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自己開示欲を満たすために恥ずかしかった思い出を話します。~ぴかぴか10円玉編~

 まだまだ僕は、自分を隠している。
 そんな気がしてならない。

 noteに書けないこと、書きたくないことばかりだなって思うから。

 もういっそ開き直って、何も隠さずに、全てをさらけ出したほうがいいんじゃないかって思う。
 特に、今日みたいに書くことが何も思い浮かばないときには。

 でも、それはやっぱり、すっごく怖くて…。

〈0か1かで考えすぎじゃない?〉
 そうかな?
〈そうよ〉

〈すべてを隠すか、すべてをさらけ出すか。選択肢は本当にそれだけ?〉
 ……そう言われると、たしかに。
〈でしょう?〉

〈隠したいことは隠したいままでもいいし、言えるときに、言える範囲のことを言う。そういう心構えでもいいのよ〉

〈あるいは、秘密をほのめかすだけにして、考察のネタだって言い張るとか〉
 あー、それちょっと面白そう。
〈でしょう?〉


〈それと、シャルがこんなことを考えてるときって、自己開示したいって欲が高まってるときだと思うの〉
 自己開示の欲?
〈もっと自分を知ってほしい……いや、もっと自分をさらけ出したい欲、とでも言うのかしら〉
〈そういうときは、その欲に従って、何か自分の中にあるものを言っちゃったほうがすっきりすると思うわ〉

 うーん……じゃあ、ずっとどこかで言ってみたいなぁって思ってた、恥ずかしかった話でもしようかな。
 どこかで聞いたことがあるんだ。恥ずかしかったことは堂々と言って笑い話にすればいいって。
〈いいじゃん〉

 えーっと、小学生ぐらいだったかな。
 家族で電車に乗ることになって、僕は券売機で自分の切符を自分で買うことに挑戦した。
 で、切符は無事に買えたんだけど、そのときのおつりに、ものすっごくぴかぴかしてる10円玉が出てきたの。
 ちょっと感動して、後ろにいた家族に報告した。「見て!すっごくきれいな10円玉がでてきた!」って。
 そしたら「お~、ほんとだ!」って言ってもらった。

 知らないお姉さんに。

 家族だと思ってた後ろにいた人は、その場に偶然居合わせたほんとに全然知らないお姉さんで、その知らないお姉さんも、あまりに僕が自然に声をかけてきたからつい反射で応えたらしい。

 すっっっっっごく、恥ずかしかった。


 ……この話、面白いかな?
〈すっごく面白いと思うわ。最高よ〉
 ならいいんだけど…。
〈ねえ、シャルはこの話をして、すっきりした?〉
 した。
〈なら満点よ〉

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