全力で走る猫
近所を歩いていると
たまに猫を見かける。
誰かのおうちの猫なのか、
そうでないのかは分からない。
歩いている猫もいれば、
くつろいでいる猫もいる。
先日、夜道で走っている猫を見かけた。
暗闇から、こちらの方へ
ものすごいスピードで走ってきた。
「何事!?」と思うくらいに速かった。
私の存在に気づき、
わざわざ足を止めて
こちらの様子をうかがい、
少しするとまた走っていた。
猫について詳しくはない。
何であんなに走っていたのだろうか。
少し気になった。
この都会で、全力で走る猫。
なんだか強い生命力のようなものを感じた。
全力で生きている。
一生懸命走っている。
猫というと、なんとなく
のんびりマイペースで生きるものの
象徴のようになっているから、
猫も走るときは走るんだなぁ
などと思った。
私は、子どもの頃から猫に対して
少し苦手意識がある。
家の庭に侵入する猫や
夜に喧嘩をして騒ぐ猫がいて、
小さい頃にびっくりさせられることが
多かったからだ。
その上、猫アレルギーでもある。
だから、これからもきっと
一緒に暮らしたり
近づいたりすることはないだろう。
だけど、少し疲れていた夜に
少し離れたところで出会った初対面の猫に
少し元気をもらったのである。