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筆者の気分次第で不定期に増える、シリーズ外の一話完結型の短編SSです。
終章までに梅林サイドで起きた出来事を綴った前日譚。多分かなりゆっくりの更新になります。※あくまで筆者の幻覚(二次創作)です。対戦よろしくお願いします。
お正月にノリと勢いで書いたやつ。 話の舞台のベースがどこかのお正月番組企画に似てるとか似てないとか。
「最近、この更衣室の匂いが変わった気がします!」 8月半ばの夕暮れ時。 不意に、とある女子更衣室内に墨之宮はつかの声が響き渡った。 「なんて言うか、すごく雌の匂いがするっていうか⋯」 「突然どうしたんだぞ、はつか。何を言ってるか全然意味がわからないんだぞ」 ここは中国総督府1階西の女子更衣室。日本奪還後、はつかが中国地方総督となり、程なくして総督府には新帝国劇場の支部が併設された。それに伴って、使用頻度の少なかった庁舎の一部は、劇場を使用するキャストやスタッフ用の部屋へ
どうも。 前話から2ヶ月も空いてしまい申し訳ありません。 今回は、第三章に入ったことで登場した新キャラ2人のプロフィールとプラスαを少しばかり。 輝々モモ 血液型:B型 誕生日:1994年9月22日 年齢:16歳 身長/体重:165cm/49.1kg 桃色の髪と両サイドのお団子が特徴的なハイテンションギャル。 N12であり、流行の最前線を走るトップギャルでもある、気分テンカに憧れてB.L.A.C.K.の門を叩いた。 ギャル特有の不遜な言動がトラブルを招くことも
第三章第一話 空く腹、満ちぬ器 『続きまして速報です。本日午前9時頃、長野県の霊力塔、上伊那ベースメントタワーの点検作業員の報告により、タワーが何者かによって襲撃を受けたことが明らかになりました。中部総督府は周辺地域一帯の警戒レベルを引き上げるとともに、反政府組織との関連性を⋯⋯』 「バイリン殿の言ってた通りになりましたな」 若干のノイズ混じりに、車内のラジオから流れてくるニュース速報は、先日、梅林たちが霊力塔に残した痕跡に関する内容を報じていた。 「そうだな。これで少し
記録ニ.九七五 求めるは、強き異彩の輝き 「ふむふむ⋯流石は政府の最高技術者殿。中々良く組めているじゃないか。だが廃棄予定の無人機だったからといって、ブラックボックスがおざなりなのは少々いただけないところだな⋯」 暗闇の中。モニターの光だけが光源となっている部屋の一角で、マウスホイールを弾きながら少女が呟く。 「コマンドに無駄な場所が所々あるな。バイリンには悪いが、最適化には少々時間がかかりそうだ」 そしてカタカタと軽快にキーボードを叩き、少女は解析したプログラムをより
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ⋯⋯⋯⋯⋯ 太正103年1月1日。元日。 今年も異様な緊迫感が会場を包んでいた。 その原因となっているのは他でもないこの女、最明クルミである。 昨年、鷲羽もえみの『動物さんチーム』に敗北を喫し、一流芸能人の座を逃したクルミは、今年の格付けチェックに並々ならぬ闘志を燃やしていた。 「で、なんで鷲羽もえみはここに居ないワケ?」 だが、クルミのお目当てである仇敵、鷲羽もえみの姿は会場に見当たらなかった。 「そこのムッツリ総督巫女!アンタなんか知って
どうも。 土台ミスったらその後に響くからと、先々のものも含めて見直しとか細かい修正をモタモタやってたらいつの間にか前話から1ヶ月以上経ち、終いには大晦日になってしまいました。 時が経つのは早いですね⋯(どちらかと言うと自分の筆が遅いだけ) そうしてお出しした今話は、完全オリジナル要素をがっつり入れた内容となりましたが、皆様いかがでしたでしょうか? 今まではゲーム本編を踏襲ないし拡大解釈したものに留めていましたが、今回は新派閥に新キャラに新装備にと、本編が続いていても
第二章第五話 新たなる黒翼 地下霊力塔への潜入作戦から丸1日が過ぎ、あおの両親との約束から今日で5日が経った。 先日の疲労から回復した梅林たちは、身支度を整え、彼らの返事を聞きに霧ヶ峰家へと向かった。 (いくつか説得の材料は用意してきたが、果たしてそれで折れてくれるかどうか⋯) いくら合理性や必要性を説いても、子を危険に晒したくないというのが親の性というもの。 特に、先日の母親のあいの様子からして、説得にはかなり骨が折れるだろうと梅林は踏んでいた。 やがて霧ヶ峰家
