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初めてオフラインのゲームジャム行ってきたレポ@京都創造ゲームジャム

ゲーム制作者が自由な記事を作るアドベントカレンダー
12/16の記事です!

ゲーム制作にかかわる人が自由な記事を作る Advent Calendar 2024 - Adventar

今年もやってきました、アドベントカレンダーの季節!

何を書こうかなと思案しつつ今年のゲ制を振り返ってみると、
去年以上にリアル系のイベントに顔を出し、
多彩な制作者の皆々様と接する事が出来た1年でした。

その中でも特に自分の中で大きな挑戦だったのが

「実地開催のゲームジャム(ハッカソン)に初参加したこと」です。

というわけで今年を締めくくるアドカレの記事のテーマは、
「オフラインのゲームジャム行ってきたレポ@京都創造ゲームジャム」
です!

ところで、アドカレ企画で当該記事を見た人の中には、
「お前誰やねん」と思っている方もいらっしゃるかと思います。

私は2018年夏からノベルゲームを中心にゲーム制作をしている
きつねのてぶくろ図書館(@FoxMittenLib)】というサークルで
副館長という名の何でも屋さん(作画、スクリプトetc)をしている者です。
半年程度の時間を掛けてゲームを作ることもありますが、
24時間ゲ制等の短時間ゲ制のライブ感をこよなく愛する者でもあります。

動機

今までオンラインのゲームジャム(24時間ゲ制等)に
参加したことはあっても、
実地開催のゲームイベントは
交流会・展示会以外に出たことがありませんでした。

そんな最中、私がゲームジャムに参加するきっかけとなったのは、
秋ごろのKYOTOPLAYROOMに参加した時のアナウンスがきっかけでした。

・京都で「社会課題」をテーマにしたゲームジャムがある。
Kyoto Sozo Game Jam 2024: Games for Good

コロナの影響もあり、オフラインのゲームジャムが減ったこともあり、
興味こそあったものの参加する機会がなかった私にとって、
そのアナウンスは青天の霹靂でした。

ところで私個人には、
創作に取り組むにあたっていつか叶えたい目標があります。
それは「医療トピックをゲームで扱うことができないか」ということです。

あまり表で書くことはないのですが、実は私の大学の専攻は医療系です。
そこで勉強したことや、人生で経験した出来事を通じて、
「ゲームか何かを作って、
医療情報を手に入れる敷居は下げられないだろうか」
と思うようになりました。

今回の京都創造ゲームジャムでは、扱う「社会課題」として7つのテーマを選択することができました。

京都創造ゲームジャム公式HPより

その中に「公衆衛生と安全保障」というものがあり、
これは自分の学んでいる医療分野と重なるものがありました。
そう、今回のゲームジャムは私の目標と重なるトピックを扱う
ハッカソンだったのです。

参加者集め

といっても、やっぱり単身でゲームジャムに行くのは勇気が要ります!
かといって開催日程が(金)~(月)の終日だったこと、
場所が関西だということもあり、
他のサークルメンバーを誘う事ができませんでした!

同様に関心を持ちそうな制作者の方にも何人か声をかけたのですが、
日程や距離の都合で一緒に突撃してくれる方は
見つけることができませんでした。

もう仕方がないので単身凸です。ドキドキです。

締め切り直前のKYOTOPLAYROOMで申し込み済みの人が
何人かを確認するタイミングがあったのですが、
その場で手を上げていたのが3人だったということはわかった上で、
他に誰が手を挙げたのか見えていなかったので、
知り合いいるのかどうかもよくわからない状態での突撃となりました。

申込の際に「担当できる工程」と「一番得意な工程」を
書く欄がありました。
上記の通り、私は3DCG以外は何かしら触った事のある
なんでも屋さんなのですが、
それゆえに一番得意な工程をどれにするかは少し考えました。
結局2Dイラストにして突撃。
でも自分の2Dイラストに特別自信があると胸も張れなくて、
びくびくしてしまいました。

参加者の公募には結構な人数が集まったようで、
結局この「一番得意な工程」を鑑みて抽選がされたみたいです。
後に他の参加者と会話していたところ、
2Dイラストで応募された方があまり見つからなかったので、
この選択は結果オーライだったっぽいです!

余談ですが、今回のゲームジャムは普段制作をしていない方も
「ソーシャルイシュー」というポジションで参加ができました。
実際ゲームを作ることは初めてでも、
社会課題にトライしてみたくて参加したという
参加者の方がいらっしゃいました!
そういうゲームの道以外の声を取り入れた
チーム編成のチームもあったみたい。興味深いですね!

他のゲームジャムでは2Dイラストでの参加が多いみたいなので
不思議な気もしますね!

講義タイムとゲ制タイムがあったよ!

今回の京都創造ゲームジャムの特筆する点としては、
「講義」の時間が全体時間の半部程度とられていた事が挙げられます!
その時間は開催期間の4日間外にも及び、前もって見ておくビデオや、
事前講義のようなものもありました!

