各々の正義(テイルズオブヴェスペリアプレイ感想)

 ガンダムの記事は書いたので次はゲームの感想の記事になる。今回プレイしたゲームはテイルズオブヴェスペリア。ゲームを購入にした動機は幼少時に有名タイトルのJRPGをあまり触れずに育ったため(ポケモン、ドラクエ、デジモンワールド、デジモンストーリー、セブンスドラゴンくらい)。それで時間があったときにJRPGの有名タイトルをそれぞれ1作品はプレイして何が人気なのかというよりも自分がそれを面白いと感じることができるかと働いてた時に疑問に思い至り時間がある時にやってた。
 そういう企画というか目的で買ったゲームは今回のテイルズオブヴェスペリアで3作品目。以前にこの目的でプレイしたのはペルソナ4GとFF1である。前者は面白かったけど2周しないと育成だったり、NPCとの会話が全部できなかったのが不満点であり、後者は古いゲームで容量の都合上仕方ないのだろうがストーリーが殆ど無く何が面白いのかわからなかった。
 そして今作。私個人としての感想としては不満点も無いわけではないが前述に比べて素晴らしいというか己が好きだなと思えた作品である。シナリオが素晴らしいのは後に説明する。まず、スキル割り振りをノーコストでリセットできるのが良いと思った。PSO2や真ガンダム無双、何ならシャニマスをやってたりする身からすればスキルポイントをノーコストでリセットし、割り振り直せる可逆性があるシステムと言うのは目から鱗である。よくわからないまま基礎的なスキルに割り振ってたのをシステムを理解し、もっと応用的なスキルに割り振りたいと思えばいつでもリセットできるのだ。しかし、ここで不満点がある。スキルは武器を使いこむことで手に入れるシステムであること、そして変化術技、いわゆるMP消費スキル技を覚えるためのスキルがあることだ。何が言いたいかというと今装備してる武器よりステータスが低い武器でもスキルを覚えるために買わなければならないという点があるということ、それ故にゲーム内の通貨を消費してしまうこと、武器を使いこんでスキルを習得するのはまだいいが術技を覚えるためにポイントのリソースをそちらに割り振らなければならないことと変化術技を習得させるために主人公以外の使いにくいキャラクターをしばらく操作してその技を使わなければならないことである。
 次に術技、所謂MP消費技は一度覚えてしまえばいつでも、どこでもノーコストで装備できるところだ。ポケモンのような技忘れ爺さんもいらないし、ハートの鱗もいらない。
 またアクションRPGというか格闘RPGというか奥行のある格ゲー(ブリーチヒートザソウルみたいな)な感じな上に4人パーティーなので他の味方にヘイトに向いてる間に攻撃したり、回復アイテムを使ったりできるのが素晴らしいが、逆にイベントバトルでプレイヤー以外いない状態で敵を相手にするときはガードをうまくしないと袋叩きであるところはキツイかもしれない。特に相手が複数の時は攻撃しようとした瞬間別の敵に攻撃されてやられて攻撃キャンセルで袋叩きみたいな感じがかなりキツい。
 他に不満点があるならサブイベントのお使い要素。人にもよるがMMORPGとかでよくあるお使いイベントみたいなのもあるため、それすら面倒でだるいと思う人はあまりお勧めできない所と、素材の集めにくさだろうか。武器や防具を合成するために素材を集めないといけないが、なかなか手に入らなかったり、いわゆるエリートエネミーのギガントモンスターのドロップ率がそんなに高くない上に復活する確率も低く、ギガントモンスター素材が必要な武器防具を合成することは必須でないにしてもとてもだるいところがある。そして、ギガントモンスターで無い素材でも後半はシナリオの都合上行かなくて良いマップだったり、寝て気候を変えたりしないといけないところも人によってはだるいと思う。
 システム、ゲームとしての良かったところ、不満点はこれくらいだろうか。
 次にシナリオ。私がRPGをやる時の一番の目的はシナリオだと思う。システムや難易度も大事ではあるがシナリオ。これが面白くなければRPGとしての価値は無いと言っていいと、私は思う。そもそも今回のゲームはRPGの有名タイトルやるぞというのもあるが、Youtubeの公式のチャンネルでファンタジアとシンフォニアのアニメを見てシナリオ面白そうだからSteamでテイルズシリーズの作品でたら買ってみようと思ったことがきっかけでもある。
 結果プレイしてみて非常に良いシナリオだった。登場するパーティーメンバーが各々の特異的な背景と目的と信条を持ち、時にはパーティー内で衝突があったり離脱したりするがその過程を経て、それぞれが成長していく。そして世界の危機を救う。敵も勧善懲悪なところはもちろんあるが、彼らにも目的や主張があってただ悪いことをしているというキャラクターに収まることが少ない。黒幕もラスボスも同情できる余地がある感じだ。そして、主人公のユーリ。彼は個人的には主人公らしくないキャラクターであり、登場するメンバーの背中を押してくれるキャラクターとして描かれているような気がする。アニメの他タイトルの主人公は割と己の目的を明確に持っている気がする。特にヒロインのエステルに対して、身分上自由に選択することが難しい彼女に対してまず、あなたはどうしたいのか?と問うところや、序盤にジュディスが加入した時に彼女の行動を他の仲間に申告しなかったことなどの気遣いが非常に良い。また、仲間が裏切ったときにすぐに割り切って倒そうとしたり、ラゴウやキュモールなどあの世界の帝国というコミュニティと法で的確に裁けず、再犯の可能性がある敵に対しては法を犯して斬り捨てる冷徹さも兼ね備えているのが良い。アニメで見た感じ他のタイトルでは主人公とヒロインの恋愛描写があった気がするが、このタイトルはそれがほぼ無い。ヒロインのエステルを自分にとって特別な人間として接してくるのは今作ではユーリでは無く、リタだと思う。プレイして思うのはこのゲームのパーティー内の人間関係はユーリは親友とのフレンとの信頼や衝突を描写することが多く、エステルはリタとのリタを主観に置いた芽生えて発展した友情を描写していることが多い気がする。登場人物達の主張の違いやそれによって生じる衝突を階級制度のある帝国と自己責任ではあるが自由なギルドという二つの対照的なコミュニティ、人間、クリティア、エンテレケイアといった異なる種族、世界の歴史などで丁寧に描いており非常に面白い作品だった。
 もし、友人や妹、推しなどに条件などを設定されずお勧めのゲームは無いかと言われたら私が勧めるゲームの一つになるかもしれない。

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