ヒズ・ガール・フライデー
80年前からすでにバリキャリ女子は結婚から遠かった(笑)
ウーマンリブなんて言葉が誕生していなかった1940年に作られた、『赤ちゃん教育』に続く、ハワード・ホークスのスクリューボール・コメディです。主演も同じくキャサリン・ヘップバーンとケイリー・グラント。
映画は、キャサリン・ヘップバーンが旦那を連れて、自分の働いていたNYの新聞社へ、寿退社の挨拶しにいくところから始まります。「10分で戻るから」と旦那に言いながら、忙しく人々が動き回るオフィスの奥へ慣れた足取りで進んで入いきます。
そこで彼女を迎えるのは編集長で元旦那のケイリー・グラントです。彼は公私ともにパートナーだった彼女をあの手この手で引き留めようとします。
気づけば元旦那に上手くのせられて、大声で叫び、往来中の車を避けながら、よそ行きのスカートをまくりあげ、ハイヒールで大疾走している彼女。新しい旦那はなぜか謎の女と拘置所へ。
『赤ちゃん教育』もですが、エンディングはわかりきっているのに、そこにどうやって行き着くのかまったく予想ができないスクリューボール・コメディの名作です。
ショットを細かく切って緊張感を出すばかりの最近映画とはちがう、スピード感の出し方。また、さまざまな角度から動き回るキャサリン・ヘップバーンを映し出す巧みなカメラワークも見ものです。