自分史 自業自得と時々外されちゃう梯子⑫
この記事は続編です。ここに至る経緯はこちら
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社会人時代編ダイジェスト(1000字)
・入社してからのギャップ
・裏切りと退社
世間一般が言うほどの苦労をせず、就職活動を終えてしまった男のその後の人生。
僕が入社した企業は、特殊な企業であった。前記事参照
それは入社前の課題からしても分かった。内定を貰ってから内定式までの間に課せられた課題は二つ。
①指定された書籍を読むこと(漫画:バクマンが郵送されてきた)
②内定者全員で意思疎通を取り、動画を完成させること。(テーマは一人一文字を与えられ、入社への思いを語る)
この時点で普通の企業と違う雰囲気を感じていた。
そして、内定式と新入社員研修が始まった。
期間は1か月。その間は1人1部屋ウィークリーマンションを貸し与えられた。僕は豊島区から毎日通勤することとなった。赤羽駅の前に咲き誇った桜が祝福してくれているように感じているうちは、幸せだった。
研修内容は正直言って、これが何に役に立つか分からないけれど、とにかく楽しいと思えるものだった。世間知らずの僕が1番驚いたのは、事業の一部であるぱちんこに関してだ。同期は100人以上いたがぱちんこをしたことがない人間も多くいるという話から、急遽1人に1万円配られた。100万円以上が一瞬で動く様は、学生には刺激が強すぎた。
そして、驚くことに1人1万円を必ず使い切ることを命じられた。勝てば差額はそのままお小遣いとなり、負けてもいいから経験をしてこいというのだ。加えて、今は給料がなく生活が大変だろうからと一時金で10万円が配られた。 まだ時間通りに出社して座って、楽しいことしかしていないのに。
こんなことあっていいの?
なんて華やかな世界なんだろう。そんな印象だった。
ちょっとした座学がありつつも、とにかく体験をすることに重きを置いた研修で、とにかく夢を見せてくれる会社だった。
そして、短く思えた研修が終了し、配属先が発表された。
営業部への配属。
なんとなくは気付いていた。
僕ら100人以上のうち、2割ほどが本社勤務(俗にいう超高学歴)で会社の中枢を担い、その他8割は現場での勤務(ソルジャー)になると。
それでも、僕がリクルーターに語った新しい分野(旅行、行楽)について、諦めたわけではなかったが、親友社員がいきなり新部署の立ち上げなんて出来るわけないのも承知の上、会社に貢献し、発言力を高めるのもいいだろう。
不本意ではあるがやってやろうじゃないか。
地獄の門がゆっくり開く。
つづく
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