事前講義ではスクエニ社の海外支部の取締役の方が
講義してくださったこと、
4日間のゲーム期間の間でも国内外多数のその道のプロ(ゲーム界隈の専門家や社会問題の専門家)の話を聞くことができ、
ゲーム制作のハウツーや扱う社会的トピックについて学習した上でゲーム制作にトライすることができました。

多分他のゲームジャムは「作る」部分に特化していると思うので、今回の京都創造ゲームジャムならではかも。

仲間あつめ

今回のゲームジャムは、あらかじめざっくりといたグループを作った上で
参加されている方もいれば、
私のように単身で、その場でチームを作る事を目的に参加している人もいました。

体感的に学生6:社会人4ぐらい、男女比は男7:女3くらい…?

私は2Dイラストができるという体で参加表明をしたわけですが、
実際のチーム編成時のマッチングの時は
「プランナー」「グラフィッカー」「サウンド」「スクリプタ―」の
どれが担当できるかを示すカードを手にして、
それを見せながらマッチングしました。

複数枚持つこともできたので、私はプランナー以外を持って行動したような覚えがあります。

これは意外だったのですが、今回のチーム編成時、
KYOTOPLAYROOMで挙手を募ったときに手を挙げた人が、たまたま過去に私がKYOTOPLAYROOMでしたゲームのプレゼンを見ていて、
それをきっかけに声をかけてくださりました。
ちょうどその方が募集していたパートが2Dイラストだったこともあり、
絶好のマッチングです。

結果として、今回のゲームジャムでは一番大所帯のグループに所属。

  • プランナー4人(メイン1人、サブ3人)

  • グラフィック3人(2Dイラスト1人、3Dモデリング2人)

  • スクリプタ―1人

  • サウンド1人

の構成で賑やかに制作することになりました。

ネタ出し・プロットづくり

グループを何となく組んでいる道中、もちろんどんなゲームを作るかについてなんとなく話していたのですが、
プログラムの中でも付箋を使ってネタ出しをしている時間がありました。
その中でもメインプランナーの方が思い描いたアイディアが凄く面白く、課題もいろんなものが取り入れられており、
実際にこれが作りたいなと思えるような素敵なものでした。
そのビジョンが早い段階で共有できたこともあって、ネタ出しも結構すいすいと進んでいきました。

アート(グラフィッカー)として制作に参画するということ

普段私はグループで制作しているものの、
自身がサブリーダーということもあり、
普段は制作をしつつ制作のマネジメントをしなければいけませんでした。

もちろん自身で企画を立て、シナリオを書き、作画をし、
曲を通リ、コードを書くということは
各工程に面白さがあり、調節をするやりがいもあります。
しかし同時に自分がアートだけに全力投球をするということは
普段できないことでした。

今回はグループを組むにあたって、
プランナーが4人いるという普段の制作では考えられない人数配分でした。

それすなわち自分がマネージメントをしなくていいこと、
アートに全力投球ができるということでした。

とはいえ、私はアート(2Dイラスト)を担当するにあたって
大きなコンプレックスがありました。

それは自身が器用貧乏であり特化できていないということ、
変な言い方をすれば神絵師ではないということです。

自分の絵にある程度の器用さを持たせることはできるかもしれないですが、絶対的に能力が足りないのではないかという杞憂がありました。
悪く言えば、絵を極められる時間で他の工程に浮気をしていたのです。

それでも自分の一番得意な工程は何かと聞かれると、
強いて言えば幼い頃から描いているイラストなのではないかと思って、
恐る恐る2Dイラスト担当にチェックマークを入れたのを覚えています。

上記の通り、私達はメインプランナーの方が唱えたアイディアに賛同して、そのアイディアを形にすることにしました。

プランナーが4人、アートが4人、スクリプタが1人という人数比は、
おのずと各パートに分かれて作業しがちになってしまう、
つまりひたすらプランナー以外のメンバーが作業をこなすだけに
なってしまうリスク
がありました。

実作業に移り始めた比較的早い段階、
プランナーの皆さんが骨格を固めて行っている最中、
私は試作品用のキャラデザインをひたすら描き起こそうとしていました。

その時にUBISOFTのメンターの方が、
グループのアートのメンバーに声掛けをしてくれました。

要約すると「アートはアートの目線で積極的に意見を言うことが大事」
という内容です。

元々私はグループ製作をしている時に、
何だかんだで思った事は言う方だとは思うのですが、
改めて「思った事は言っていこう」と意識を固めました。

事実、採用されたものもされなかったものもありますが、
意見は数を撃ったと思います。

その時に自分が絵以外を担当したことがあるということ、
他の工程に大なり小なり理解があるということが、
思ったより武器になりました。

特にUnityではないですが、ソースコードを書いたことがあるのは財産です。
何となくプログラミングでできること、できないことの予想ができるということは、スムーズな制作のために一役買いました。

プランナー(マネージャー)がいるということ

今回の制作で普段との一番の違いは、
やはりマネージメントに注力してくれる人がいたということです。

限られた時間の中で成果を出すために、
大量の絵を優先順位をつけて描かなければいけなかったわけですが、
私はこの優先順位をつけるという工程が非常に苦手で、
ついつい欲張ってしまう所があります。

