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新学期早々、カナダの先住民政策が闇過ぎてトラウマ級

Secondary 休み明け初日。学校どうだった?と聞くと
「なんだか、またよく分からんものが始まった」と息子。
息子は、First Nationものが苦手だ。でも、Secondaryのカリキュラムに必ず含まれているらしく、Socialなどの時間にドキュメンタリー映画を見たり、Career Educationの時間にFisrst NationのCircle Justiceの勉強をしたりしていた。でも、カナダ先住民の歴史は、日本ではあまり知られていないのでちんぷんかんぷんだ。

息子によると、話がよくわからないという。
「First Nationの子どもが誘拐されて、農場で働かされて、虐待されたので逃げ出して、食べ物がないから泥棒したら捕まった話」
だという。Residential Schoolの話だろう?と思って、教科書を見せてもらったら漫画だった。

息子があまり理解できなかった、子どもの誘拐による先住民同化政策の悲劇

漫画なら読める、と思って読んだらResidential Schoolよりも後の話だった。

CBCのPod Castsでドラマ仕立てで聴けます↓

https://www.cbc.ca/listen/cbc-podcasts/1020-this-place

ネタバレになるが、Residential Schoolが閉鎖された後、学校に収容する代わりに先住民の子どもを保護者の許可なしに連れ去り、先住民以外の里親に預けたり養子縁組するということが横行していたらしい。それが、1990年代まで児童福祉の名のもとにThe Children's Aid Socaietyという組織によって公的に行われていた。まだ幼いうちに親元から引き離され、白人の里親をたらい回しにされた挙げ句農場で働かされたという。早くに親や自分の所属する社会から切り離され、過酷な状況で過ごしたため愛着障害となる子どもが多く、それがアルコール依存や精神疾患へ繋がっていく。

90年代っていえば、私よりもずっと若い世代ではないか・・・

The Children's Aid Society っててっきり犯罪組織なのかな?と思ったら、今も堂々と存在していて、児童福祉のために里親探しや虐待を受けた子どもを親から引き離す活動を行っているという。要するに、児童相談所みたいなものか。(なお政府組織ではないそうだ)

↓ 現在も、恵まれない子どもを救うために養子縁組実施中らしい。白人家庭なら幸福だとでもいうのか・・・


今でも里子の半数以上がIndigenousなんだとか。
"NIMKII"によると、先住民やメティスの子どもを同意なしに連れ去り里子や養子に出すことが正義に反するということで、Indigenousによる反対運動が起き、現在ではそのKidnapping の舞台となったreserveではThe Children's Aid Societyの立ち入りを禁止しているそうだ。

翻って、日本では児童相談所の力は概して弱い。親元から強制的に引き離して保護するどころか、虐待疑いの子どもに面会すらできないことも多いと聞く。実際それで介入できず虐待死する子どもが後を絶たない。児相にもっと強制力を与えてはどうかと思うこともある。子どもは、どんな親でもそれしか知らないから、虐待されても逃げ出すという発想はないらしい。逆に、そんな親とでも一緒に暮らしたいと思うのかもしれない。

では、現在の先住民の状況はどうか。
実は私もIndigenousの子どもたちを複数里子にしている白人を知っている。しかも全員知的障害がある。実の母親がアルコール依存症で、産んだ子どもたちが全員胎児性アルコール症候群なのだ。実母がどんな人かは知らないが、これは、育てられないだろうな、と思う。子どもたちも里親や兄弟たちと幸せそうだ。おそらく、生まれてすぐにNICUとかに入って、実母をよく知らないのかもしれない。なんで産むの?という思いもあるが、それがカナダの影なのだ。その親も虐待を受けていた可能性大で、本人にもどうすることもできないんだろう。

バンクーバー島の学校では、First Nationの文化や社会問題についての授業が多くある。他の地域はどうなんだろう?白人は、Indigenousの同化政策に関しては知識としては知っているし時には同情し、面と向かって差別もしていないけれど、やっぱり一緒には暮らしていない。隣接した地域に住んでいるのに学校やコミュニティが全く別の、不思議なパラレルワールドだ。奥も深いが、闇もまた深い。




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