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魂が震える映画に出会いました

ーーー『くじらびと』作品概要ーーーーーーーー
2021年  監督石川梵
命を賭けてモリ一本で巨大なマッコウクジラに挑む、インドネシア・ラマレラ村の人々。 壮絶な狩りの背景には、400年に渡り命を繋いできた鯨と人間の魂の物語があった。
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くじらびと。

たまたまnoteか何かで知って気になって田端にあるcinemachupkiに足を運んで観てみました。

こんなにも、「生きる」ということを考えさせられる映画は初めてだった。
こんなにも、無条件に泣いた映画は初めてだった。

ストーリーに泣くのではない。映像から溢れんばかりに伝わる、「生きる」という営み、それ自体に魂が揺さぶられる感覚。


この物質社会にはない、「命のありかた」がそこにはあった。自然と繋がって生きているということがどういうことかを教えてくれた。

鯨漁と暮らし。先祖代々受け継がれてきた伝統、掟、習わし。鯨船(テナ)に宿る魂。

そんなものなんて、と現代社会は切って捨てる。
見えないものより見えてるものにすがって生きている。見えてるものだけで身の回りを固めて安心しようとする。

命や魂が震える生き方を私たちはしているだろうか。

人間として、人間らしく、生きているのだろうか。

人生を、心の奥底から湧いてくる情熱とともに過ごせているだろうか。

この与えられた時間を、私らしく、ちゃんと味わうことができているだろうか。


そんなことを考えさせられた。これまで観た映画の中で間違いなく、最も観てよかったと思えた映画だった。これまでの人生の中で最も記憶に残る映画だった。そして、最も愛すべき映画となった。


SDGsと世間や企業は叫び、今や環境に良いという言葉はコマーシャルやネットの世界で飛び交うトレンドワードに。

地球に優しいとかいう言葉で隠されてしまっているけど、本当に大切なことって、人間は自然なしには生きていけないと実感し、一つ一つに感謝して生きることではないだろうか。

自然を管理できるというその驕りが、この狂想曲を生み出しているのだろう。


人間のあり方を見直すべきときがそろそろ来そうだ。

とにかく、みんなに観てほしい映画。映像美も音も素晴らしいのでぜひ映画館で。田端のシネマチュプキと、埼玉の方ではまだ上映予定ありそうです。




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