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自分史 自業自得と時々外されちゃう梯子㉒

この記事は続編です。ここに至る経緯はこちら
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社会人時代編2 ダイジェスト(1660字)


・身の振り方、光射す方向は
・組織の中で働くということ

謎があった。僕が入社する時には居た主任がなぜ、配属になるまでの1か月ほどで転勤になったのか。長年この地を経験し、支えてきた営業所長が突然転勤になったのか。

紐解いていけば、起因する原因が分かった。

簡単に言うと「玉突き人事」だった。

ある支店でうつ病で休職者が出てしまい、それを埋め合わせるために、玉突きのように人を動かす。しかし、上手く行かず移動してきた人間も退職、うつ病+休職コースへ。
その後、復帰した人には何人か会ったが、「人が壊れる」という本当の意味が分かった。挙動不審で人格が変わってしまっている。これ以上でも以下でもない。そんな印象を受けた。

なまじ有能だと評価されていた人間がそうなるのだ。後任はそれなりに実力がないと務まらない。会社として悪循環に陥っていた。企業として業績が右肩上がりなのも原因だろう。マンパワーで押し切ってきた企業なのだ。当たり前だ。そんな理由で地方の営業所にも影響は波及していた。

別に会社自体を非難したいわけではない。ただこのままではいけないと気付き、変わろうとして欲しかった。


僕は新人の事務員さんの教育、営業所の数字、新所長へのこの土地の渡り方や判明している情報の提供を一身に担って働いた。
今思い出してもこの時期が1番きつかった。


結果、僕の悪いところが出る。

馬鹿正直に頑張りすぎる。

前職でも自分を極限まで追い込み、法律で裁かれるまで自分で止めることが出来ない精神状態。とまではいかなかったが、今度は体が悲鳴を上げた。

遠方へ出張予定だったので、時刻は7時。会社から出発。
朝から熱が出ていた。そして、突然の腹痛。近くの病院へ駆け込む。

「うちじゃ多分処置できない。紹介状書くから、大きいとこへ行って」

この時の絶望感は忘れられない。


気付くとまた知らない天井。


倒れたようだ。

だが、今度は自力で病院までは辿り着けたようだ。
成長を見せるじゃないか。
救急車なんて呼んで人に迷惑を掛けたくない。


こんな風にならないようにどこかで上手く力を抜いて、逃げてきたつもりなのにその判断を見誤るとは。

そのまま緊急入院となり、2週間の安静を言い渡された。
しかし、この間も携帯への着信は鳴りやまない。入院する段階では寝返りも打てないほどの痛みだったが、根性で関係各位にメールだけは打った。

入院した午後。新米営業所長が来てくれた。心配させてしまったようだ。
僕は社用車からノートPCとカバンを持ってくるように頼んだが、逆に社用携帯までも没収されてしまった。病院まで乗ってきた社用車まで没収されて、帰りはどうすれば?と思ったが今にして思えば、正しい判断だと思った。

結局、大病ではなく過労が原因だった。聞き慣れない病名で初めは混乱したが、要約するともうちょっとで腹膜炎だったけど、薬で何とかなりそうだよということだった。

1週間の絶食で水以外のものを口にすることを禁止され、体重は5kg落ちた。それからは早く復帰したかったので、無理を言ってスケジュールを早めてもらい、10日で退院することが出来た。病院の方々には感謝しかない。

しかし復帰してからも、働き方自体はあまり変わらず。
仕事に忙殺される日々へ帰ってきただけだった。むしろ溜まった仕事に病院返しされそうだった。周囲も協力的な態度ではあったが、根本的にマンパワーが足りていないのは言わずもがな。

僕は自分自身のスキルが足りないとずっと言い聞かせてきたが、今なら言える。原因はそれだけじゃない。根本を見ないで、身を粉にして働いている現場の人間の努力だけで乗り越えようとしてきた在り方がおかしい企業が多すぎる。僕は経営者ではない。何を勝手なこと言ってと思われるかもしれないが、これが本音なのだ。しばし、ぶちまけさせてほしい。


つづく

~~~マガジンにまとめてみました~~~
自分史 自業自得と時々外されちゃう梯子

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