もう少しGRCの供給増やしていただいて…という話

静岡キャッツが開幕した。メディアでたくさん取り上げてくれているので嬉しい。
キャッツなんてどこでナンボ見てもええもんですから私も見に行きたい。本当に見たい。定期的に摂取したい。もう手っ取り早く劇場に住みたい。音楽の天使や決闘代理人になったりすれば叶うだろうか。なれるかそんなもん。

さて本題である。
言いたいことはタイトルに全て書いてしまったが、ランパスキャットのナンバーが2018年から追加された。
歴史的大改変!というアナウンスが随所でされ、マンカストラップの仕事を増やし、鳴物入りで登場したあのグレート・ランパスキャットのナンバーだが、そのわりにあまりフューチャーされていないように思う。

曲調がガラッと変わった小泥棒はパンフを見てもお稽古写真を見ても何かの特集でもよく見かける。二匹はよく動くし可愛いからそりゃあ見せたい。画がいい。

後半の音が抜けてメロウになる部分がシレッと変わった鉄道猫のナンバーも当たり前のようによく目にする。キャッツといえばゴミで汽車を作るあのシーンが印象的だし、24匹の猫の中で一番話が通じそうなのがスキンブルシャンクスだから(※考察の余地あり)そりゃあプロモーションには欠かせない。画がいい。

ソロで歌う場所が全て無くなり全ミストフェリーズファンを愕然とさせたマジック猫のナンバーもそこかしこでお目にかかる。静岡で発売のグッズなどミストフェリーズ関連がとても多い。偉い人にファンがいるのかと勘繰るレベルだ。
しかしなんてったってグレートマジシャンなのだ。ラストのターンも印象的だからそりゃあいくらでも前面に出す。画がいい。

タップ部分の曲が変わったおばさん猫もパンフレットなど見れば多くのページが割かれている。あのナンバーはとにかく明るいし、日本初演から共に歩んできた絨毯コートが使われるナンバーだから色々な場所で引用される。またジエニエニドッツがオレンジ色で可愛い。画がいい。

じゃあグレート・ランパスキャットはどうなんだ、という話である。

改変、変更どころの話ではない、初演のみの登場で消えてしまった幻のナンバーの復活である。オリジナルキャストCDにすら収録されていない。キャッツ3000回公演記念写真集にもワンキャンシーンがひとつ掲載されているだけである。幻が過ぎる。
そんな昭和の幻がこの令和の時代に蘇ったのだ、もっと大騒ぎしてもいいのではないだろうか?黙ったまんまで大騒ぎ、暑い時には焚き火していいのではないだろうか。いや焚き火はしなくていい。
彼に出オチの感があることは承知している。このナンバーの直前まで白黒のシックなカラーリングでしなやかに舞台にいるランパスキャットが突然青くて筋骨隆々の出立でスモークの演出と共に現れるんだからそれはもう出オチであろう。ギャップによる驚きは大きい。
頭には帽子だか羽飾りだか分からない謎の被り物、目にはサングラスだかゴーグルだか分からない謎のメガネ、体と同色の青いマント、胸にRの文字。明らかに野生そのままの姿ではない。なんかの夢なの?よく見ると爪が長いのも芸が細かくて気になる。それで涼しい顔して踊って大見得を切って去っていくんだからやはりなんかの夢なのかもしれない。

前演出観劇済で今回初めてこのナンバーを見た友人は幕間に「まだランパスが消化できてない…」と頭を抱えていた。まぁそうだろう。私も初見はそうだった。狐につままれたようなナンバーだよな、と思う。

が、しかし。

今の私はもう脳細胞があのランパスキャットを求めている。なんならあのランパスキャットを見に劇場に足を運ぶまである…というのはちょっと言い過ぎではあるが、あの青いランパスキャットを見たい気持ちはとても強い。
なのに、パンフを見ても、プロモーション映像を見ても、あのランパスキャットの供給は少なすぎないだろうか?ナンバー復活からもう5年である。そろそろ本格的にあのナンバーをフューチャーしてくれないだろうか?

見どころはたくさんあると思う。というか見どころしかない。登場シーンも面白…もとい、印象的だし、よく分からな…独特な扮装でマントを翻して綺麗なバレエを踊るところも最高である。特に足をぴょこぴょこするところはとても可愛い。
そして上手でめっちゃカッコつけて大見得を切り去っていくのだ。画がいい。
バグパイプを吹きながら登場したタガーをシャー!と威嚇するところなどプロモーションにうってつけだと思うのだがどうだろうか。

グッズも色々考えられる。ぬいぐるみが出たら絶対買う。ランパスキャットが飛び出すグリーティングカードとかどうだろうか。需要は全く思い浮かばないが。あの謎マント風ハンカチとかどうだろうか?まぁただの青い布なのであるが。ミストフェリーズであれだけグッズが出ているのだから、ひと枠くらいランパスキャットに回してくれても良いのではないだろうか?向こうがグレート・マジシャンならこっちはグレート・ランパスキャットだ。肩書きだって劣ってない。

と、ごちゃごちゃ話したが、ひとことで言えば「ランパスキャットが好き」ということである。

余談だがランパスキャット登場シーンは「ヒェー」「ヒャァァァ」と猫たちが声を出して驚くバージョンとみんな固唾を呑んで見守っているバージョンを見たが声出しバージョンはいつ見ても「…フフッ」と席で笑ってしまう。


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高矢 色
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