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人間味あふれる恋心をユーモアがそっと包み込む『愛なのに』
(TOP画像:https://www.lr15-movie.com/ainanoni/index.html)
普遍的ラブストーリーの先駆者とも言える今泉力哉監督と、Vシネマ界で名を馳せる城定秀夫監督がタッグを組んだ「"L/R15"プロジェクト」。それぞれの脚本をもとにお互いが監督を務め、R15指定のラブストーリーが2作品生まれました。
今回は、第一弾として公開された『愛なのに』の魅力に迫ります。
『愛なのに』 監督:城定秀夫 脚本:今泉力哉
あらすじ
古本屋を営む多田(瀬戸康史)が、本を万引きした女子高生にプロポーズされるところから物語は始まります。多田は一度告白してふられた相手である一花(さとうほなみ)を想い続けていますが、ある日彼女が結婚することに。しかし婚約者(中島歩)は浮気をしており、その相手はなんと、二人の結婚式を担当するウェディングプランナーの美樹(向里裕香)だったのです……。
主人公を中心に展開される片想いや両想い。そのどちらとも呼べない関係性も多様に映し出されており、それぞれの波乱に満ちた恋模様がテンポよく進んでいきます。
飽きる事のないストーリーはもちろんのこと、物語を盛り上げる登場人物も魅力的なのです。不格好で、計算高くて、でもどこか憎めない、愛すべきキャラクターたち。彼らの言動は真剣がゆえのおかしみに満ちており、注目してみてほしいポイントです。
普遍的な恋愛映画を撮り続ける今泉監督の脚本と、刺激的な作品を作り出してきた城定秀夫監督のタッグで、心のぶつかり合いがリアルに描かれています。
第二弾として公開された『猫は逃げた』(監督:今泉力哉、脚本:城定秀夫)も合わせていかがでしょうか。
次回は今泉力哉監督の『退屈な日々にさようならを』で俳優デビューを果たし、現在は映画監督としても活躍する猫目はち監督作品をご紹介します。
シネマディスカバリーズでは、猫目はち監督作品を配信中です。
・つま先だけが恋をした(2018)
・突き射す(2019)
・花に問う(2020)
▼この記事を書いた人
矢野あかり /
映画、恋愛、投資ジャンルにて執筆歴あり。