マンスリー・シネマ・トーク『タイガーテール』GoogleハングアウトVer.に参加!〜緊急事態宣言Day18
「映画館で映画を観る楽しさを伝える」ユニット、Cinemactifシネマクティフ主宰のペップさんが、「2010年代アメリカ映画ガイド」ライブ配信読書会のゲスト登壇時に告知していたマンスリー・シネマ・トークのオンラインバージョン。通常は、カフェなどで月に一度お題の映画を映画館で観た参加者が、語り合う会なのだが、ステイホーム週間の今、新たな試みとして最大10名のGoogleハングアウトを使ったオンライントークを開催するという。2日間行われ、いずれも満席と人気のシネマ・トーク。今回は、本来取り上げる予定だったルル・ワン監督の『フェアウェル』が公開延期のため、同作で主人公の父親役を演じたツィ・マー主演のNetflix作品『タイガーテール -ある家族の記憶-』が、お題映画として選ばれていた。
私自身も、小冊子「熱風」のコラム、「シネマの風」で4月号に取り上げたのが『フェアウェル』だったこともあり、同じ移民が主人公でアジアとつながりのある映画なら、ぜひ参加してみたいと初参戦。映画ファンと一緒に映画館を盛り上げる活動をコツコツと続けておられるペップさんの活動がどんどん広がっていくのを拝見していたが、ステイホームだから生まれた企画に参加できるのは、ちょっと感慨深いし、日頃は一人でレビューを書いているものだから、ちょっとドキドキもする。
自己紹介の後、お題の映画を支持する(A)か、支持しない(B)かを一斉に表明。そこから一人ずつ映画の感想、評価の理由について話すのだが、みなさん本当に細かいところまで映画を観ておられ、そしてそれぞれの立場や考え方、人としてのありたい姿が映し出されているかのような評価や視点がとても納得がいき、参考になった。中には海外から参加されている方もおり、主人公の苦労が我が事のように感じれられるという人も。『フェアウェル』と比べれば盛り上がりには欠けるし、ユーモアもないが、移民ならではの苦労、妻や娘、母とのすれ違い、かつての恋人に今でも思いが残るという熟年男性の悲哀が実にたっぷり。いくら故郷や恋人を捨て、新天地を目指したとはいえ、やはり心の奥底にあるのは貧しくても楽しかった故郷での日々なのだ。新作ではあるが、それこそお題映画でなければ見逃していたであろう作品に出会えたことに感謝。そして、アラン・ヤン監督には、とあるシーンで女性たちの意見が拮抗したことを、ぜひ英訳してお伝えしたい(笑)マンスリー・シネマ・トークオンラインVer.、次のお題も楽しみに!