エラい人が外見から入る。プランナーは中身を考える。
受託開発とか、よそから持ち込まれた案件にありがちな事。それはクライアント(パブリッシャーの担当)が「こんな機能入れたいんだよねー」とかるーく言うやつ。
この発言、ほぼ確実に「俺が好きだから入れたい要素」なのである。
なのでプランナーからすると「え?実装する意味は何ですか?」ってな具合になる。
盛り込む仕様には必ず理由が存在する(必要である)
予算と時間と人を使って我々はゲームを作る。無駄なものを作っている時間は無い。そんな時間があるなら本当に必要なもののクオリティを上げるべきだ。
だから作るものや仕様は作るに値する強固な根拠が必要である。「それ本当に必要?だって(競合タイトル)はそんなことしてないよね?」とか「なんか面白く無いんだけど、必要なの?」「企画のコンセプトと合ってないよね?無くしたら?」みたいな各種のツッコミに丁寧に打ち返せないといけない。
ガワだけ真似すると面白くならない
完全なる新規性から成るゲームというもは滅多なことでは出現しない。我々のようなごく普通のゲームプランナーが扱うのは「どこかで見たことあるもの」の組み合わせだったり、「何かを足したり引いたりしたもの」だったり、「オリジナリティのある部分と無い部分の組み合わせ」だったりする。
我々は模倣とは無縁で居られないのだが、形だけを真似するとなんともまぁ中身の無いシロモノになってしまう。必要なのは構造を理解することであり、その構造を利用することである。構造とはシステムではなく、ユーザーを虜にする心理的な仕掛けであり、モチベーションやカタルシスを生み出すゲームプレイそのもののことである。
ゲームプランナーの仕事はある意味心理学
ゲームの商売というのは製品を提供するのではない。「面白さ」「快感」「癒し」「嬉しい楽しい悲しい腹立たしい」「感動」「居心地が良い」等々、遊ぶ人に豊かな感情を提供するものである。
遊ぶ人の心を動かせた時、あるいはその期待感を用意できたとき、我々は対価を頂ける。
偉い人に「こういうガワを入れろ」って言われたらどうするか
意見を覆せないほどの立場の人に言われてしまうとヒラのいちスタッフにできることはほぼ無いので上司に交渉してもらうしかないけど、一応やれることはある。
1.ガワから確固たる根拠を見出す
2.言われていない部分をこちらで考えて真っ当な仕様にまとめる
基本的なシステムは前提だけど、その詳細はこちらに任されている、という場合、中身と目的を考える余地があるのでそこでどうにかしましょう。(いくら考えてもいいアンサーが見つからなかったらきっとそれは入れるべきではない仕様なので戦うしかないですね)
仕事のあり方、進め方の理想と現実はいつも乖離している。これに拘泥しすぎると疲弊してしまうので、理想は理想としてちゃんと目指しつつ、今回はどこまで突っ張るか、みたいなのは考えていたほうがいい。
いつか大物になって「はい、それはこうします!」って周りを納得させられるようになろう。
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