液晶テレビ・ディスプレイの仕組み。
1.まずはじめに「液晶」って何?
液晶の存在は、1888年にオーストリアの植物学者ライニツァーによって発見されました。物質の状態の一つで、固体と液体の中間にある物質の状態(例えば石鹸水など)を指す言葉です。液晶ディスプレイはこれを利用し、2枚のガラス板の間に液晶状態の物質を封入し、電圧をかけることによって液晶分子の向きを変え、光の透過率を増減させることで像を表示します。
2.液晶分子の原理
「液晶分子」の性質からディスプレイの原理を説明します。
3.液晶ディスプレイの原理
・溝の向きを90度変えた2枚の板で液晶をはさむと、液晶分子は90度ねじれて配列する。
左板の溝に沿った分子はa方向を、右の板の溝に沿った分子はb方向を向き、液晶分子は層内で 90度ねじれた状態になる。さらに、液晶に光を通すと、分子の並ぶ隙間に沿って、光が通ります。図のように分子の配列が90度ねじれている場合には、光も90度ねじれて通っていきます。
・電圧をかけると液晶分子のねじれが解け、光が偏光フィルターで遮られる。
液晶分子に電圧をかけるなどの外からの刺激によって、
電界の方向(電圧の高い方から低い方)にまっすぐに並ぶ性質があります。
電圧をかけたりやめたりすることで、光を遮断したり通したりすることができるのです。
4.液晶分子を電圧で調整し、バックライトをあてることで、映像を表示。
電圧の強さを変えることで、光の量も調節できます。
このような仕組み(液晶素子)をたくさん並べて、後ろからバックライトで光をあてると、映像が表示できます。
5.サンドイッチ構造でカラーを表示する。
カラー表示するには、液晶素子に赤(R)、緑(G)、青(B)の光の三原色のフィルターをつけ、3個1組で1つの点を表現します。
それぞれの色の素子について、光を通す量を調整すれば、任意の色の光を表現できます。これらの点の集まりで映像を表示しているのが、液晶のカラー映像です。
1.偏光フィルター:出入りする光をコントロールする。
2.ガラス基盤:電極部からの電気がほかの部分に漏れないようにする。
3.カラーフィルター:RGBのそれぞれのフィルターをかけ、色を表示する。
4.バックライト:ディスプレイの背後から光を当て、画面を明るくする。モノクロ表示の液晶ディスプレイでは、これの代わりに「反射板」を使い、自然光で見えるようにしてあるものもある。