どうも。 今回は第二章のボスとして出したリヴァイアサンの兄弟機+αくらいしか開示するものがないのでかなり短めですが、ご了承ください。 前置きで話すようなこともあまりないので、早速行くとしましょうか。 リヴァイアサンー試作機・乙型ー 無人機として開発されたリヴァイアサンの試作機。 兄弟機の甲型は、有人機である梅林のリヴァイアサンのことである。 性能自体は甲型と大きな差はないが、この機体の欠陥は、与えられた命令の遂行に際して周囲への被害を考慮しないことにある。故に、
第二章第四話 夜明けのち晴れ 上階から食料を取ってきた3人は、霊子ドレスを脱いで、ダラダラと飲み食いと雑談をしながら、梅林がセキュリティルームから出てくるのを待っていた。 「ばいちゃん遅いねー」 「でもこういうのって時間かかるんじゃないすかね?」 「かもね⋯⋯じゃあアタシ、ちょっと見てくるニャ」 かしえは立ち上がり、セキュリティルームの扉を開けて、様々な電子機器類が立ち並ぶ室内を進んでいく。 かしえの視線の先、部屋の最奥、塔の中央部を見渡せる窓際の席に梅林の姿があった
どうも。 今回から私が作った設定がモリモリ話に入ってくることが多くなると思います(というか入れないと話の材料が足りない)ので、これからここで書く内容は、作中では文が間延びしないように省略した部分、特に霊子ドレスや乙女たちの能力を多く書くことになると思います。 では早速どうぞ。 上伊那タワー 正式名称は【上伊那ベースメントタワー】。 (ベースメントは“地下”という意味) 木曽山脈の北端、経ヶ岳の地下に構える霊力塔。 塔内へは上伊那郡辰野町内の山中に設置された5ヶ所
第二章第三話 夜の帳は未だ深く 上伊那タワーに足を踏み入れた一行の前に広がっていたのは、壁、床、天井が全てが白で構成された無機質な通路だった。 物資搬入口に相応しく、通路の横幅は相応の広さがあるが、通路自体は一本道で、十数メートル先の突き当たりには貨物エレベーターがあるのみだ。 「とりあえずボタンを押すニャ」 エレベーター前に着くと、かしえはごく自然な流れでエレベーターの開閉ボタンを押そうとした。 「待て」 が、梅林はそれを制止した。 「搬入口を開けた時にこのフロア
お久しぶりです。 と言っても、先月誕生日SSを一周し終えるまではちょくちょくお話を出していたので、それを見てくれていた人にとっては全然お久しぶりではないかもしれません。 さて、通例で補足と題を打っておりますが、今回は特に深く語ることはないので、どちらかと言うとあとがきのような感じです。 なので、『更新が半年越しになってすんません!』って言う場が欲しかったのがメインまであります。 本当に遅れに遅れてしまって申し訳ありません。 7月上旬にメイサ&セイラのSSを書き終え
太正100年7月11日。 帝国華撃団によって日本奪還が成されてから幾許かの時が経ち、日本は再び復興への道を歩み出していた。 未だ先の戦いの傷痕を色濃く残している街は、ミライによる潤沢なエネルギー供給がなくなった影響もあり、日没が近づくと加速度的に静かになっていく。 そんな中をひとり、夷守メイサは歩いている。 今のメイサは、日中の作業でかいた汗を流すためにシャワーを浴び、その後ドライヤーをかけて真っ直ぐ櫛を入れて整えただけの状態であるため、いつもの特徴的なヘアースタイ
「⋯御」 「⋯姐御」 耳の奥の方で、誰かの呼ぶ声が聞こえた。 「⋯ん」 しかしゆすらは、どこか上の空といった様子で、机の上に右手で頬杖をつきながらそれに生返事をした。 「姐御っ!」 「⋯あ?なんだよ」 今度はより近い距離、より強い声で呼ばれ、それを耳障りに感じたゆすらは、少し苛立ち混じりに、だがしっかりと、声の主に意識を向けて返事を返した。 「炊き出しの方、終わりました」 「あ⋯ああ、そうか。お疲れさん。片付けが終わったら解散していいって皆に伝えといてくれ」 「はい!姐
「ぶはーーー⋯⋯」 「や、やっと脱稿したであります」 太正101年6月2日。深夜。 立山うちかは、2週間後に控えた即売会に向けた新刊作業を終え、力なく椅子の背もたれに寄りかかって、天井を見上げた。 (さすがにテスト勉強と並行して描くのは大変だったであります⋯) 新刊を落としても、委託や通販という手段はあるが、春先まで帝国華撃団としての活動が中心であったこと、そして本格的な復帰1発目ということで、うちかにとって今回の即売会は、何としてでも間に合わせたいという気持ちが強かっ
「あ、次あそこね!」 「おい、まだ買うのか?今日は随分とらしくないじゃないか」 「心外ねー。あたしだってこういう日くらいは羽振り良く買い物するわよ!それにぃ〜今日はちょうど良い荷物持ち係もいるし、ね?」 あたしは右目で⋯軽くウインクを飛ばして、両手に紙袋をたくさん抱えた(まあ正確にはあたしが抱えさせたんだけど)梅林の反応を待たずに店内へと入っていった。 「いや⋯ね?じゃないが」 今あたしは、梅林に付き合ってもらって帝都で買い物巡りをしている。 普段は徹底的に節約してるあ