しらゆき

19歳にしか書けない文章を

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  • 今日の短歌3首

    週一回ペースで短歌3首を詠んでいます。

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いじめを乗り越えた障がい者の私が、自分を好きになれた話

Ⅰ. はじめに「普通ってなんだろう。」 幾億回も私が思ったことだ。 このnoteを読んでくれたあなたなら、この疑問をどう捉え、どう返すだろうか。 私が答えるならば、それは「わからない」だと、最近ようやく気付いた。 私は今17歳で今年18歳になる高校2年生だ。 あなたは今、18歳で高校2年生?と思ったかもしれない。 「普通」に行けば高校3年生でしょう、と思ったかもしれない。 そう、その「普通」。 普通ってなんだろう。 私が普通という概念に執着するようになった経緯を話

    • 今日の短歌3首『宮沢賢治』

      去り際に 賢治に望みし雪の椀 我も悟るは二十四か 心象を残しし大地を 兄妹で見下ろしているか イーハトーヴを 「天上ノ銀河ニ居リマス」 黒板に残すだろうか 花巻の地の ・ 今日の短歌3首、早くも4本目となりました。 今回の歌は、我が地元岩手の文豪である宮沢賢治と、賢治の妹の宮沢トシに焦点を当てて詠んだ歌になります。偉大なる宮沢賢治の遺した作品世界の魅力を、少しでもこの歌たちから感じて頂ければ幸いです。 今日の歌のテーマは、『宮沢賢治』でした。 この歌たちが、誰かの

      • 【現代詩】金木犀を知らない

        金木犀をまだ知らない、私はまだ知らない 金木犀の香りを、金木犀の色を ファンシーショップの店先で見た香水 金木犀の匂いらしい 私にはまだ、つくりものの匂い 社会をまだ知らない、私はまだ知らない 竦む足、羽ばたけない足、取り残される足  私はまだ、社会を知らない 新聞の見出しで見た情勢 戦争は終わらないらしい 私にはまだ、解り切れない世界 知らなければ何もかもつくりもの  知らなければ未知であること 精神科のオルゴール 夭逝のミュージシャン 昼下がりの教室の汚れ

        • 「【エッセイ】死にたい僕を有名にしてくれ」を投稿しました。 note創作大賞2024、エッセイ部門2本目の投稿になります。 前回投稿した「【短編小説】鳥籠のつくりかた」をお読みになった上で読まれるとより楽しめると思いますのでこちらも是非。

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        • 今日の短歌3首『宮沢賢治』

        • 【現代詩】金木犀を知らない

        • 「【エッセイ】死にたい僕を有名にしてくれ」を投稿しました。 note創作大賞2024、エッセイ部門2本目の投稿になります。 前回投稿した「【短編小説】鳥籠のつくりかた」をお読みになった上で読まれるとより楽しめると思いますのでこちらも是非。

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        • 今日の短歌3首
          4本

        記事

          【エッセイ】死にたい僕を有名にしてくれ

          自撮り。Instagram。インフルエンサー。 ネットアイドル。承認欲求。希死念慮。 世の中には様々な形のいわゆる"推し活"がある。 推し活という名の、崇拝と信仰。 オタク的サブカルチャーに傾倒した10代くらいの少女たちには大抵推しがおり、その推しは多岐にわたる。例えば異性であれば、バンドマンからインターネット上の"歌い手"などの活動者であったりするし、同性であればInstagramなどで自撮りなどを発信しているネットアイドルであったりもする。 特にも同性のネットアイド

          【エッセイ】死にたい僕を有名にしてくれ

          【短編小説】鳥籠のつくりかた

          文学を志す少女3人。わたしたちは、どうやら集団自殺に失敗したようだった。 練炭を焚いて、意識が途切れた山奥の小屋から、いつの間にか古びた洋館のような場所のベッドの上で目が覚めてしまったのだ。3人分、棺のように並んだベッド。猛烈な倦怠感と共にゆっくりと開いた双眸に、これは死後の世界かと錯覚した。 だがどうにも手首から脈拍は感じられて、心臓は動いているようだし、規則的で静かな呼吸もある。 視線をぐるりと見渡すと、生き残ってしまっていることが嫌でもわかってしまった。 一条亜

          【短編小説】鳥籠のつくりかた

          朝凪ヒカリとして、X(Twitter)を始めました! noteの更新報告だけでなく、Xでのみ公開する短歌も続々出す予定なので是非フォローしてください! IDは @asng_hikari です。 どうぞ宜しくお願いします!

