青鹿

1970年代生まれ@東京。

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005 誰も頼まないメニュー

「これ、何て読むんですか?」 10代の終わりにバイト先の居酒屋で、わたしは無知をさらしていた。 聞いたことはあるけれど、一度も我が家の食卓には登場したことがない。 どちらかといえば食べ物よりも医薬品の印象が強くて、色も形も知らない謎の食べ物。 それは、2ヶ月ごとに変わる「季節のおすすめメニュー」に載っていた。 読み方は確認したから、OK。 お客さんに聞かれたとき用に、説明の口上も覚えた。 準備万端。 あとは、お客さんが注文してくれれば、アレが何なのかがわかる。 しかし。

    • 004 ぴかぴかな女の子は菜箸を握る 『わたしを空腹にしないほうがいい』くどうれいん

      今日は本のお話です。 薄い文庫本。 ザラッとした紙の手触りは文房具好きの心をくすぐる。 わたしを空腹にしないほうがいい 東北在住の若き歌人・くどうれいんさん。 れいんちゃん(ちゃん付けで呼ぶことをどうか許してほしい)は、かわいい。 どうして20代にもなってそんなにあどけない顔でいられるのか。 赤ちゃんみたいな、見る人を幸せにする笑顔で笑えるのか。 もし学生時代に同級生だったら、絶対仲良くなれなかったタイプ。 身を焼き尽くして灰になるほど、わたしは彼女の存在に嫉妬し

      • 003 キャッシュレス時代のお財布はギラギラと光る

        お財布から、お金が減らない。 銀行口座は出たり入ったりしているけれど、お財布からお金を出す機会が本当に少なくなった。 だいぶ出遅れていると思うけれど、今年の始めからいくつか何ちゃらPayを使い出したら、まぁ便利。 いままでどこでお金使ってたっけ、と思うくらいお札を出す機会が減った。 お財布の代わりにスマホを出すけど、もらったレシートはお財布にしまうしかなくて、結局お財布はまだ必要。 でももう少し、身軽になれたら。 ということで、新しいお財布を買ってみた。 大好きなシル

        • 002 こってり胡麻冷や麦

          蒸し蒸しする。 あまり冷たい食べ物を好まないわたしでも、ツルッと冷たい麺に想いをはせてしまう。 実家では冷や麦よりはそうめんで、そうめんは常に単品で食べる夏のさっぱり手抜き料理だった。 大人になってからそうめんに天ぷらを合わせるご家庭が多くあると知り、恐怖でしかない。 グラグラと大鍋でお湯を沸かすのでさえ暑くてうんざりなのに、その横で揚げ物をするなんて…! そんな甲斐性はないです、と思ってしまうが甲斐性ってなんだ。 そうめん&めんつゆ一辺倒の実家時代から、麺は夫の好みで冷

        • 005 誰も頼まないメニュー

        • 004 ぴかぴかな女の子は菜箸を握る 『わたしを空腹にしないほうがいい』くどうれいん

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        • season2
          3本

        記事

          001 スイカを食べるなら、今だ

          いま、スイカを食べなくては! 唐突に沸き上がった衝動に身を任せ、スーパーへ向かった。 ちょうどその日は小玉スイカが特売になっていて、税抜き498円。 白い網に半身を包まれたものを連れて帰った。 もう少ししたら、桃が届く。 義両親が生産農家なので、箱で来る。 枝をまたいで大きくなったせいで実に溝がついてしまったもの。 少しだけ茶色く傷がついているもの。 出荷ルートにはのせられなくても、皮をむいてしまえばみんなピカピカツヤツヤのおいしい子。 毎日大きな桃を1つ丸々食べていると

          001 スイカを食べるなら、今だ

          ごぶさたです。 少し時間ができたので、再起動。

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