作詞① 『透明と、さよならを。』
『透明と、さよならを。』
ずっと吸って、吐いての すえたサイクル
それで十分かい? 気づけば僕は腐り
いつかの愛読書は 脳無しには読めない
眼が滑って 溢れ落ちて
魅せられていたすべて 乾いたようにみえた
教えて かつての僕よ
何を愛して、何に沸いていたの? もうわからない
教えて 教えて 教えてよ
助けて
この虚しさ 自分と向き合わなかった君のせいだ
助けて 助けて 助けてよ
冷笑に捧げた十代の 恥から逃げた恥知らず
張りぼての自信といい加減な知識で
満たされたはずの瓶は いつの間にか砕け散った
直したくても直らない
歩道からハミ出て、 獣道から逃げて、
望まずともココに来てしまった
帰りたくても帰れない
逃げるな かつての僕よ
スモークガラス越しの脳に見えた 暴れる微生物
逃げるな 逃げるな 逃げるなよ
見ろよ かつての僕よ
食いつくされて残る 穴だらけでボロボロの透明
見ろよ 見ろよ 目を逸らすな
優しい人がくれた「生きてるだけでスバラシイ」
間違いじゃない 彼だってそう思ってた
ただただ甘いその毒で
傷つくことなく 気づくことなく
緩やかに 穏やかに 死んでいっただけ
さようなら かつての僕よ
彼はもうどこにもいない 二度と会うことはない
彼の記憶だけ持ってって
透明なりにやってくさ
僕がこれから出会うのは 誰も知らない色だろう
了
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