生い立ち② 〜葛藤〜
赤ちゃんのころ、バンビのような妖精の夢を
よく見ていた。フワフワと綺麗な森に住むバンビ。
起きたら
もう一度 あの夢を見よう!とすると
続きが見れた。
フワフワのアッタカイ世界。かわいい生き物たち
ずっとこのままでいれたらいいのに。 ーーー
赤ちゃんの頃、眠りから覚めると、母は眉間にシワをよせていた。怒鳴り散らかす毎日。
ごはんの時も怖い・・。おいしくない。
躾をしていたのだろうけど、母には気持ちの余裕がなく、父はまったく育児せずギャンブル三昧で、転勤族のため 母は1人で慣れない土地で育児をし…必死でした。
今ならわかるよ。 お母さんごめんね。
私がもっと良い子なら、、
お母さんは家を出ていかなかったのかな・・。
もっともっと良い子になるから
だから《戻ってきて。》
ーーー 留守番をしていたら訪問者がやってきた。
宗教の勧誘だった。
宗教を知らない9歳のわたしは、素直に話しを聞き
イエス・キリストの話しに興味が湧いた。
神様がいる。
聖書は神様が創造したもの。
『神様、どうか お母さんが幸せに生きていけますように。お母さんが幸せなら一緒に過ごせなくてもいいです。だからどうか幸せになって。』
できれば一緒に暮らしたいけど・・・
聖書のお勉強をしてイエスキリスト様みたいに立派な人になる。
(大人になったら一緒に暮らそうね…。)
年に1.2回、こっそり母と私は会っていた。
「母親に会ったら、お母さんをコロス。」と父から脅されていたので。
ー 3年後、母は 父 いがいの男性と再婚した。ー
『結婚してもいいかな?』
母は一度、その男性に会わせてくれた。
私はその男性が苦手だった。でも母が選んだ人なら…と、本音を押し殺し、つくり笑顔で祝福した。
この頃から、わたしは《嘘が上手になった》。
予想通り、再婚相手は母を不幸にした。
「あんなに祈ったのに。。神様なんていない!!」
中学生になると オウム真理教の事件もあり
父に聖書を捨てられた。
9歳から1人で信仰していた宗教も脱退し、心の行き場をなくしてしまった…。
勧誘してくれた聖書のお姉さんとは とても仲が良かった。
母のように色々教えてくれた。
生理用品も聖書のお姉さんが用意してくれ、お料理やドライブ、遊びにも連れていってくれた。
宗教を脱退するという事は、そのお姉さんとの縁を切るということだった。
つらくて、切なくて、やりきれなかった。。
父が大嫌いだった。 私の夢は「家を出ること」。
小学5年生の頃から決めていた。
早く就職したい。大学は貧乏だし行けない。
(父に行くなと言われて育っている)
「高校は1番学費が安いところで。私立は高いから行くな。公立高校に受からなかったら働け。」
「金が無い。かねがない。…金食い虫が!」
と父に何度も何度も言われていた。陽の当たらないボロボロのアパートで「金が無い」と連呼される 毎日があたり前だった。
野良猫と一緒に 外にいることが幸せだった…。