応、入場前の手指消毒の呼びかけなど、今だからこその様相を呈している。シアターに入っても、椅子には着席禁止の紙が貼られ、上映前は予告編と共に、新型コロナ感染予防対策についての呼びかけ動画も。それらを目にしてから映画を観ると、どこかでそんな状況下の自分が観ているという違った意味での非日常感があった。実はそう気づいたのは、シネ・ヌーヴォで映画を観てからだ。というのも、感染予防対策は他と同様にされていたが、注意を喚起する貼り紙が表の扉ぐらいであったこと。シアターに入っても、座席自体を取り除いているので、貼り紙はなし。予告編もいつも通りで、呼びかけ動画もなかった。つまり、できるだけいつも通りの映画館という空間を提供してくれていたのだ。実際、映画を観ても今まで通りにリラックスして、マスクを外せないことでコロナ禍であることを自覚するものの、そこにいる間はコロナのことを忘れられるぐらいだった。営業再開の挨拶もあえてせず、粛々と上映するシネ・ヌーヴォ。感染予防対策と映画館らしい空間のバランスをとるのは難しいが、映画館らしい空間であることへのこだわりを感じずにはいられなかった。ちなみに鑑賞したのはフレディ・M・ムーラーの『我ら山人たち』と『山の焚火』。大自然の中で、人間の力など非力なものだと改めて感じさせられる。大スクリーンに映し出される壮大な山々を存分に堪能した計4時間だった。

シネ・ヌーヴォ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?