液晶プロジェクターとDLP®プロジェクターの違い。
液晶方式
ランプからの光を特殊な鏡でR(赤)G(緑)B(青)に分解し、各色専用の液晶パネルを通し、プリズムで映像化されたものを再度合わせて投影する方式。
1.構造
超高圧水銀ランプから出た光をダイクロイックミラーでRGBの3色に分解して、各光を3枚ある高温ポリシリコンTFT液晶パネル(LCD)に個別に透過させた後、プリズムで再合成して映し出す方式です。
2.メリット・デメリット
フルカラーの映像を連続的に投写するため、動きや色がスムーズに再現できる。中間色の再現性に優れており、部品のコストが安いため、価格が抑えられるというメリットもあります。
しかし、ほかの方式に比べて、開口率(断面積に対する光の通過する面積の比率、開口率が高いほど効率良く光を通過させることが可能)が低いことや、液晶パネルは寿命(偏光板などの劣化により、色調が変化するため)があることがデメリットとなっています。
塵やホコリにも弱いため、フィルタ交換は必須となります。
明るさはDLP方式よりも劣ると言われていますが、それはあくまでも白を比較した場合で、カラーでの明るさ、美しさはむしろDLP方式よりも優れている場合もあります。
DLP®方式
DLP(デジタルライティングプロセッシング)とは、 米テキサス・インスツルメンツが開発したDLPチップを表示デバイスとして使用する方式を用いた映像表示システムのこと。
制御されたミラー(DMD)とレンズで映像を作り、投影する方式です。
1.すごいのはこの半導体!
ヒンジにマウントされた正方マイクロミラーがあります。
各マイクロミラーの大きさは人間の髪の毛の 1/5 未満の大きさです。
DLP チップにデジタル・ビデオやグラフィック信号を入力し、
光源およびレンズと連動させることにより、
ミラーがデジタル画像を反射してスクリーンに画像を映し出します。
2.明るさ・暗さの調節
マイクロミラーは光源に向かって傾ける(ON)ことで光源から光を外部(スクリーン)に反射し投写する。
または光源から遠ざける(OFF)ことで光を内部の吸収体に反射し外部には投写されない。
この結果、投影面に明るいピクセルまたは暗いピクセルを表現できます。
3.カラーの生成
カラー画像を投影するためには、大きく分けて2つの手法が用いられます。
1チップDLP®方式
光源とDMDの間に高速で回転するカラーホイールを配置し、R(赤)G(緑)B(青)の光を時分割でDMDに当てる方法です。
これは単板方式と呼ばれています。
赤色を投影したい場合には赤の光がDMDにあたっている瞬間だけミラーをオン状態にします。
3チップDLP®方式
DMDを3個用い、光源も赤・緑・青の3つを用意する方法です。
これは3板方式と呼ばれます。光源は実際には3つ用意するのではなく、
白色光源をダイクロイックフィルターで3色に分離したものを用いる事が多いです。