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食と芸術の関係
フードアナリスト検定の課題
「ご自身が「食と芸術・文化」にまつわる経験や感想について、640字以上800字以内にまとめて下さい」
デートで山道を登りながらこう考えた。食と芸術の関係について、800字以内で考察する。
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食は芸術となりうるのだろうか。
例えば、ハイエンドなフレンチレストランでのコース。
蓋を開けたら煙が出てくる前菜、旬の野菜とソースで彩られたメイン料理、クリームやペストリーの層に金箔がかかったデザート。これらはまず、お皿を目で楽しむものであり、コース全体を通して1つのストーリーになる。
食事を終えてレストランを出た私達はこの一連の体験を芸術的だと感じるだろう。
一方、日々の食卓や頻繁に通うチェーン店の食事を、私達は芸術と感じることはないだろう。
同じ食でも芸術であるかどうかの感じ方に違いがあるようである。
では、芸術と呼べるには何が必要なのだろうか。
ここでは芸術に不可欠な性質として2点挙げたい。
すなわち、非日常性と審美性である。
芸術には非日常性、言い換えると驚きや発見が伴う。
同じうどんであっても、チェーン店のうどんはたとえ違う場所で食べても多かれ少なかれ味が想像出来てしまう。
一方、ミシュランの和食店で小さな器に盛られて出てきた数本のうどんには驚きがあり、やはり特別な感情が生まれる。
この非日常性こそ食を芸術たらしめる要素に違いない。
それから、見慣れない食材を使っても、器に無造作に入れられた料理を芸術と感じない。
一方で、料理の雰囲気に合うお皿に品よく盛り付けられた料理は、味以外でも表現するものがあり、食べる前から人の心を惹き付ける。
芸術には非日常性だけでなく、審美性も必要なのである。
したがって、食と芸術は拮抗関係にある。
食は1日3食訪れる極めて日常的なものであり、味や栄養面を追求するという意味で、審美性の対局にある実用性に近いところに意味を持つ。
一方で、場面によっては、非日常性と審美性を兼ね揃え、芸術となりうる
食と芸術の両者の関係は思ったより奥深かった。