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1着ずつつくる、にこだわる

cicachanのお洋服は基本的に受注生産。注文を受けてから生地を手配して、縫製を開始します。

そのためお客様の手元に届くのは3週間から1か月かかります。一部在庫を販売しているワンピースもありますが、多くの商品は受注生産です。

ハンドメイドから始まった形をそのままに

cicachanはハンドメイドブランドとして始まっており、その時はデザイナーが注文が入ってから1着1着つくっていました。

今は全国津々浦々の職人さんに縫製を依頼していますが、大量に発注するのではなく、個々、非常に小ロットでの生産をしています。

受注生産はお客様をお待たせする上に、縫製者の方には都度の発注になるので手間もかかります。それでも1着ずつ(時には十数着単位になりますが)非常に小ロットの生産にこだわっているのは、注文して下さった一人一人に向けてお届けしたい、という気持ちが大きいからです。

とにかく無駄なことをしたくない

これはデザイナーである私個人の性格なのですが、とにかく無駄なコト、モノが嫌いです。

これをいうとチャキチャキしている人間に思われがちですが、自分にとって無駄だなあと思うものはすぐに省きたいという志向が強いだけで、だらだらする時間も、自分にとって必要であれば延々と時間を費やすこともあります。

わたしにとって、誰も着ない服を作る、ということは非常に「無駄」なことです。

多く生産した方がコスト的にも時間的にも効率的な場合が多いですが、その過程で「誰も着ない服」が1着でも出てきてしまうと、それは私にとっての無駄なのです。必要の無い服なんて、この世に1着だって表れてほしくない。

1着でも10着でもコストはそんなに変わらない

多く生産して、縫製などのコストを下げた方がお洋服の販売価格も下がるのではないの?という疑問を頂戴することがあります。

個別生産(オートクチュール)と大量生産を比較した場合、間違いなくそうなのですが、それはロットが100着を超えたときの話。数十着であれば1,2着を縫製する場合とあまり工賃は変わりません。

国内の縫製職人さんたちは個人や親族、少人数で経営している工場さんも多く、その場合、そもそも大量の発注を受けることができないのです。

cicachanは残念ながらまだ1型につき100着を安易に生産できるほどではなく、大きな工場に依頼する機会があまりありません。ただ、小さくてもきめ細やかな対応をしてくださる工場さんとお付き合いできているからこそ、着丈の調整などのオーダーを受けることができています。

楽しみにしてくれる人へ

cicachanを始めたころは、「3週間も納期を待ってくれるお客様なんているのだろうか…」と正直、不安でした。だって自分だってかわいいお洋服を見つけたら、すぐにそれを手に取って着てお出かけしたいです。

でもその不安とは裏腹に、本当に多くのお客様が注文してくださり、そのあとのやり取りで「到着するまでの間、とても楽しみにしています。」というコメントをくださいました。

お客様のこういった一言一言が自信に繋がって、たとえ時間をかけたとしても、きちんと良い物を届けよう。そうすればきっと皆さまの期待に応えることができる。みなさまに喜んでもらえる、と確信しました。

更にその過程では「誰も着ない服」は生まない。絶対誰かに着てもらえる服だからより丁寧に検品をして、丁寧に梱包をして、想いを持って発送する。在庫も無いのでセールもしない。だから買ってくれたお客様も失望させない。

少量生産で想いをつなげる

長々と「1着ずつ」へのこだわりを書いてしまいましたが、一番大事なのは想いを無駄にしないこと。誰かが作ってくれたものを無駄にしない、その当たり前をなんとなく、服でも実現したい。

作り手の想いを受け取って、気持ち良く、長く着ていただきたいから、cicachanで出来上がった1着1着にはいつも「いっぱい着てもらえるといいね」という気持ちを込めて、発送しています。


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