「意見をください」とフィードバック
今日のテーマは「良い問いかけをすると良い答えが返ってくる」というお話です。
ゲームプランナーは仕様を考えるときの悩みが多い。
キャラクターのパラメータのバランスこれでいいのかな?このイラスト魅力的に見えているかな?新しく考えたイベント考えた通りに盛り上がるかな?このイベント報酬、ここで主人公にどんなセリフ喋らせたらいいかな?etc.
自分で見てきたもの、読んてきたもの、経験したこと、知ったこと、想像したもの、自分の中にあるあらゆるものを総動員して「これが正解では!?」というものを導き出す。出せないときもある。
一人でゲームのすべてを作る、という例外を除けば、自分で考えた企画や仕様は同僚や上司の目を一度通過させて内容を精査するほうがクオリティが上がる。そこで言い方は色々あるかもしれないが、
「仕様考えたので意見をください」
とお願いする場面がとても多い。多いのだが、聞き方が雑なのもまた身の回りに多くて勿体ないと感じる。何が雑で勿体ないなのかというと具体性の無いフィードバックの要求をしているので
「曖昧な要求だから曖昧な回答しか得られない」
という当たり前の結果を生んでいるところ。例えば仕様に関する資料なり書類なりを手渡して「見て何かあったら意見ください」と言ったとする。
渡された側はどんな行動を取るだろうか?
資料はナナメ読み。ざっと話の流れくらいは把握してなんとなく違和感がなかったら「いいんじゃない?」と返して終わり。たぶん、これくらいが普通。それじゃ良いフィードバックは得られないし、僕らはいい仕事をしたとは言えない。
だから僕は人に意見を求めるときに、良し悪しのチェックを頼むときは注視して欲しい箇所、考えて欲しい視点を添えておくようにしている。
注視して欲しい箇所は、「ここは自信を持って大丈夫といえるけど、こっちは不安が拭えないので『ちょっと怪しいぞ』という気持ちでよく吟味して欲しい」みたいな「自分でも分かっている要注意ポイント」のこと。
考えて欲しい視点というのは、例えば「運営計画を踏まえると今回の施策はより強力な要素を盛り込むべき」みたいなビジネスの目線とか、「プランナーから見て効率的な仕様でも実装担当者からすると非効率」のような「担当・専門分野の違いから気づく問題点」のこと。
もし「全てを見て、フィードバックがほしい」のであれば先に挙げた2点をみつつ、段階的にレビューするのがいいと思う。大きな方向性の確認から、徐々に細部を、という感じに。
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