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手焼きCDを作って即売会に出た話

 先日ニコニコ超会議2023内で開催されたTHE VOC@ROID 超MASTERにサークル「しれふぁら!」のメンバーとして出店しました。その際、サークルのコンピの他に自分で手焼きのCDを作って持って行ったので、その制作をしながら考えたことを書き留めておこうと思います。裏話として楽しみつつ、CDを作ってみたいDTMerの方々の参考になれば幸いです。

今回出したCD

 今回持って行ったのは4曲入りのEPです。

 昨年末に構想を固め、作詞編曲をして全ての曲のレコーディングが終わったのは4月の最終週。最初の3曲は3月末時点でほとんど完成していたのですが、ギターをリペアに出していたため1曲だけ録り終わらず、ギリギリでなんとか完成に漕ぎ着けました。

CD用マスタリングの難しさ

 ボカロPとしての活動をメインにしていると、作品の完成形は投稿する動画になることがほとんどです。最近のプラットフォームはどこもラウドネスノーマライゼーションが導入されているので、マスタリングをする際は-14LUFS(ニコニコに合わせる場合は-15LUFS)を目安に音圧を設定します。

 CDの場合は他の音源と一緒に収録されるわけではないのである程度自由に音圧を設定できますが、とはいえ通常CDは配信用よりも高い音圧になっています。色々なサイトやサークルのやり方を参考にすると、-8LUFSから-12LUFSくらいにおさめるのが一般的なようです。

 しかし、音圧を上げればダイナミクスは失われ、音割れの危険も出てきます。特に今作は曲中の音量差が大きいシューゲイザーを含むので音量感と繊細さのバランスが難しく、色々と試行錯誤した結果-9LUFSで妥協しました。また、録音時のノイズが引き伸ばされることにも悩まされ、改めて音圧を上げるためには編曲、レコーディング、音作り、ミックスどれも質を落としてはいけないということを実感しました。

ジャケットは絶対に発注したほうがいい

  私はイラストが描けないうえに頼める知り合いもいないので、ビジュアルは全部スマホで撮影したものをどうにか加工して頑張っています。今回のジャケットはGIMPのフィルターを駆使していい感じのやつをつくりました。

うねうねしてるのは新宿のビルです

 正直結構気に入っていたのですが、実際に印刷してみると……

ダイソーに売ってる木の立てるやつ、めっちゃ便利

 家庭用プリンタでやるとどうしてもにじむ上に縞ができてせっかくのデザインもちょっと残念な感じになります。コンビニコピー機やビジネスマン向けの店舗印刷サービスもためしたのですが、これよりはるかににじんでタイトルも読めない悲惨な出来になってしまいました。CDをプレスしてもらってジャケは自分で……というのも考えたことはありましたが、今回の経験からCDの音質が多少良くなるよりもジャケだけ発注したほうが絶対にいいと確信しました。

 ちなみにジャケットを作るにあたって参考にしたのはAbsolute Areaの「帰り道」という作品。未確認フェスティバルの物販で買ったものです。

コピー用紙にCDを置いて両側を折り、片端を差し込みます

 インディーズバンドが時々やる方法なのですが、実はA4用紙一枚を折ると簡単にジャケができます。CDのサイズを考慮した上で正方形のジャケット面、折った裏面にクレジットやSNS、入れたければ内側に歌詞が来るようにデータを作ればあとは印刷するだけです。

 ただ、この方式はサイズが変わるとCDがおさまらないため必ず拡大率100%で印刷しないといけません。家庭用以外のプリンターはたいてい余白が消せないので、その場合は裁断する線も含めたB4サイズの印刷して端を落とせば同じものを作ることができます。ポスター印刷ができる会社なんかに頼めば、CD専用の紙ジャケを発注するより安上がりにできるかもしれません。

即売会でCDを出してみよう……?

 サークルとして即売会の参加ははじめてにもかかわらず、コンピも私のEPも無事完売することができました。自分の作品がものとして形になり、それが実際に人の手に渡っていくのは何にも代えがたい嬉しさがあります。

 ただ、実際買う側として即売会に行くとCDという形態はどうなんだ……?という気持ちもあります。今日音楽を聴くのにCDプレイヤーを使うことはほぼないし、データとしても扱いづらく、素人が手作りしたCDがパッケージとして魅力にあふれているかと言われるとそうでもないのが本当のところです。かといってダウンロードカードだと結構なくしたりするので、いまのところ最適なメディアというのはないような気もします。今後はインディーアーティストがどういう形で音楽を届けると面白くなるのかということも模索していく必要がありそうです。

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Boothでダウンロード版を出したのでよかったらぜひ↓↓↓

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