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そして髪の毛は生きているのか死んでいるのか?
今日は「髪の毛って生きているの?死んでいるの?」を少し深掘りしていきましょう。
髪の毛とは何でしょうか?
まず、前回少しおさらいしてみましょう。髪の毛は「ケラチン」という硬いタンパク質でできています。このケラチンは、爪やお肌の表面と同じ成分です。。頭皮の中にある「毛包」という小さな場所で作られ、徐々に外へと押し出されてくるのが髪の毛です。1日に約0.3~0.5ミリほど伸び、1ヶ月でおおよそ1センチくらい。ゆっくりと成長していくものですね。
さて、ここで本題です。髪の毛は「生きている」のか、それとも「死んでいる」のか、どちらなのでしょうか?
実は、髪の毛は死んでいます
結論から申し上げますと、頭皮から外に出ている髪の毛の部分は「死んだ細胞」なんです。驚かれましたか?でも、これは本当のお話です。毛包の中では新しい細胞が分裂して生まれ、それがケラチンに変化しながら固まり、髪の毛として外に押し出されます。この押し出された部分は、もう細胞として活動していない状態なんですね。つまり、生きていないのです。神経も通っていませんし、血液も流れていません。だから、髪を切っても痛みを感じないですし、熱いドライヤーを当てても平気なんですよ。
たとえば、木をイメージしていただければ分かりやすいかもしれません。木の根や幹の中では生きている細胞が活動していますが、表面の樹皮や落ちた葉っぱはもう死んでいますよね。髪の毛もそれに似ています。頭皮の中の毛根は生きていますが、伸びて外に出た髪の毛自体は「死んだ」状態なんです。
毛根は生きています!そこが鍵です
では、髪の毛すべてが死んでいるのかというと、そうではありません。頭皮の中にある「毛根」はしっかりと生きています。ここが髪の毛を作る大切な場所なんですね。毛根には血管が通っていて、血液から栄養を受け取り、新しい細胞を生み出しています。特に毛根の底にある「毛乳頭」という部分が重要で、ここが髪の成長をコントロールしているんです。
ですから、髪の毛が健康に育つかどうかは、毛根がどれだけ元気かで決まります。ストレスや栄養不足、血行不良などで毛根が弱ってしまうと、髪が細くなったり抜けやすくなったりします。髪の毛自体は死んでいても、毛根が生きているからこそ髪は伸び続けるのです。なんとも不思議で面白い仕組みですよね。
「生きている証拠」はあるのでしょうか?
「でも、髪の毛って伸びるじゃないですか。生きているのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。確かに髪は伸びますが、それは毛根が生きていて、新しい細胞を押し出しているからなんです。伸びた髪の毛自体は、もう活動を終えた細胞の集まりなので、「生きている」とは言えないんです。伸びる速さは人によって少し異なりますが、基本的には毛根の健康状態が鍵を握っています。
また、髪が「ツヤツヤしている」とか「パサついている」と感じるのも、生きているかどうかとは別の話です。これは髪の表面にある「キューティクル」という層の状態で決まります。キューティクルも死んだ細胞の一部ですが、水分や油分を保つことでツヤが生まれます。トリートメントでケアするとツヤが戻るのは、キューティクルを整えているからなんですよ。
白髪や抜け毛はどうなるのでしょうか?
ここで少し深掘りしてみましょう。年齢を重ねると白髪が増えますよね。これは毛根の中にある「メラノサイト」という色素を作る細胞が疲れてきて、メラニン色素を作れなくなるためです。メラノサイトが死んでしまうわけではありませんが、活動が弱まってしまいます。毛根自体は生きているので髪は伸びますが、色がつかなくなってしまうんです。これも「髪の毛は死んでいるけれど毛根は生きている」という証拠ですね。
抜け毛についても同じです。毛根が「休憩モード」に入ると、髪が抜けることがあります。これは「成長期」「退行期」「休止期」という髪のサイクルの一部なんですが、詳しいお話はまた別の機会にさせていただきますね。
おわりに
いかがでしたか?髪の毛自体は死んでいるけれど、それを生み出す毛根は生きている。この不思議な関係が、私たちの髪を日々支えているんです。髪の健康は毛根の状態と深く結びついているので、毎日のケアや生活習慣にも気をつけてみてくださいね。