夏に夏の映画でも見るか…という話

お題4本目である。

#夏に観たい映画

これは『サマータイムマシンブルース』を挙げたい。
劇団『ヨーロッパ企画』の舞台を基に本広克行監督が映画化したものだ。

『ヨーロッパ企画』さんの公式を見たら舞台のDVDが出ていた。↓


SFコメディなのだがSF要素は「タイムマシンが出てくる」くらいしかない。コメディと言いつつその要素も控えめである。クスッとするより「ンフフ」となる。
映画は、舞台の台本をそのまま使っているようで少し冗長気味ではあるが、それがまた若者のダルっとした夏休み感をよく出しているようにも思う。
大人になって、誰かの世話をする年代になってしまった私から見ると、この映画の「自分のことしか考えなくていい」若さが尊く映る。
ストーリーは雑に言えば「大学のSF研究会の面々が、壊れる前のクーラーのリモコンを昨日に撮りに行く」話である。
タイムマシンなんて大それたものを出しておいて壮大さも夢もない使い方をする。しかもSF研究会のメンバーが、である。SF研究してるならもっとあったろう、使い道が。ないのか、まぁ確かにやる気なさそうだもんな。

そのあたりを見せるキャスティングの妙も抜群である。
『ヨーロッパ企画』の役者さんたちが出ているのがそもそも嬉しい。舞台役者さんなのに映像作品で見てもそこまで芝居が浮いてないのにびっくりした記憶がある。永山瑛太氏ら『ヨーロッパ企画』以外の役者さんの演技がそっち寄りだからだろうか。そして若かりし頃のムロツヨシ氏が今からは想像できないほどアクのない演技で出演している。佐々木蔵之介氏はずっと演技が上手い。なんの役で見てもちょうどいいのはすごい。
あとみんな若い。もう20年くらい前の作品だからそりゃそうか。

この作品はDVDをレンタルしてクーラーのきいた部屋で2Lペットボトルのお茶に汗かかせながら座布団を二つ折りしたものを枕にして、床に寝転びながら見たい。なんせ真夏のグランドでキャッチボールしているところから始まる。そんな作品はゴロゴロ見るに限る。直に床に転がって、鑑賞後に肩が痛くなるまでがセットである。

記憶を掘り起こして書いてみたが私も随分前に見たっきりなのでもう一度見ようかと思う。書いといてアレだが記憶違いもありそうな気がするし。

登場人物たちと同年代のうちに見るのもいいが、その親くらいになった今はまた面白さが違うかもしれない。

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高矢 色
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