あるいは遠慮してしまって、自分でやらなくてもいいことを自分でやってしまう時もいっぱいあります。

今回本気で助けられたのは、
このあたりの優先順位づけや作業の取捨選択、あるいは委託を
プランナーの皆さんが積極的にやってくれたことでした。

  • 「これを先にやってほしい」「この時間までにこれをやってほしい」等の具体的な指示がある

  • 画資料として多数の写真を用意してもらえる

  • 発した意見を吟味した上で必要な部分を取り入れてもらえる

ということは、
制作する上でこんなにやりやすいんだと非常に感銘を受けました。

お恥ずかしながら、普段マネージメントをすることがあるものの、
本職の人には太刀打ちできないと痛感しました。

私は指揮する側ではないですね。
頭というより手足のほうが性分に合っていると思いました。

自分が手足として輝くことができる有能なブレインたちでした。

完成した成果物やプレゼンを見て

今回、13グループが各々プロトタイプの動画やスライドで
成果プレゼンを行いました。
どのゲームも面白そうで、結果が読めない戦いでした。

その実審査は難航し、大幅に時間を延長していました。

今回のゲームジャムで、
私達の作品は入賞することは残念ながらできませんでした。

しかしその結果が悔しいというのはあまり思いませんでした。
それくらいどの作品も面白そうで、
世の中に発信されてほしいと思うものばかりでした。

正直自分たちのアイディアが劣っていたとも思っていません。
接戦という表現が的確だったんだと思います。

ただしいて言えば、負けたなと思ったのは、
「テーマ・コンセプトのわかりやすさ」だったような気がします。

作ろうと思っていたゲームについての詳細やこだわりポイントは
改めて別の記事にまとめるつもりですが、
たくさんのテーマを内包でき、アプローチができる内容だった半面、
直感的ではありませんでした。

雰囲気や世界観は存分に伝えることができた発表だったと思う反面、
社会にどんなインパクトを与えることができるかという意味で
わかりづらかったのかもしれません。

私たちの旅は終わらない

悔しくなかった理由は上述以外にもあります。
それはプロジェクトが動き出す早い段階で、
メンバー全員で「結果がどうであったとしても、完成させる」
という合意が取れた
ことです。

つまり、入賞による支援金こそ貰えなかったものの、
このプロジェクトは終わらないとわかっていました。
この楽しい時間はこれからも続く、それがたまらなく嬉しかったのです。

今回のチーム編成についてあまり書いていませんでしたが、
メンバーの年齢はかなりばらつきがあり、
上は壮年下は学生までいろんな世代のメンバーが揃っていました。

経験を物語るような落ち着いた指揮をされるメインプランナーの方に対し、
フレッシュな学生さんたちもいて、
嬉しい刺激を受けることができたと思います。

そんな尊敬できる人たちと
これからも作り続けることができる

それが、たまらなく嬉しかったのです。

嬉しい出会い

今回のゲームジャムは、
結果として声をかけてくれたプランナーさんのグループに入り、
領分としては公衆衛生や福祉関連のことや言語習得まで、
幅広いトピックを内包する課題に挑戦することになりました。

一方で、チームを組みこそしなかったものの、
「医療×ゲーム」について思いを馳せている業界の方に
複数出会うことができました。


その方々と私は、
もちろん歩んできたキャリアも違えば得意な事も違い、
コネクションも全く違います。

それでも同じ方向に夢を見ていたことがたまらなく嬉しかったです。

この記事のはじめの方に書きましたが、
私の大学の専攻は医療系であり全くゲームの方面ではありません。

一方で、ゲームのプロで医療にアプローチしたいものの、
アカデミックに医療を勉強したことはないという方々と出会いました。

そういう方の見つめる夢に、
私の経歴や能力は力添えできるのではないかと強く思いました。

つまり、私の夢にぐっと近づくことができたような気がするのです。

おわりに

長くなりましたが、京都創造ゲームジャムに参加して、
普段組むことがない人と組むことや、
同じ目標をみつめる人と出会うことができました。

新鮮なんてものじゃないです。刺激的なんてものじゃないです。
夢のような時間でした。楽しくてしかたがありませんでした。

日本国内では初めての
「ソーシャルインパクトを起こす」というお題のゲームジャムであり
運営の方も手探りな部分が多かったと思います。

それでもその貴重な機会に参画することができたのは、
私にとって財産になったように思います。

X(twitter)では#kyotogamejamのハッシュタグで
皆さんポストされていたので、
興味のある方は是非チェックしてみてください!

この記事では
あまり自分の作品のこだわりポイント等に触れることはできなかったので、
それは近い機会に書きたいです!

京都創造ゲームジャムは非常に変わり種のゲームジャムっぽいので、
他のゲームジャムに参加したときに
拍子抜けしてしまうかもしれないなぁとおもいつつ、
この記事を締めようと思います!

長くなりましたがここまで読んでいただきありがとうございました!]

今回のゲームジャムでの企画はいつかリリースするので、
是非応援よろしくおねがいします!


※※おまけ※※

今年参加させていただいた、別のアドカレ記事は
もっと筋肉!! って感じの内容なので
よろしければこちらもご覧ください!

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