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          今日の短歌3首『POLYSICS』

          バイザーとつなぎの姿 鮮やかに貫通してく 視覚聴覚 このシャウト 元気な根暗しか出せぬ 鳴る喉仏 シンセのように 6行で惚れさせてやると言わんとす 彼が鳴らした電話相談 ・ 今日の短歌3首、週1回の更新と言っておきながらもはや週1以上のペースになってきていますが3週目に突入しました。今回はいわゆる"推し短歌"というものを、最近わたしがハマっているバンドのPOLYSICSをテーマに詠んでみました。ファンの方ならすぐ分かるかと思いますが、3首目はPOLYSICSのとある曲

          今日の短歌3首『POLYSICS』

          随想録という名の存在証明書

          随想録という名の存在証明書

          【エッセイ】19歳、恩師を亡くす。体調を崩す。すべてが変わる。

          聞いてください。わたしは今、地獄にいます。 とても緩やかな、絶望の底にいます。 人間のかたちを諦めて、死んでさえしまおうかと思いました。齢19にして何度も心から『死にたい』とは思っていましたが、その具体的な日時やスケジュール、死の手段さえ決めて友人と計画を立ててしまうほどに追い詰められた『死にたい』はこれが初めてでした。しかし、今こうしてわたしがここに文章を書いているということは、その計画は無事と言うべきか頓挫し、生きることを選んだということです。 しかし冒頭でも書いた

          【エッセイ】19歳、恩師を亡くす。体調を崩す。すべてが変わる。

          30首連作歌集『生活は踊る、されど進まず』【歌集本編無料】

          【はじめに】 このnoteはわたしの連作30首の短歌をまとめた歌集、『生活は踊る、されど進まず』になります。(既にマガジン機能で「今日の短歌3首」として発表しているものも6首含みます) 有料記事として表示されてはいますが、本編である歌集部分はすべて無料で読むことができます。 また、野暮ではありますが、記事の最後に今回の歌集の意図、解説を添えてあります。こちらは有料部分となっておりますので、もし歌集部分をお読みになった上でお気に召しましたらぜひご購入をお願いします。今回の歌集

          ¥200

          30首連作歌集『生活は踊る、されど進まず』【歌集本編無料】

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          今日の短歌3首『風呂場』

          からからの風呂場のタイル踏む時の 明日が来るんだと悟る恐ろしさ 首下げる背後の視線 リンスでも、あなたの目だと勘違う夜 髪をただ乾かす時の惰性だけ 洗い流せぬ命の洗濯 ・ 今日の短歌3首、少し早い気もしますが2週目になりました。否応無しにどこまでも生活が続く中で、風呂場にすら踏み入れない日があっても、それも人間です。ヒトの営みは思ったより、難しいのです。そんな気持ちでいます。 今日の歌のテーマは、『風呂場』でした。 この歌たちが、誰かの心の隅っこで生きていられすよ

          今日の短歌3首『風呂場』

          今日の短歌3首 『さよなら』

          人生かそれともまたは品性か さよならに継ぐ語を想う夜 さよならを素直に言えず分解し 戻せなくなった教室の隅 天国とやらに両手をかざす僕 菩提樹のつもり まだ雨は降る ・ 今日から週に3首ほど、短歌を詠み載せていこうと思います。もしかすると気まぐれで投稿頻度が週に1度より多くなる日もあるかもしれません。 今日の歌のテーマは、『さよなら』でした。 この歌たちが、誰かの心の隅っこで生きていられすように。

          今日の短歌3首 『さよなら』

          死別

          大好きな、わたしを救ってくれた人が、亡くなった。1月下旬、突然の交通事故だった。 まだそれを現実だと受け止められていない節があるが、吐き出すために書く。 その人はわたしが通信制高校に転入した3年前に、ちょうど赴任してきた先生。そしてわたしが所属する軽音楽部の顧問。 これまでの人生で、わたしは学校と教師という概念に良い思い出を持っていなかった。それどころか教師に虐げられ、傷つけられた経験しかなかった。 「もう教師なんて誰も信じない」。 そう決めて、学校では心を閉ざして

          18歳最後の夜、それでもNUMBER GIRLに帰依する

          一年に一回、誕生日前夜につらつら感情とNUMBER GIRLへの想いを書き綴るわたしの謎の企画もついに3回目を迎えた。 17歳最後の夜に思いつきで始めたnote。 記事にコメントやいいねを頂くことも多々あり、日々それらの反響に有難く思いながらわたしは胸を暖めている(すべて目を通させて頂いています、本当にありがとうございます)。 さて、今日は18歳最後の夜である。 18歳。振り返ってみれば、一応のこと法の上では成人になったものの、初めて選挙に期日前投票しに行ったことくらいし

          18歳最後の夜、それでもNUMBER GIRLに帰依する

          17歳最後の日に聴くNUMBER GIRLと、私の世界終末時計。

          2022/11/17。私の誕生日前夜。 そして私のnote初投稿から1年である。 1年前の今日、初めてnoteに投稿したのもナンバガの話だったっけなあ、と思い返す。 1年前の私は、「またひとつ、若さと青さを棄ててしまうんだなあ」とか、一丁前に偉そうなことを書いていたような気がする。 まあ、表現が少し壮大なだけで言っていることは間違いではないんだけれど、少しだけ恥ずかしくなる。 明日にはもう18歳になってしまう。 子供ではなくなる日も近くなる。 NUMBER GI

          17歳最後の日に聴くNUMBER GIRLと、私の世界終末時計。