【「仮設の映画館」オンライン公開決定】ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作『タッチ・ミー・ノット』、『ホドロフスキーのサイコマジック』〜緊急事態宣言Day11
緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大することが発表され、いよいよ全国の映画館が臨時休館という戦後初の事態になる可能性が高くなってしまった。そんな中、先日ご紹介した想田和弘監督のドキュメンタリー映画『精神0』に続き、劇場公開予定日を変更せず、当初の予定日に期間限定で有料オンライン配信を行う動きが出てきた。
まずは、鬼才アレハンドロ・ホドロフスキー監督の『ホドロフスキーのサイコマジック』。現在、自社配給作品を現在60本見放題(寄付もできる)で提供しているアップリンクのオンライン映画館で、本来の公開日であった4月24日から“寄付込みオンライン先行上映”を開始。参加映画館(アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺、新宿シネマカリテ、シネマ・ジャック&ベティ、あつぎのえいがかんkiki、シネマアミーゴ、シネマテークたかさき、シアターキノ、名古屋シネマテーク、静岡シネギャラリー、ほとり座、松本シネマセレクト、シネ・リーブル梅田、アップリンク京都、元町映画館、横川シネマ、KBCシネマ他随時追加)に、売り上げが配分される仕組みで、寄付込みコースやオリジアナルグッズ販売も行う。
そしてもう一つは、ルーマニアの新星、アディナ・ピンティリエ監督が、ベルリン国際映画祭2018で金熊賞(最高賞)と最優秀新人作品賞をW受賞した注目作『タッチ・ミー・ノット 〜ローラと秘密のカウンセリング〜』。本来は6月6日(土)から渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開予定だった本作。『精神0』と同じ、仮設の映画館にて6月6日より通常の劇場公開(現時点では予定)に加え、オンライン配信をすることに決定。『精神0』想田監督のインタビューでは、仮設の映画館に参加する作品、配給がもっと増えることで、映画界を回す経済の一助になれば、ミニシアター生き残りの可能性は高まるのではないかとおっしゃっていたが、まさにその第一号と言える。そして、現在クラウドファンディングも開催中だ。鑑賞券にプラスしてオリジナルグッズや、パンフレット付きのコースも。こちらは昨年アミール・ナデリ監督最新作の『山〈モンテ〉』を配給・宣伝し、映画監督(『祖谷物語 -おくのひと-』)でもある蔦 哲一朗さんが代表を務める一般社団法人ニコニコフィルムが配給。ヨーロッパで生きる“マイノリティ”の方々の自由な生き方を通して、心と体が解放されていく、新感覚のカウンセリング・ムービー。劇場チケットと選べるので、新型コロナウィルスの収束状況を見ながらクラウドファンディングに参加するのもいいだろう。
『タッチ・ミー・ノット 〜ローラと秘密のカウンセリング〜』クラウドファンディング
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