ドミニオン最弱カード列伝③商船

さて、第3回は拡張「海辺」から「商船」を紹介します。

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私自身、初めて見たときは強そうに感じました。金貨より安い5コストでありながら、持続ターンと合わせて金貨より大きい4金を出力します。今回は思ったよりも強くなかったこのカードについて解説したいと思います。

持続カードの方程式

今回の記事を読む前に「一次方程式で考えるドミニオン」をまず読んでいただけると嬉しいです。

あいにくドミニオンには1枚で4金を出力する財宝はないので金貨に密猟者を加える形で表現しましょうか。

商船+村=金貨+密猟者

商船はターミナルアクションなので、財宝と比較する際には村でアクション権の数をそろえておく必要があります。さて、上の式を見ると商船は金貨と比較してなかなか悪くない性能をしているように見えるでしょう。左辺のコストは8で右辺のコストは10です。

ところが持続カードについてその価値を考えるとき、もう少し踏み込んだ考察が必要です。例えば銅貨4枚と商船1枚しかないデッキを考えます。

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ここで商船をプレイして何も買わずにパスしたとします。そうしたら次のターンはどうなるでしょうか?

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このターンには手札に商船はありません。なぜなら場に持続しているからです。前のターンもこのターンも6金です。このデッキでは商船は明らかに2金しか出力していません。金貨+密猟者の場合なら、

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これは毎ターン8金出すことができます。

持続カードは場に残る性質上、デッキシャッフルの時に捨て札になっていないと次の山札に入りません。なので毎ターンシャッフルの入る引ききりデッキでは持続カードは2枚必要です

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これなら毎ターン8金を出すことができます。ここまでをまとめると、引ききりデッキでは下の式が成り立つと考えられます。

商船×2+村=密猟者+金貨

左辺のコストは13、右辺のコストは10で、商船はやや割高と言えるでしょう。さらに言えば、商船は財宝の代わりに過ぎません。村の枚数はサプライによって限度があり、本来それは鍛冶屋のような、財宝にはできないことに使いたいわけです。金貨と性能を争っているようでは厳しいと言わざるを得ません。

ステロ戦術における商船

デッキが分厚ければ、言い換えれば引き切るのに何ターンもかかるようなデッキであれば、商船=密猟者+金貨と言えるかと思います。しかしステロ戦術なら大使館のようなドローカードを使うことをお勧めしたい。ドローカードは山札を引き切るのに必要なターン数を少なくするので、そのドローカードを使える頻度が上がります。金量は金貨や銀貨のような財宝で確保して、それをドローカードで引いてくる形がスマートだといえるでしょう。

まとめ

持続カードは場に残る性質上、シャッフルの頻度が上がるほど出力が下がります。また、商船はどこまで行っても金貨や銀貨の代わりに過ぎない点が弱みと言えるでしょう。

弱いカードは買わなければいいので、大変聡明な読者の方にとって解説は不要かと存じますが、続きが読みたいと思ってくださる方はいいねを押していただけると嬉しいです。執筆のモチベーションになります。



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