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変わりゆく街、変わらない思い出
久しぶりに、前に住んでいた街に行った。
用事が終わって、
買い物をするため
いくつかのお店をまわった。
どのお店も住んでいた頃に
よく行っていたお店だ。
新しく学びたいことがあり、
参考書を買うために
本屋さんに行った。
この本屋さんも、当時よく行っていた。
いろんな本を購入させてもらった。
お店の前まで行ったら、シャッターがおりていた。
そこには張り紙があって、
ちょうど昨日で閉店していた。
しばらく来ていなかったとはいえ、
なんだか寂しく、切ない気持ちになった。
本屋さんが入っているビルの
建て替えの都合のようだが、
思い出の場所がひとつなくなってしまった。
今日みたいに新しいことを学びたくなった日も、
好きな作家さんの本が発売された日も、
心がモヤモヤして気分転換に本を買いに行った日も……
いつだって身近で、大切な場所だった。
そんなことを思い出して、
「今までありがとう」
と感謝の気持ちがあふれてきた。
参考書は別の本屋さんで買うことにした。
変わりゆく街や景色。
環境がめまぐるしく変わっても、
心の中に残る思い出や記憶。
生きれば生きるほど、
そういうものが増えていくのだろうと思った。